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5月の☆ハッピーバースデー
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●3日
「さーて、今日は5月3日なのですよー」
綺麗に晴れた空の下、
屋敷野 梢
は足取り軽くひらりひらりと歩いている。目指すは大事な友人であり先輩である
壬生 由貴奈
の家。実は今日は由貴奈の誕生日なのだ。
「お祝いをしましょー。準備はバッチリなはずなのですよー」
実はこの事は由貴奈には内緒にしており、今日も単に遊ぼうとしか伝えていない。梢と、もう1人の協力者とでサプライズでお祝いするつもりなのだ。……後の事は殆ど任せてるけど、大丈夫ですかねー?
そんな事を考えながらも梢は鼻歌まじりに道を歩く。まだ約束の時間ではないが、こんな緑萌える時季に家にいても勿体ない。梢は陽光に誘われるように早めに家を出、散歩を楽しんでいた。
緑の香りや元気に動いている昆虫達の姿を楽しんでいた梢は、ふと足を止めた。道向こうの小高い丘に入る小道に人影を見つけたからだ。そこには。
「壬生先輩と……卯木君?」
由貴奈と、彼女の恋人
卯木 衛
が仲良く並んで歩いている。由貴奈と衛の手には花。そしてこの丘の上には確か。
(霊園がありましたね。……お墓参り、かー)
梢は2人の姿が木々の間に消えていくのを穏やかに見守った。そして周囲に誰もいないことを確認すると、静かに目を閉じる。ふわりと梢の姿が消え、オリーブ色の模様が印象的な美しい蝶が姿を現した。
それは、ろっこん<胡蝶の詩>で蝶になった梢の姿。
(お墓参りが終わるまで、私は時間をつぶしてましょーかねー)
自分が行かなくても大丈夫だろう。返ってお邪魔になるかもだし。
梢は衛の意外にしっかりした横顔と、由貴奈の穏やかな笑顔を思い出して考える。そしてふよふよと軽やかに空中散歩を楽しみながら、クスリと笑った。
(それにしても卯木君も隅にはおけませんねー。やるときはやる! って感じですもんねー、うんうん)
お墓を綺麗にすると、由貴奈と衛は持参した花を供え、静かに墓前に屈んだ。
「今年も来たよぉって、1ヶ月ぶりくらいだけど。相も変わらず元気にしてるよぉ、父さん母さん」
由貴奈が墓石を見つめながら、たおやかに微笑んだ。
今日は由貴奈の両親の命日だ。それが彼女の誕生日と重なるのには事情があるのだが、寝子島に来て、様々な事があって、大切な人と父母の前に来られるようになった事は、由貴奈の心をふうわりと温かくしていた。
「今年も、風が気持ちいいねぇ」
緑の匂いに包まれながら、由貴奈は手を合わせて静かに目を閉じた。
由貴奈の横に並んでいた衛は、ちょっとほけっと彼女の横顔に見惚れていたが、はっと気付くと慌てて墓前に向き直った。
(前は分からずついて来たけど、今日は違う!)
桜舞う季節にここが彼女のご両親のお墓だと知った。あれから一月。たったそれだけの間にこの桜の木々は葉を緑に茂らせ、俺は由貴奈さんと恋人同士になった。
(だから、どーしても言っておきたかったんです)
前回とは違う立場での墓参り。衛は手を合わせるとしっかりと前を見つめた。まるで、本当に由貴奈の両親に向き合っているかのように。
(幸せにするんで、見守っててください)
心の中でそう告げると、衛はきゅっと唇を引き結び、目を閉じた。
(由貴奈さんにとって大切なあなた達が、しっかり安心できるように。俺、がんばります)
木漏れ日の中、衛の決意が5月の風に乗り、天まで届けられた。
「……さーて、じゃあ家で遊ぼうかぁ。こずえちゃんも来てるかもしれないしねぇ」
墓参りを終え2人で丘を下りると、由貴奈が衛に声をかける。その言葉に衛は弾かれたように背を伸ばすと、ちょっと慌てて言った。
「あ、由貴奈さん。俺忘れ物したんで……先戻っててください!」
「うん、じゃあ家で待ってるねぇ」
「はい! すぐ駆けつけますから!」
のんびりと手を振る由貴奈にぶんぶんと手を振り返すと、衛は超ダッシュで走り始めた。
(予約してたケーキを取ってきて……あとはご馳走の材料も確保してかなきゃ!)
そう、梢の協力者とは衛だった。由貴奈本人は口にしていなかったが、梢から誕生日のことを聞いた衛は、すぐにサプライズパーティーの計画を立てたのだ。
(全力で! 由貴奈さんを! お祝いするんだ!)
