【中間テスト】明日のためにペンを持て！｜リアクション

【中間テスト】明日のためにペンを持て！

◆放課後
猫たちには、テストもなんにもない。
だからテストが終わって集会所に向かえば、猫たちはいつもどおりに集まっていた。
「テストが、終わった……」
そんな猫たちの集会所の片隅で、御剣刀は、グロッキーになっていた。
しばらくそうしたままで、やがて打ち上げの予定でもあったのか、煤けた後ろ姿でその場を後にした。
入れ替わるようにやってきたのは、恵御納夏朝だった。
「僕頑張ったよ、猫さん……！」
猫を求めて手を伸ばす彼女のふらふらの足元に、数匹の猫がすり寄っていった。
すぐさま、もふっ、と抱きしめる夏朝。
ちょうどその時、
「恵御納か、テストお疲れ様。」
「テストお疲れ様なのです。恵御納さんも、猫巡りですかぁ？」
よく知っている声が２つ。
八神修と椿美咲紀との2人だった。
「椿さん、八神君、テストお疲れ様。猫さんに癒やしてもらおうと思って」
2人も目的は夏朝と全く同じ。テストが終わって、猫に癒やされる打ち上げにやってきたわけだ。
「私達、試験頑張ったのです。にゃんこ撫でて、おやつあげて、癒されるのです」
修が持ってきた餌に反応したのか、早速寄ってくる猫たちを、椿はゆっくりたっぷり撫で撫でする。
「美咲紀、癒やされすぎて顔がとけてるぞ」
そんな彼女の様子にくすりと笑いながら、修は持参の餌を猫たちにあげる。
「僕も猫さんに餌あげていいかな？
「ああ。じゃあほら、これ」
「あ！　私も餌あげるのです！」
やいのやいのと餌をわけあって、近づいてきた猫たちを、思う存分撫でたりもふったりする3人だった。

◆
寝子島スポーツセンター、プール。
「試験完全に終わったっ！！！！」
水上桜が、ものすごい勢いで泳いでいた。
テスト期間で泳げなかったぶんだとか、何よりテスト中にすら無節操に襲いくるフツウへの怒りだとか。
いろいろなものがごちゃまぜになって、爆発しそうなストレスを、桜は水泳にぶつけていた。
手が壁に触れて、顔をあげる。
ターンの体勢に入って、壁を蹴る瞬間に思わず叫んでいた。
「あんなテスト、ちっとも普通じゃないわよ！」
怒りをこめた蹴りの勢いに、水面が大きく波立った。

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