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【中間テスト】明日のためにペンを持て!
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◆
万全の準備で迎えた、あるいはさっぱりその存在を忘れていたテストのように、雲ひとつない快晴の空。心地よく肌を撫でる風は、頑張れと応援するようにも、テストなんか気にするなと笑うようにも思えた。
これから始まる、4日間の中間テスト。
テスト明けを甘美な一時として過ごすのか、それとも沈痛な面持ちで過ごすのか。
泣いても笑っても、ここが勝負の分かれ目だ。
いざ、明日のためにペンを取れ!
◆一日目/前途多難
朝の寝子電。
星ヶ丘行きのその車内で、
楡宮 遠海
はノートを見直していた。
座り心地でも悪いのか、もぞもぞと身体を動かしたり、制服のスカートの裾の乱れを直したり。どうにも落ち着かなさそうな、そわそわとした様子だ。
そんな彼女の耳に、車内アナウンスが届く。
『次は終点、星ヶ丘〜。ご乗車、ありがとうございました〜』
もう星ヶ丘だ。ギリギリまで見直しをしていると、時間が経つのもあっという間――。
(……待って、星ヶ丘?)
頭のなかで、駅名を繰り返し。直後、背中にいやーな汗がじわっとにじむ。
遠海がいつも降りているのは、シーサイドタウン駅。けれど、もうすぐ着くのは終点の星ヶ丘。
つまり、
(乗り過ごした!?)
よりにもよって、テストの日に……いや、テストの日だからこそ、やらかしてしまったのだろうけれど――とにかく!
扉が開くやいなや、ホームにまろびでる遠海。
向かいのホームには、ちょうどシーサイドタウン方面の電車が来ている!
なんて安心したのも束の間、発車を告げるメロディとアナウンスが鳴り響く。
慌てて走る遠海。
足がもつれて転びそうになり、持ったままだったノートを取り落としかけ、けれどもなんとかキャッチしつつ、車内へと駆け込んだ。
背後で音を立てて閉まるドアと、駆け込み乗車への注意のアナウンス。
心のなかで謝りつつ、ノートを見ようとして――
「……降りるまでは我慢しよう」
やっぱり止めた。
見直しはしたいけれど、これでまた乗り過ごしたら洒落にならない。
その甲斐あって、今度はちゃんとシーサイドタウンで降りることが出来た。
降りること"は"、出来た。
「あれ、ここ何処……?」
学校までの道を、教科書片手に歩いていたら。
今度は、道に迷ってしまったのだった。
壊滅的なまでの方向音痴が、教科書読みながら歩いたら……そうなるのも、まあ当然だろう。
◆一日目/一時間目:国語
講堂に、国語テストの、そして中間テストの始まりを告げる鐘の音が響く。
配られたテスト用紙を前に、
青山 絢
は軽く深呼吸して気合を入れる。
出来るだけのことはした。少しはモノになったはず。
だから、あとは最善を尽くすだけだ。
まずは現代文をサッと解いて、苦手分野の古文と漢文へ。
漢文の小問集合、その最初は短文の書き下し。
点や送り仮名ははじめから入っていて、本当にただ書き下すだけ。
しかも、これは授業で出てきた文章だ。復習さえしていれば、授業をちゃんと聞いていれば、考えるまでもなく答えがわかる。
そんなサービス問題を解いた絢だったけれど、次の問題に移ったところで手が止まる。
そこにあるのは、頭から終わりまで全て漢字の文章。いわゆる「白文」だ。
それに自分で返り点をつけろ、という問題。
落ち着いて、さんざん復習した返り点の付け方を思い出す。
セットになっている、ヒントの書き下し文。
まずはそれに沿って読む順番を考えて、漢字に番号を振っていく。
そうしたら、次は返り点をあてはめていく。
そんな絢の視界の片隅を、いくつもの小さな影が通り過ぎていく。
けれども、彼女はそんな瑣末事は気にも留めなかった。というより、そもそも気付いていないのだろう。
なにせその目は、問題文だけに向けられている。
普段、台詞を覚えたりだとか、役のイメージを掴むために発揮されている集中力は、テストという勝負の舞台でもいかんなく発揮されていた。
眼の前のものだけに集中している絢にとっては、それ以外のものはないも同然なのだ。
◆
( よし、一通りわかるところは書けたかな)
小山内 海
は、いったんペンを机に置いた。腕時計を見れば、まだ時間はしばらくある。
わからなかったところをじっくり考えて、それから見直しをするのには充分――
(……ん?)
