【星幽塔】第一階層　コボルトの真実｜リアクション

【星幽塔】第一階層　コボルトの真実

【再び、部屋Ｃ】

　円は、部屋Ｃの状況に目を疑った。
　先に入ったビゾンは横に転がっていき、続いて入ったシツは、岩と岩の間を逃げ回るコボルトに肉薄している。
　さて、そのあとに入ってきた円は部屋Ａから恐ろしい咆哮を聞いた。
（オークと戦うなら少しでも広いほうがいいかな？）　
　あえて危険を犯しつつ、刀を手招きしてほぼ同時に部屋に入る。
　入って部屋Ａからオークが1体とコボルトが3体。
　部屋Ｅからはコボルトが1体でてきた。こちらが先に出てきたようでシツと戦っている。
「それっ！」
　円は星の力を発動させると、部屋Ａから出てきたコボルトに放つ。
　コボルトのうち１体にヒットした。
　その横をろっこん【加速】を発動させた刀が通り過ぎてゆく。
　シツから逃げているコボルトをそのまま仕留めることに成功した。
「ほう、やるじゃないか」
　野太刀を構えなおしたシツがそれを見てふむと頷く。
「それほどでも。さて、ここからどうする？」
　刀は部屋Ｅに視線をやりつつ応える。
「オークは任せろ！」
　そういうと、ビゾンはオークのほうを向く。
「俺もオークだな。さて、初手でどこまでやれるかね」
　そのままシツも部屋Ｃでオークを相手に取るようだ。
「じゃ、ボクは向こう側だね」
「俺もだ」
　円と刀はそのまま部屋Ｅへと向かった。

　さて、その間に北入口組で岩に行ったメリィ・リリエル・サキリは北入口から部屋Ｃに向けて移動していた。
　南入口のメンバーは南入口へと向かい、分離していた。
「急ごう」
「はい！　がんばリリエルです！」
「おーっ！　おぅ？」
　リリエルのやる気に、メリィもやる気だ。サキリは首を左右に振ると、部屋Ｃへと向かうのであった。