全力疾走！　寝子島横断三人四脚駅伝！（第一区間）｜リアクション

全力疾走！　寝子島横断三人四脚駅伝！（第一区間）

【チェックポイント！】

　ダントツぶっちぎりの一位でやってきたのは、【鹿】チーム！
　やはり一つの場所でふたつのスポット紹介は時短効果抜群！
「声だしていくぞー！　４ビートで！」
　高杉の掛け声で三人はリズムよく軽快に疾走してゆく。
　
ちっくっわ！　たっちうおっ！　にっんっぎょっ！　＼へいっ！！／
ちっくっわ！　たっちうおっ！　にっんっぎょっ！　＼へいっ！！／
ちっくっわ！　たっちうおっ！　にっんっぎょっ！　＼へいっ！！／

「って何だこれぇぇぇぇ！？」
　遂に響がキレた。
「なんか違くね？　なんか違うだろ？　マーガレットもなんか言ってくれ！」
「へいっ！！」
「お前が言ってたのかよォォーッ！？」
　合いの手担当はマーガレットだった。
「ごちゃごちゃうるせえ！　ラストスパートだ、マガレ、響、こけんなよ」
　だが、高杉の発言は死亡フラグだった。

ちっくっわ！　たっちうおっ！　にっんっぎょっ！　＼へいっ！！／
ちっくっわ！　たっちうおっ！　にっんっぎょっ！　＼へいっ！！／
ちっくっわ！　たっちうおっ！　にっんっぎょっ！　＼あいた！？／

　チェックポイント５０ｍ手前で３人は盛大にコケた。
　紐の緩みが祟ったのだろう。
　その間に後ろから、スーパーニャブ（小型バイク）に乗ったふぁんた爺ズ４人が抜き去ってゆく。
「おい、じじいに抜かれるのは流石にどうかと思うぞ？　そろそろ本気だす！」
「おい、まさか！」
「その、まさかだぜ！　キャスト・オフ！！」
　掛け声と同時に、高杉のちくわくん着ぐるみが破裂！
　中から貝殻ビキニ姿の高杉が爆☆誕！
「って、なんで俺までー！？」
　響の太刀魚着ぐるみも何故か爆裂四散！
　ひとりだけ海パンマンになった響。
「おいおい！　俺は志波先輩じゃねーぞ！？」
「ぐずぐずすんな、響！　目の間で仲間が待ってるぜ！」
「ひえぇぇぇ！　どんな顔してタスキを渡したらいいんだよ！？」
　涙目のまま体勢を立て直す響。
　マーガレットは密かに尊さにやられて死にそうだった。
（尊い……、尊すぎますわ！　脳内では貝殻で胸を隠し、貝殻パンツを吐いた男子が肩を抱き合いながら浜辺を走る姿が映し出されましたよ。いいですね、悪くないです！　なんだが、ちょっとドキドキしてきましたね！）
　あのー、マーガレットさん。
　それは今、全力疾走しているからだと思います。
　高杉はいい笑顔で再度音頭を取り始める。
「さぁ、最後の掛け声いくぜ、俺に合わせろ。おーっぱい！　おーっぱい！　おーっぱい！」
「それを言うならオーエスオーエスだ！　いい加減、胸ネタは離れろー！！」
　チームメンバーの前で大恥をかき、心が折れそうな響に誰か優しい言葉を掛けてあげて！

　かくして、【鹿】チームは１位通過でタスキを渡す事が出来たのだった！

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