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薔薇色の休日
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【蜘蛛は薔薇を食べない】
薔薇園は広い。
盛況といっても人影がまばらな場所もある。
ジニー・劉
は煙草をくわえながらそんな薔薇園の片隅でぼんやりと薔薇を眺めていた。
園内は禁煙だが、吸いたくなったものはしょうがないと人目につかなさそうな場所を探しての一服。
(……よくあることだが、外に出て手ぶらで帰るっつーのも癪だな)
ジニーは情報屋だ。
今日も本来ならネットで約束をとりつけた相手と会う約束をしていたのだが、見事にすっぽかされてしまった。
この業界じゃ珍しいことではないので、別段腹は立たない。
ただ徒労感は拭えないわけで。
情報屋として何か『売りもの』はないかとぶらついた結果、賑わいを見せてる薔薇園にやってきた次第だ。
人の集まる場所では思いがけない『拾いもの』をすることがある。
それに。
「色の変わる薔薇、か」
最近ネットでも流れている噂。
それもまた情報であり、ジニーにとっては飯の種である。
丁度近くに咲いている白薔薇を見つけるとジニーは手を伸ばす。
しかし薔薇は白いままだ。
「ガセだったのか、それともこの薔薇とは違う薔薇なのか……」
訝しげな顔をしてジニーが薔薇から手を離そうとした時、遠くの方から若い女性達のきゃーきゃーはしゃぐ声が聞こえた。
「っ……!」
反射的に体が強張る。
女性恐怖症であるジニーは若い女性が苦手だった。
老婆や子供はまだいい。
しかし、「女」を強く感じさせる年頃の女性の前だと酷く落ちつかなくなる。
(母さん……)
ジニーの女性恐怖症の根底にあるのは彼の母親だ。
寝子島出身の日本人。
華僑と結婚して、その間にジニーが産まれた。
しかし。
(母さんが欲しかったのは俺じゃない)
いつもより苦い煙草の煙がジニーの口の中で広がる。
思いだすのは幼い頃から母から受けた仕打ちと、日に日に壊れていく母親の姿。
ジニーの母親は一度流産している。女の子だったらしい。
そしてそれをキッカケに夫婦の仲は冷え切ってしまった。
だからジニーの母親にとってジニーは夫の愛を取り戻す最後の望みだった。
しかし、父親からしてみればもう子供の存在など「今更」だったに違いない。
(捨てられた母さんが考えたのは、酷く滑稽な事だ……)
『あなたはあたしの可愛い娘、あの人とあたしの可愛い娘』
自分に女の服を着せ、この世に生まれることのなかった「姉」の代わりにしようとした母。それでも父が戻ってこない悲しみや憤りを自分にぶつけてきた母。そして精神を病んで死んでいった母。
母のことを考えている内に、ジニーの手の中で薔薇は黒く黒く染まっていく。
「……ハハッ、噂は本当だったってことか」
乾いた笑いを漏らしてジニーは黒い薔薇を握りつぶした。
「そこの貴方……薔薇を傷つけないで頂戴。それに園内は禁煙よ」
「ぁ?」
ジニーが煙草の灰を落としながら凛とした声の方を向けば、そこにはすらりと背の高い妙齢の女性が厳しい顔つきで立っていた。
この薔薇園の管理者である早苗・キャンベルだ。
「ここの薔薇達は私の子供のようなもの。乱暴するなら許さないわ」
「はっ、そりゃ悪かったな」
携帯灰皿を取り出し煙草を始末しながら、誠意のない謝罪を口にするジニーに早苗の顔つきは依然として厳しい。
足元に散らばった黒い薔薇の花弁を見下ろしながらジニーは問う。
「アンタ、子供いねぇの? 旦那は?」
「夫は亡くなったわ。子供は……授からなかった。だから私にとっての子供は、夫と一緒に作ったこの薔薇園の薔薇達」
無遠慮なジニーの問いに対して早苗は毅然とした調子で答える。
「成程ね、じゃあこの薔薇園はアンタにとって旦那の形見で、愛のカタチってわけか」
母のことを思い出して溢れて来た黒い感情がまだおさまらない。
ふつふつと沸き上がってくるそれはジニーの息を詰まらせる。
吐きだしたい。
この黒いものを全てぶちまけて楽になりたい。
ジニーが衝動に駆られるまま、そんな思いの丈を早苗にぶつけようとしたその時だった。
「Mr.劉」
「……!」
名前を呼ばれて背後を振り返れば、そこには高校生らしき男女の二人組。
ジニーは少年の方には見覚えがあった。
情報源の一つとして利用しているNIEC、寝子島異文化交流クラブのメンバーである
シグレ・ナイトウォーカー
だ。
「事情は知らないがこういう場所だ。あまり穏やかじゃない話はご遠慮願いたい」
物怖じせずに年上に苦言を呈するシグレにジニーは憎々しげに舌打ちする。
何事か言い返そうとも思ったが、シグレの後ろに隠れて怯え目でこちらの様子を窺う赫乃に気づいてしまい上手く言葉が紡げない。
「……わかったよ。じゃあな、婆さん。ココの価値なんて知ったこっちゃねぇけどよ、せいぜい失くさないように気をつけるんだな」
赫乃から視線を逸らし、そう言い捨ててジニーは踵を返した。
(俺には何もねぇ。守りたいものも、アイも……。俺は空っぽだ)
早苗達に背を向けてジニーは帰路につく。
どす黒い感情と、それ以上に心を占める虚しさを抱えて。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
本条小鹿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月07日
参加申し込みの期限
2013年07月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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