いざ特売という名の戦場へ｜リアクション

いざ特売という名の戦場へ

●タイミング

　ある日の放課後。椎井莉鳥はいつものように陸上部の練習に励んでいた。練習メニューを終えるとシャワーで汗を流し、更衣室で制服に着替える。すると後輩からキャットロードにあるスポーツ用品店で、現品限りの大特価セールが行われているとの話を聞いた。

（そろそろ買い替えかな……とは思っていたけれど）

　莉鳥は自分が使っている競技用のシューズに目を向ける。使い込まれた靴は底がだいぶ磨り減ってきている。しかし競技用となると価格帯が2万円台で結構高い。
　そんなことを考えながら制服に着替え終えた莉鳥。なんとなく気になってその店のサイトをスマホで調べ始める。サイトにもそのセールの告知がされており、対象商品に関する情報が載っていた。靴を探すと陸上競技用のシューズが5足出されていて、サイズも自分のそれにぴったりだった。

「気になるお値段は……1万5000円。うそ、1万円近くも安いじゃない！」

　莉鳥は営業時間などを確認すると足を速めた。途中で銀行に立ち寄りATMで預金から2万円を引き出してから、その店へと向かった。
　店に着くとまだセールの最中だった。スマホで確認した競技用シューズは残り1足となっていた。莉鳥は速攻でこれを確保する。試しに履いてみると、ちょうど足にフィットした。

「……うん、ピッタリね」

　履き心地を確認すると、莉鳥は購入を決めた。なんとかシューズを確保したので、気持ちの面で少し余裕ができた。それで適当に店内を回ると、リストバンドなどの小物やタオルなども安く売っていたので、これもついでに購入することに。全部合わせて17000円ほどになった。
　店には先ほどの後輩も来ていて、やはりトレーニング用品を購入したとのこと。買い物を終えて店を出ると、それぞれ買った用品などを話しながら2人は帰路に着いた。