いざ特売という名の戦場へ｜リアクション

いざ特売という名の戦場へ

●夏が来る前に

　真境名アリサは旧市街の自宅アパートで適当にスマホをいじっていた。
　今日は仕事が休み。しかし、これといって予定もなく、横になりながらなんとなくねこったーのTLを追っていた。するとmiaoのなかにある靴屋の改装閉店セールの情報が飛び込んできた。

（よくある改装店じまいセールで、どうせ一日やすんでほんのちょっと什器を動かしたり、掃除したりして。あさってには店が再開、なんだろうけど……）

　そう思いながらセールの内容を見てみると、結構いい品がそろっている。夏に向けてそろそろ新しい靴が欲しいな、なんて思ったところへ良いタイミングで安く靴をゲットできるチャンス到来。アリサは起き上がると出掛ける準備を始めた。
　旧市街からシーサイドタウンへと移動し、miao内にある靴屋に到着。店はなかなかの盛況だった。まだいいのが残ってるかな、と不安になりながらアリサはレディースコーナーへ向かった。棚をみるとまだそれなりに残っているようで一安心。さっそくサンダルやミュールを何点かゲットする。

「これは普段使いにして、これは店でも使えるかな？　これは店でしか履けないな」

　自分の手持ちの夏服や、店の仕事で着る水着などと頭のなかで合わせながら選んでいく。組み合わせのバリエーションが豊富なので、迷いながらも選んでいく。これだけでなくパンプスやスニーカーもチェックする。やはりこれも自分が持っている服や水着と合わせたときを考えながら見る。いくつか気に入ったデザインがあったのでそれらも一緒に購入した。

「いい買い物ができたけど……持って帰るのに少し苦労しそう」

　気づけば、先ほど買ったサンダルなどが入った袋で両手がふさがっている。それに重さもそれなりにある。しかし物欲は満たせたし、いろいろ組み合わせる楽しみもある。
　アリサは満足した様子でアパートへ戻った。