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「夜だったからあんまよく分かんなかったけど、確かこっちだったはず!」
2人の少年の姿が道にあった。1人の少年がもう1人の少年の手首を掴み、ぐいぐいと元気に歩いている。その半ば引き摺られるようにしている
タイラ・トラントゥール
が、うんざりと口を開いた。
「色が変わる花だなど、あれは見間違いだ。夜で疲れていたから見誤ったか、夢に違いない」
「そんなことねーって! あんな綺麗な花が夢なはずないだろ。でもこの間からずっと探してんのに見つかんないんだよなー」
瞳をきらりとさせながら
源 竜世
が軽く口を尖らす。が、すぐにその口の端が楽しそうに上がった。
「でもタイラの花、すっげー綺麗だったよなー。何色って言ったらいいんだろう。緑? 青?」
横でタイラが何かガウガウ言っているのも気にせず、竜世はあの月夜に咲いた不思議な花の事を思い出していた。
タイラが染めた花の色。黄緑とも違う不思議な色だった。そう。例えて言うならタイラの深い青の瞳に、お日様の明るさをスポイトで2、3滴垂らした感じ―――。
「おい、いい加減諦めろ! 見つからないならあれは夢だろう!」
痺れを切らし、少し大きな声でタイラが言う。竜世はちらりとタイラを見た。
(あの綺麗な花の色。タイラの瞳の色。お日様の色)
竜世の心があの夜の花のように、一気に明るく染め上げられる。タイラの手首を掴む手に思わず力が入った。
心が、むずむずする。「大好き!」の気持ちを誰かが「もっともっと!」と応援してくれるような。
その不思議な感じに竜世は逆らわなかった。タイラの手首がパッと離される。
「?」
タイラが訝しげに眉をひそめた瞬間。タイラは竜世に勢いよく抱きしめられていた。
「っ!? お前またっ!」
タイラは離れようともがいた。しかしそんな事お構いなしに竜世はぎゅうぎゅうとタイラを抱きしめる。
(へへ。ほらやっぱり)
竜世は一人笑った。胸のむずむずは今、嬉しさとなり竜世の心一杯に広がっていた。
何でか分からないけどタイラを抱きしめずにはいられなかった。でも、抱きしめて良かった。だって俺今、こんなにも嬉しくて幸せだ。
―――いつも、こいつは、なんの躊躇もなく。
タイラは竜世に抱きしめられながら、ぎゅうっと目をつぶった。こんな馴れ馴れしい付き合いなど、ボクは本来ごめんなはずなのに。
竜世の温かさが伝わってくる。それは、夢で見た幻の花の色のよう。竜世が咲かせたランプに灯されたようなあの温かな色。それは竜世の強く輝く瞳によく似合う。
羨ましくもあり、切なくもある。けれど、それ以上に。
タイラの心の中を温かい何かが通り抜ける。それはタイラの心の扉をそっと開けていき。
(ボクはコイツを……そしてボクのこの感情を否定しきれないんだ)
タイラは宙ぶらりんだった自分の両腕を竜世の背中に回していた。
(あ、タイラの体温)
自分に回された腕の感触に、竜世の唇が綻んだ。この温かさをオレは知ってる。あの狭い箱みたいな中に2人閉じ込められた時。何も見えない暗闇でも、この温かさがタイラがそこにいるってオレに教えてくれていた。
(……へへっ)
嬉しさに竜世は腕に力を込める。そして小さく呟いた。
「前の時も思ったけど、タイラって冷たそうなのに意外とあったけえよな」
「……前の時? あの時はお前の方が風邪で熱かっただろうが。ボクは今熱などない」
耳元で聞こえた竜世の言葉に、タイラは思わず眉をひそめた。
あれは竜世の思いがけない弱さに触れた時。風邪を引いた竜世をどうしても放っておけなくて、小さな天窓の下、彼が寝入るまで一緒にいてやった。泣き疲れたように眠る竜世の体は温かった。だからこそ何か離れがたくて。
「―――お前、また熱でも出たのか?」
タイラははっとして竜世の額に触れようとしたが、腕の自由がきかない。それなら自分の額でと竜世に顔を近付けた時、タイラははたと気付いた。
(ボクはなんで竜世に抱きついてるんだ?)