視界の隅で、何か動いた。
一通り解き終え、集中が緩んだところだったからだろう。
つい、その「何か」を視線で追ってしまった。
棒人間の群れと、テオっぽい見た目の猫(超でかい)が、そこに居た。
ちなみに猫が超でかいと言っても、それは棒人間たちと比較しての話だ。海なみにでかいとか、そういういうわけではない。
棒人間は、使い古して小さくなった消しゴムくらい。猫は、海の握りこぶしぶんくらいはあるだろうか。
もっとわかりやすく言ってしまえば、落書きサイズだった。
( なんか、落書きが動いてる……?)
思わず見つめる海の前で、棒人間たちが手にした剣とか槍とか弓とか――彼ら同様に棒だけのものだけれど――を巨大猫に向けて繰り出す。
くすぐったそうに猫が身震いし、それから鬱陶しそうに手を振るう。
棒人間たちの剣や槍がすっぽぬけ、くるくると宙を舞ってどこかに飛んでいった。
(動いてるっていうか……)
なんか、戦ってるし。
剣や槍を失っても、棒人間たちは果敢に巨大猫へと立ち向かっていく――と、そこに影が差す。
棒人間と猫が頭上を仰ぎ見れば、とてつもなく雑な輪郭の鳥が飛んでいた。
次の瞬間、猫がふしゃーっと鳴いて――落書きだからか、鳴き声はしなかったが――鳥に飛びかかる。輪郭の雑さからは思いもよらない軽やかな動きで猫をかわし、鳥は棒人間たちに向かって急降下。すると今度は、鳥が現れたのとは反対方向から、四角と丸だけでできたロボット(多分)がダッシュで出現。鳥に強烈なパンチをお見舞いした!
いったいこの戦い、どうなってしまうのか――。
――カツン。
見回りの先生の足音に、海はハッと我に返る。
(今はテストに集中しなきゃ)
小さく首を振り、視線を答案用紙に戻す。まずは、後回しにした古文の訳の問題を片付けよう。
そのために問題文をじっくりと見つめる海の視界の、上というか、前というか。
とにかく視界の端っこに、ロボットの手足や、鳥の翼や、棒人間の身体や、猫の尻尾が出たり入ったり。
そんなの見ていたら、芸術科所属の血がうずうずと騒いでしまうのは、当然のことだろう。
そう、当然のことだ。
だから海が、問題用紙に猫を描いてしまったとしても、それは仕方のないことなのだ。
(ふっふっふー。いけー、私の猫ちゃん軍団よー)
騎士っぽいの、魔法使いっぽいの、サムライっぽいの、忍者っぽいの、たくさんのデフォルメ猫たちが、落書きたちの戦いの渦へと飛び込んでいく。
その様子を見ながら、海はさらに落書きを続けた。
鳥や飛行機など、空飛ぶ落書きが現れたら、天使や悪魔の羽を持つ猫軍団を。
大きな落書きが現れたら、負けじと巨大な騎士猫を。
そうして夢中になっているうちに、先生がテスト終了の一分前を告げた。
箒に乗った魔女っ子猫を描いていた手が止まり、反射的に腕時計を見る。
もちろん確認したところで、実はあと3分あったりとか、そういうことことはなく。
時計の針は、あと一分という冷酷な事実を示してていた。
(まずいまずい、まだ全然見直してないよ!)
描きかけの猫はそのままに、慌てて見直しを始める海だった。
◆
1分前を告げる先生の声に、絢は顔を上げた。
(もうそんな時間?)
漢文と古文に集中していたせいか、時間があっという間だ。
最後に軽く見直そうと視線を戻した時、答案用紙の周りに消しカスのようなものがいくつも散らばっていることに気付いた。
もしかして、集中していて気づかないうちに、散らかしてしまったのだろうか。
(終わったら、集めて捨てておかないと)
そしてテストが終わって、解答用紙が集められた後。
絢が視線を落とすと、さっきまであんなに散らばっていた消しカスみたいなものは、きれいさっぱりなくなっていた。
◆一日目/二時間目:社会
社会のテスト用紙を前に、
恵御納 夏朝
は決意と共にシャーペンを握る。
去年のテストは、日本史が色々あって赤点になってしまった。だから今年は、今年こそはいい点を取ると心に決めた。
もっと言えば、いい点を取るのはその先――いずれ訪れる、進路を決めるときのため。
どんな道を選んだとしても、どんな道の先へも歩いていけるように。
そのためにも、
(目指せ、全科目85点…いや、90点以上!)
