この素晴らしいステッラ・デッラ・コリーナで週末を！｜リアクション

この素晴らしいステッラ・デッラ・コリーナで週末を！

◆午後：スイートルーム（３人部屋）

　チェックインを済ませた桜庭・白・南雲の３人は、最上階の角部屋である３人部屋を確保することに成功。
「すいーつるーむ！　３人部屋いえーい！」
　桜庭が一番乗りで入室。
「おお！　ひろい！　ベッドおおきい！」
「うわっ、本当だ！　優勝できてよかったぁ！」
　白も憧れのスイートルームに大感激。
「家族と何度か食事にきたことありますけど……、スイートルームは初めてですよ。想像していた以上にベッドが大きい。部屋も広ーい！」
　南雲も身を震わせて喜んでいる。
「ねね！　こんなふかふかのベッドを見たら、やる事はひとつだよね！」
　白はバッグを床に放り投げて、数歩後退すると、助走を付けてベッドに飛び込んだ！
「ひゃっほーい！　このベッドすっごいフカフカだよっ！　凄い跳ねるし！」
　ちっちゃい女子高生がベッドの上でボヨンボヨンと飛び跳ねる姿は、どんな性根が曲がった悪人でも尊さのあまりに浄化されてしまう。
　古事記にもそう書いてある。
　ついでに白の発育しすぎたお胸もボヨンボヨン。
　もし、ここに御剣君が居たら、彼はその場で即死していたであろう。
「ですよね、白先輩！　こういうベッドを前にしたら飛び込むのは礼儀ですよね。と、いうことで私も！」
　南雲もベッドへダイヴ！
　だが、あまりにもベッドの跳ね返りが強く、勢い余って南雲はベッドを飛び越えて床とキスをしていた。
「……痛いです。どうしてこうなった？」
「皆、子供だなぁ、ベッドで跳ねるだなんて」
「円ちゃんもすればいいのに～？」
　白がニヤニヤしながら手招きしているが、桜庭はそれに応じようとしない。
「おっ、バスローブあんじゃーん！　大人なボクはこれを羽織ってワイングラスに炭酸泡立つ飲料（※サイダー）をくるくる回して海辺のベランダに立たないと！」
　そう言って桜庭は突然、衣服を脱いで下着姿になり、その上からバスローブを羽織った。
　そのままベランダに出ると、彼女は海を一望しながら高笑いをし始めた。
「ふはは！　ふはははは！　いやー、ボクのおかげで勝てましたね！　見よ、下界の光景を！　まるで人がゴミの様だ！」
「円ちゃんのおかげ？　あー、うんまぁ、そうだね、うん、そうそう」
　白はベッドでゴロゴロしながら抑揚のない同意を返す。
　一方、南雲は自前のサングラスを桜庭に渡していた。
「凄い似合ってますよ、どこかの悪役大佐みたいですね。このサングラスをかけると、より一層雰囲気が出ます、桜庭先輩？」
「素晴らしい！　秋月ちゃん解ってるねぇ！　そうだろうとも！　最高のショーだと思わんかね？」
「スゴイ！　口調まで似てきています……！」
（ツッコミ入れたい！　立てる先輩だけど、滅茶苦茶ツッコミ入れたい！）
　南雲、後輩として先輩を立てる反面、ボケ通しの桜庭へのツッコミ欲が秒毎に増してゆく！
「ねね？　ルームサービスも無料になるんだっけ？　こういうの見ると一回頼んでみたくなるよね。でもいい値段してるなぁ」
「なに？　ルームサービスのメニューみーせて！」
　桜庭がベランダから白のベッドまで急発進。
　そのまま桜庭もベッドに飛び込むのだった。
「どれどれ？　ってサンドイッチ高っ！　今日は無料でよかったですね」
　南雲が顔を引きつらせるほどの金額が記載されていたが、今回は特典の一部でルームサービスは無料である。
「んじゃー、ボク、サイダーたのもーっと！　真白ちゃん、よろしく！」
「円ちゃん、自分でやりなよー！　まぁ、いいけど。私も頼むし！」
　白はフロントに連絡を入れている間、桜庭はこの後のスケジュールを確認していた。
「１９時からパーティか！　お腹空かせていかないとね！」