【星幽塔】第一階層　コボルトの真実｜リアクション

【星幽塔】第一階層　コボルトの真実

【部屋Ｃにて】

　それぞれの入口で戦闘がはじまったころ、瓢はろっこん【悋気の独楽】を使い、部屋に風を巻き起こしていた。
　内部には2体のコボルトがおり、混乱したコボルトの１体が慌てて部屋Ｅへと逃走してく。
　そして、もう1体は部屋Ａへと走っていく。
　瓢は、その間にこの部屋で弄ばれていたほしびとがいれば武器を渡し挟撃させるつもりでいた。
　しかし、そこにほしびとは確かにいたのだが戦力にならないと判断する。
　気まぐれな「遊び」の結果、絶命したであろうもの、何らかの実験にされたのかミイラのようにやせ細ったもの、また四肢のいずれかが欠損したものや、すでに息を引き取って食われていたものなどが転がっている。
「ま、つかまって時間がたつと、弱いやつはこうなるさね」
　特に瓢は強いて思うことはなく、部屋を出ていく。
　感情としては「残念」といったところだろうか、だが彼の目的は別にあるのだ。

　そのまま、部屋Ｂに向けて歩いてく。
　そのあと、部屋Ｂに違うモンスターが流れ込んできたのは、別の話。