ねこじま魔法少女大戦３（ドライ）～聖なるコケシ攻防戦～｜リアクション

ねこじま魔法少女大戦３（ドライ）～聖なるコケシ攻防戦～

「痛いわボケェェェェェェェェェ！！」
　カイリは自分の頭をしこたま殴っていた。
　おかげで正気を取り戻す事が出来たが、とんでもないモノを見てしまった。
　恋人との初めての共同作業を幻視してしまった彼女は、半ば燃え尽きていた。
「し、知らなきゃよかった……。あんなものが私に収まるとは思えない！」
　砲台は墜落して大破。知ってはいけない真実も知ってしまった。
　石床に投げ出されたカイリはもはや、満足する術はダイレクトアタックしか残されていない。
　その様子を心苦しく見守るカヤ。
「こんなの守るより……、味方同士で協力して、新しいアイテム作ればいいじゃないか。争い合ってない魔法少女にまでこんな仕打ち強いるような代物より、ずっと良い物ができると思うよ……？」
　カイリはこの言葉に下唇を噛む。
「だとしても、僕は戦う！　魔法少女ビルドファイトだ！」
　彼女が両拳を構えると、大破した砲台が変形合体！
　パワードアームとなってカイリが搭乗！
「僕が一番、このパワードスーツを使いこなせるんだ！」
　あくまでも戦う意思をみせるカイリに、カヤの表情は悲しみに満ちた。
「……そう、やはり来るか、仕方ない。だったら、全力で応対させてもらう。あれが消えるまで！」
　既にプラズマの檻の中で自壊が進む御神体を見遣る。
　完全自壊まで、あと少しの辛抱だ。
「そんなこと、やらせない！」
　カイリはビームライフルをカヤ向けて乱射！
　だがカヤは敢えて全弾を被り、妙意の猫の手の術の威力を高める！
「イヤーッ！」
　千手観音猫パンチ！
　パワードスーツの首から上が吹き飛んだ！
「チィッ！　でも、たかだかメインカメラがやられたくらいで！！」
　それでも狙撃を繰り返すカイリ！
　視認できないはずだが、その狙いは実際精密！
「何故！？　視覚を潰したのに！！」
「視えるッ！　僕は今、ニュータイプの感覚魔法を手に入れたぞ！」
　限界を超えたカイリが、新たなる力を獲得してカヤを追い詰める！
「これで落ちろぉー！」
　カイリがビームサーベルをカヤの身体に突き刺す！
「がっ！？　ま、まだだ！　イヤーッ！」
　カウンターの千手観音猫ひっかき！
　互いに至近距離のヒサツワザが炸裂！
　火花を散らすパワードスーツが、カヤごとサーベルを天高く放り投げた！
「うわああああああ！！！」
　カイリの裂ぱくの気合と共にライフルを発射！
　ビームに飲み込まれるカヤは、御神体が爆発をして自壊する瞬間を目撃する。
「……これで、いいんだ……」
　使命を果たしたカヤは、天井を突き抜け天空でハナビとなって爆発四散！
「サヨナラ！」
　一方、カイリもコクピット内で血まみれになっていた。
「お、おかしいですよ、カンブツさん……！」
　カイリの死に顔は、とても満足気だったという。

＜恵御納夏朝・伊賀解理：戦闘不能＞