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<零神探訪>紅燈火街(レッドランタン・タウン)
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●悲鳴
制服のベストの紺と対照的な赤い口紅を引いた唇が恐怖の形に大きく開かれている。
悲鳴の主は、若いツアーガイドであった。
真っ赤な丸い提灯が十か、それ以上、ふわふわと裏路地の薄闇に浮いて、ツアーガイドに迫っている。
「義を見てせざるは勇無きなり、よね、助太刀するわ」
走り出し、焔は太く柔らかい丸太のようなものに躓き転んだ。
「ちょっ……一体なに!?」
蹴飛ばしかけて、それが、自分と同じツアーバッチを付けた男性の脚であることに気付く。見ればあたりには、同じように倒れるツアー仲間の姿があるではないか。
「みんな、どうしたのよ!」
頬を叩いて呼び掛ける。返事はない。それどころか、倒れた人々の顔は生気を抜かれてしまったかのように青白く、まるで死体のようだ。
「観光に来てまでこういうヘンなコトに巻き込まれるなんて、ね」
焔は近くにあった古びた木製の丸椅子の脚を一本へし折る。
「どこからでもかかってきなさいよっ!」
叫ぶが早いか、椅子の脚を棍代わりとし、今しもツアーガイドに襲い掛かろうとしていた提灯のひとつに向かって、真上からたたき下ろす。
「アチョー!」
真上からの強烈な一打に、提灯は空気の抜けた紙風船のように無残に潰れた。
先ほど習った棍を使った護身術がさっそく役に立ったようだ。
「逃げるわよ!」
焔はツアーガイドの腕を掴むと、椅子の脚で提灯を薙ぎ払いながら裏通りを駆け抜けた。
どこへ、なんてわからない。とにかく提灯の見えない方へ、だ。
提灯たちは意志を持った生き物のように、浮き沈みしながら焔たちを追ってくる。ハロウィンのジャックオーランタンにも似ているが、顏がないぶん無機感が増し、逆に怖い。
焔が習った棍の技は、椅子の脚のような棒状のものであれば代用できるのが強みだった。
「でも鈍器はあまり有効な相手じゃなさそう……」
振り返りながら焔は思った。骨が折れ、表面がつぶれても、それだけで完全に倒すことはできないようだ。提灯は手負いの狼みたいに追ってくる。その数は、片手では効かない。
「っと。行き止まり……!」
道も分からぬままがむしゃらに走り続けた焔たちは、路地のどん詰まりに追い詰められた。
万事休す!
そう思った瞬間。
提灯のひとつがぐしゃりと潰れて地に落ちた。
◇
朝鳥 さゆる
の目覚めは心地よいものではなかった。泥沼のような情事からの目覚めと同様に。
記憶があるのは、棲み処としている最愛の人のワンルームマンションで、いつものように睡眠薬の助けを借りてベッドに入ったところまで。
睡眠薬の眠りからの目覚めは、いつだって心地よいものではない。
しかし、此度の目覚めの心地悪さは、いつものそれとは質を異としていた。
目に染みるほどの眩い赤。耳に飛びこむのは異国の言葉。漂うのは異国のスパイスの香。
自分が立っているのは、寝子島ではなく、日本でもなく、紅い異国の街並みである。
「またか……」
その一言で済ませられたのは、感性が摩耗してしまっているせいか。
ゆるり、歩き出す。
この街を見てみようとか、状況を把握しようとか、そんなことは微塵も思うことなく。
意識に薄靄がかかったような気怠さで無意識に闇を求め、ぼんやりと路地裏の方へ足を踏み入れる。
突如、身体が鋭く反応した。
悪意と敵意を込めた攻撃を受けた際に発動する<Stella cadente>の力を借り、上空からの赤い襲撃を躱す。
半分夢幻の世界を漂っていたさゆるの意識が覚醒した。
「――提灯が自分を襲撃している?」
再び襲ってきた赤い提灯を、身を転がして避け、起きるついでに転がっていた鉄棒を拾い上げる。勢いまかせに提灯をいくつか撃破するが、多勢に無勢。移動しながら応戦しているうちに、行き止まりに追い詰められている焔とツアーガイドに遭遇した。
さゆるは提灯を薙ぎ飛ばし、ふたりを手招く。
「こっちよ!」
◇
戦い手が二人になったことで、道を切り開くのが容易になった。
倒し切るまではいかないまでも、叩き潰せば駆け抜けることはできる。
さゆると焔は、ツアーガイドを左右から挟んで守るようにしながら路地を進む。
提灯は何処からでも現れた。ひとつひとつがものすごく強いわけではない。ただ、とにかく数が多い。
「この街では、人間の数より提灯の数の方が多いと言われています」というガイドの言葉にうんざりしながら襲い来る提灯に応戦する。無機的なのに、中に人影に似た黒い影がうごめいて見えるのも気味が悪かった。