心を通り抜けた熱が嘘のように引いた。と、途端に今の状況が気恥ずかしくなってきた。
「ちょっ、とりあえず離れろトリ頭……!」
手を離し、もがく。けれども竜世はやっぱりお構いなしに……それどころか逆に更にタイラをガッチリとホールドした。
「オレそんなにアツくねえよ。ほら、同じくらいだろ!」
自分の熱をタイラに押しつけ、どうだっ! と言わんばかりに竜世は彼を見上げた。
「いや今そういう事を言ってるんじゃない……!」
「だってタイラがあん時みたいに熱いって言うから―――!」
反論していた竜世が、ふと口をつぐみ首を傾げた。
「なんでかぜひいたのタイラが知ってんだ? アレ夢だろ?」
「夢ではない! ボクは確かにお前の部屋に入って」
「え? だって起きたらいなかったし。夢、だよな? 違うのか……?」
「ボクがお前の家に突然外泊する訳にもいかないだろう! あれは現実だ!」
「……えーっ?!」
あの何だか弱っていた自分も優しかったタイラも本当にいた。それは竜世の耳を赤くするには充分だった。
(……うわあ!)
恥ずかしい。けど何だか嬉しい。わやくちゃな感情に呑み込まれそうになった竜世は、ブルッと頭を一振りした。
(それは後で考える! けど今は)
竜世は腕の中のタイラをキッと見上げ口を開いた。
「それはそうなのかもしれないけど、オレが言ってんのは違う! オレは箱の中にいた時の話してんだって!」
「箱の中?」
竜世の言葉にぎゅうっとタイラの眉根が寄った。
狭い真っ暗闇でのあの出来事。箱から出られたと思ったらベッドの上だった。あれは間違いなく夢。……なのになんでコイツがあの話をしているんだ?!
「あの暗闇での事は夢だ!」
タイラは思わず声が大きくなってしまう。あんな弱い自分をコイツに知られたなどありえない!
しかし竜世も一歩も引き下がらなかった。
「夢じゃねえよ! 箱の中で色々話したじゃん!」
何でそんな事を言うのか。あの時のタイラの体温は暗闇でも優しかったのに。今と同じように温かかったのに。
「何でもない話って言ったけど、やっぱなんでもなくねえ! お前が全部夢だとか言って忘れてんのははら立つ!」
「なんでもない事ならお前もさっさと忘れろ!」
売り言葉に買い言葉。タイラの頑なな態度に竜世は地団駄を踏みたい思いだった。―――ほんとにタイラは全部忘れちゃったのか?
夢には絶対したくない。竜世はぱっとタイラを抱く腕をほどくと、その両手でタイラの頬を挟み引き寄せる。そしてその瞳をまっすぐ捕らえて言った。
「オレがいるからって言っただろ!」
タイラは息を呑んだ。
それはあの暗闇で自分を抱きしめた言葉。そして泣き疲れた竜世に自分が自然に発していた言葉。
(どうして、どうして……)
いつもコイツはボクの中に踏み込んでくる。そしてその上。
(それを拒絶できないボクもどうかしている)
竜世の事など。そう思う。けれどあの言葉は暗闇の寂しさを溶かしたし、竜世に伝えたのも……紛れもない本心だったのだ。
不覚にも歪んでしまった顔を隠すようにタイラは無理に下を向く。けれど竜世が頬を挟む手を離さないので端正な顔が見事に崩れてしまった。
「……ははっ!」
「お前が……!」
笑う竜世にタイラが噛みつく。と、その頬を押さえていた手がはずれ……タイラは竜世に抱きすくめられていた。
「……お、おいお前?!」
「いーじゃん、もうちょっとこのまま」
狼狽するタイラを、竜世は笑顔で抱きしめる。だって、気付いてしまったのだ。
(かぜひきが夢じゃなかったら……)
『ボクがいるから』
その言葉を、竜世は確かに聞いたのだ。タイラの声で。
「うんうん、夢じゃねえ!」
「ゆ、夢だ!」
ぎゃいぎゃい言いながらも。道路で仲良く体温を分け合う2人だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年04月29日
参加申し込みの期限
2018年05月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年05月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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