【星幽塔】第一階層　コボルトの真実｜リアクション

【星幽塔】第一階層　コボルトの真実

【決着・南入口】

　膠着する南入口を救ったのは、岩から降りてきたメンバーだった。
　樹と亮の2人は素早く合流を果たすと、樹が星の力でコボルトの脚を凍らせてティオレを援護したからだ。
　ティオレはこれ幸いと攻撃に転換。
　亮に後ろを任せると、自分は軽業でそのままコボルトの後ろ側に素早く移動し、呼吸を合わせてもう1体のコボルトをせん滅した。
　また、残りの1体は亮をすり抜けて外に出ようとしたところ、そっと待機していたコボルト退治に燃える夏朝のナイフに切り裂かれた。
「こんな無残な事する『敵』は、生き残らなくて、いいよね？」
　そんな風にナイフ振るったのであった。
　さて、美咲紀もやってきて先に進まねばとなった時、月詠が待ったをかけた。
「あぁ、ちょっとまった」
　一同の視線を集めつつ言う。
「トラップがなかったから、あやしくてね。それで、ちょっといい手を思いついたんだ。頼めるかい？」
　そういって、樹を見る。
　簡単にいうと、樹に星の力を使ってもらい、向こうの部屋Ｃまでの表面を氷漬けにしたのである。落とし穴だろうがスパイクだろうが、凍らせてしまえば関係ない。あとは、注意して進むだけだ。
「こういうダンジョンの攻略法もあるんだね……」
　夏朝は驚き、目を丸くしていたという。
「盗賊の仕事……まぁ楽できたと思えばいいかしら」
　ティエレは、少しばかり存在点を削られたような顔をしていたという。
　かくして一度部屋Ｃへと向かうのであった。