「ドローンのようなモノなのかホントの妖怪変化の類か知らないケド」
焔の息は上がっている。
「寝子島で生活しててこういうのにちょっと慣れてるから異変自体もいいんだケド」
椅子の脚で襲い来る提灯を横薙ぎに吹っ飛ばす。
「数多すぎ! もう、勘弁してよ……ッ!」
そのとき、ひゅっ……っ、と軽い音が空を切り、空中の提灯の一つが真っ二つに切り裂かれた。
「おい、無事か?」
長い黒髪をひとつに束ねた眼鏡の少年が、ワイヤーつきの投げナイフを手元に回収し、聞いた。
現れたのは彼だけではなかった。何人かが、この街の子らしい少年二人を守るようにしながら、提灯を次々と切り裂いてゆく。学校で知った顔もある。
助かった。焔は素直にそう思った。
「そう。R&R絡みの事件なのね」
幾度かエージェント経験のあるさゆるは、目顔で状況を了解したことを伝え、改めて提灯に向きなおる。
ワイヤーつきの投げナイフと拳銃で応戦する
夜海霧 楓
は、それに答えた。
「この前調べた落神像絡みみたいだ。――おい、ユチェン。仲間のことしっかり支えてやれよ」
傍らの三つ編みの少年に声をかける。
ユチェンは、いまだぐったりとした様子の男の子を肩で支え、必死についてきていた。
ユチェンたちを守るように真っ赤な救急鞄を振り回しているのは、
音海 なぎさ
だ。
正直言うと、突然異国の街、突然提灯の襲撃という状況に、涙目である。
「今回ボクは、多分ハードモードに放り込まれたと思う。新米エージェント、頑張るよ」
「僕も喧嘩には向いとらへんねんけどなぁ」
知人に声を掛けられてお試しエージェントの
伏見 真
は振り返り追ってくる提灯の数を確認した。
丁度五つ。
「せやけどまあ、相手が提灯やったら何とかなるかも。ちょぉ試してみよか」
真は自分の手の甲に口づけ、ろっこん<狐に嫁入り>の発動条件を満たす。
迷信深い土地柄故か、すでに化け提灯が騒ぎになっているせいか、ひとのユチェンの前でもろっこんは発動し、真の周囲にしとしとと小雨が降りだした。
(提灯の火が消えるか、紙が雨でダメになるか)
ギリギリまで観察する。
(限界と相手の耐久がわかったら僕でもまあヤりやすいよなぁ)
雨の範囲に入ってきた提灯は、しばらくの間そのまま耐えた。提灯の外張りは紙だが、多少の雨には耐えられるよう薄く油を引いてあるようだ。そうは言っても紙は紙。完全防水とはいかず、提灯の火は消えぬまでも、提灯の動きはてきめんに鈍る。
(これなら手で叩き潰すなり、足で踏みつぶすなりできそうやわ)
そのときちゅんっ、と軽い音がして濡れた提灯のひとつに穴が開いた。高いヒールの音が石畳みの路地に響き渡り、鮮やかな紫紺のスーツに身を包んだ
リンコ・ヘミングウェイ
が姿を現す。
「みんな、大丈夫?」
「僕たちは大丈夫だけれど」
声とともに白銀の髪が煌めいた。
<斬空赤刃>によって中空に姿を現した
サキリ・デイジーカッター
が、動きの鈍った提灯たちを切り裂く。
「坂内さんの姿が見えない。提灯に喰われた可能性が高い」
「提灯に喰われた、ですって?」
「悪いけど話はあとよ」とさゆるが言った。「こう数が多くちゃ埒が明かない。一旦、撤退を進言するわ」
「同感!」
叫び声とともに
新田 亮
が屋根から飛び降り、警棒で提灯を叩き潰す。
「ユチェン! この辺で、避難できる安全な場所はないのか?」
ユチェンは、はっとした顔で頷くと、路地の曲がり角を指さした。
「こっち!」
一同はユチェンの指さす方へ駆けた。
角を二、三度曲がった先で、ユチェンは一軒の襤褸家の木戸を開け、その中に皆を引き入れるとぴたりと戸を閉じ、中から棒を立てかけ錠代わりとした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
前回シナリオ
R&R Agency:file2-01:落神伝説レポート
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
17人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年05月13日
参加申し込みの期限
2018年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年05月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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