＜竜宮＞おいでませ！　藍玉ノ楽園へ！！｜リアクション

＜竜宮＞おいでませ！　藍玉ノ楽園へ！！

おまけ
　『水底の民』たちからお礼の品として得た宝物は、多くが調査の為にとある大きな博物館に送られる事となった。だが、不思議な力によっていくつかは冒険者たちの元へと届けられる。

「これって……」
　さゆるは、自分のベッドの枕元に数枚の金貨が置かれているのを見つけびっくりする。それはじゅんの枕元にもあったらしく「これ、この間のだよね？！」と大はしゃぎである。朝日に煌めく金貨を見、さゆるは小さくため息を吐いた。
（お守りにはなるのかしら？）
　二人が、お揃いの真珠のイヤリングも送られていることに気づくのはもう少し後のことである。

　一方その頃。
　朝衣と遥人の二人には、金貨の他真珠の指輪が二人分送られていた。
　上品なデザインのパールの指輪だが、普段使いするにはちょっともったいない。
「ペアリングね。うふふ、特別な日のデートにいいんじゃないかしら？」
　朝衣の言葉に、遥人は小さく笑い彼女をそっと抱き寄せた。

「それにしても……」
　紫は枕元に置かれた数枚の金貨を見、苦笑を浮かべる。同じように金貨を見つけた蒼はそれが本物の金だと知り目を丸くしている。そして、恐らくサンゴで作られた髪飾りも一緒に置かれていたのだ。
「これ、大事にしなきゃね」
　蒼の言葉に、紫も「ええ」と優しい笑顔で頷いた。

　修は電話であおいと枕元に置かれた金貨の話で盛り上がっていた。
「そういえば、あおい。金貨の他に何か置かれていなかったか？」
　何気なく修が話を振ると、あおいは「あったよ」とすぐに返す。彼女曰く、サンゴのついたブレスレッドが一緒にあったらしい。
（だったら、これはお揃いかな？）
　修は、自分の枕元にあったブレスレットを見……少々胸の中がくすぐったくなった。

　桜は、数枚の金貨の下に真珠のペンダントを見つける。それを手にするとどことなくひんやりしているような気がした。
「綺麗……。フォーマルな席で使えるかしら？」
　よく見れば、真珠はほんのりとピンク色をしている。なんとなくかわいいな、と思いながら桜はその真珠を見つめ、小さく微笑んだ。

　寝子島の冒険者たちは、そのお宝を見るたびに思い出すだろう。
　『水底の民』と沈没船の調査に向かった時のことを……。

（おまけ　終）

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