……と、意気込んだのはよかったものの。
ちょっと面倒な論述問題を解いたところで、少し気が緩んでしまった。
そうなると、あとは坂を転げ落ちるようなもので。夏朝の集中の糸は、ぷっつりと切れてしまった。
次の問題は、各文章の正誤を問うもので。
内容をなぞり、一字一句確かめるように、夏朝は何度もシャーペンを問題文の上に走らせる。
けれど、一度集中が途切れてしまった頭では、考えるのも一苦労だ。
(猫さんに応援してほしいなぁ……)
そうしたら、きっとまた集中できるのに。
一度そんなことを考えてしまうと、あとはあっという間。問題用紙の余白部分に、夏朝は丸くなって寝ている猫をかりかりと描いてしまっていた。
さらに周りに小さな子猫を描いているうちに、最初の猫がゆっくりと目を開けた。
えっ、と思わず声が出た。
(またラクガキが動いてる!?)
と思ったら、どこからかやってきた他の落書きと、戦いを始めた。
しかも問題用紙の上の方で戦っているから、ものすごく邪魔だ。
(お、お願いだから頑張って解いてる人達の邪魔はしないで……!)
慌てる夏朝などお構いなしに、落書きたちはバトルを繰り広げる。
◆
(と、解けた……)
最後の一問を埋めて、遠海は重たい重たいため息をついた。
国語はまあまあだったけれど、社会は……地理系の問題はもう全然自信がない。
壊滅的な方向音痴のせいか、どうも苦手意識ばかりが先に立つのが原因だろう。
それでもどうにか解けるだけは解いたけれど、多分あまり出来は良くない。
見直せば多少はマシになるのかもしれないけれど、朝のドタバタのせいか、その気力もわかなかった。
だからというわけでもないけれど、テストの余白につらつらと落書き。
キーボードを演奏する猫だとか、ベースを弾く棒人間だとか、ボーカル担当の犬だとか。
何を描こう、と特に考えていたわけではないけれど。部活の影響か、楽器を演奏しているものばっかりになっていた。
あともう一個くらい描けそう、とシャーペンをさまよわせていたその時だ。
キーボードを弾く手が、動いたような気がした。
いや、うん。気がしただけだ。気のせいだ、そうに違いない。
(今日は朝から疲れることばかりだったもんね……)
だからきっと、疲れて幻覚を見てしまっただけなのだ。
そう、思うことにした。
◆
猫と他の落書きたちの戦いを眺めていた夏朝は、どうやらこれが去年と同じものらしいと気付いた。
(なら、ラクガキで対処できるかな)
猫やふわふわ浮く雲をいくつも描けば、すぐにも動き出す。
そんな彼らに、小声でお願い。
「雲さん達は、バトルしてるラクガキ達乗せて、テスト解いてる人達より少し上にふんわり飛んでね」
雲はさっそく、目の前で戦っていた落書きたちの足元へと飛んでいく。
そのままふわっと浮き上がると、落書きたちの戦いは、夏朝たちの頭上へと舞台を移した。
「猫さん達は、雲さん達や、皆の為に戦ってるラクガキを応援してあげて」
にゃー、と声のない仕草だけで猫たちが応える。
いつのまにか、キーボードやベースなんかの楽器を持った落書きたちも、その中に混ざっていた。
他の誰かの落書きみたいだけれど、むしろ応援にまわってくれるみたいでなによりだ。
応援部隊が雲に乗って飛び立っていくのを見届けると、夏朝はまた小さく1匹の猫を描いた。
「君は……僕の傍に、いてくれる?」
鳴くでも、そっぽを向くでもなく。
その猫は、尻尾を揺らして夏朝をじっと見つめていた。
さあ、テストも解かなければ。
落書き猫がいてくれるから、気合は充分だ!
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
23人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年04月27日
参加申し込みの期限
2018年05月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年05月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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