ぐんぐんと俊敏な兎のように、衛の姿はあっという間に見えなくなった。
「……手伝おうと思ったんですがねー」
衛の後ろをふよふよと飛び、すぐに置いてけぼりになった蝶は、追いかけるのをやめるとお下げ髪の少女に姿を変えた。
梢は感心したように衛が消えた先を眺めていたが、くるりとUターンをして歩き出した。
しょーがないので私は先に行って、壬生先輩とお喋りでもしてましょー!
―――ピンポーン。
由貴奈の自宅マンションのインターホンが上品に鳴った。
「うーちゃんかなぁ?」
「あ、私が出ますから壬生先輩は座っててくださいー」
由貴奈手作りのクッキーとお茶で楽しくお喋りをしていた女子2人。梢は素早く立ち上がるとインターホンの画面を確認してにっこりとドアを開けた。
「卯木君お疲れさまー」
「あ……梢君……」
ぜいぜい。
エレベーターでここに着くまでに間もあっただろうに、それでもまだ息が上がってる衛が、両手いっぱいの荷物と共に姿を現した。
(あの全力疾走のまま来たんでしょーねー)
早く壬生先輩をお祝いしたくてしょうがなくて。
「1つ持ちますよー」
梢はふふと微笑みながら衛から荷物を受け取り、2人でリビングへ移動する。そしてその荷物の量に目を丸くした由貴奈に迎えられた。
「うーちゃんいらっしゃーい……ってすごい荷物だねぇ、どうしたのぉ?」
衛と梢は目を合わせる。そしてニッと笑うと声を合わせて言った。
「由貴奈さん」「壬生先輩」
「「お誕生日おめでとうございますー!」」
「あれ……知ってたんだ」
突然の事に驚いた由貴奈は、その後言葉が続かない。そんな彼女に衛はへへと鼻を擦った。
「梢君に聞いたんです」
もう1度梢と目を合わせると、衛は由貴奈に向き直った。
「今日はご両親の命日だとは知ってます。でも、誕生日は誕生日で由貴奈さんが産まれてきてくれた日じゃないですか。だから、どうしてもお祝いしたくて」
そこで言葉を切った衛は一呼吸置くと、オトコノコの瞳で由貴奈を捕らえた。
「由貴奈さんがいやなら、頑張って淑やかにお祝いしますけど……いやじゃないなら、沢山祝われて?」
かっこよく笑う衛を前に、由貴奈は目をぱちくり。ほわとその頬を桜色に染めると、嬉しそうに、そして少し照れたように黒く輝く瞳を細くした。
「うん、ありがとぉふたりとも。とっても嬉しいよぉ」
「やった!」
衛は思わずぐっと拳を握り梢と笑い合う。そしてごそごそと荷物に手をやると、小さなティアラを取り出し由貴奈の頭に載せた。
(へへ、すげー似合う)
衛は目の前できょとんとしている自分のお姫様に改めて惚れ直すと、腰に片手を当てウインクした。
「これから俺達はご飯作りますけど……今日は由貴奈さんがお姫様なんだから、手伝っちゃダメですよ!」
「おー、王子様の手作りですかー」
ちゃかす梢に照れながら「梢君も作るだろ」と噛みつく衛。わいわいとキッチンに移動する2人の姿を由貴奈は何だかこそばゆい気持ちで見守っていた。
(言うつもりはなかったんだけど……気づいてたんだねぇ)
自分が知らないうちにふんわりと花びらで出来たクッションに座らされた感覚。頭の上のティアラにそっと触れると由貴奈は頬を染め可憐に笑う。
(ガラじゃないかもだけど……やっぱ嬉しいねぇ)
今日は1日お姫様。そう思って由貴奈はちょこんと座っていたが、キッチンから漏れ聞こえる声に何だか落ち着かなくなってきた。
うずうず。そわそわ。
首を伸ばして様子を伺ってしまう。そしてどちらとも分からない「うわっ!」という声とカランカランとボールが落ちる音がした時、即席のお姫様は立ち上がっていた。
「やっぱりうちも何か手伝うよぉ!」
こうして3人で作ったカレーとサラダ、そして可愛らしいバースデーケーキが食卓に並んだ。
気の置けない3人なら食も進む。パクパクと楽しく元気に食べ終わればケーキに火を灯し、バースデーソングと温かい拍手の中、お姫様がふうっと蝋燭を吹き消した。
「このハーブティー美味しいねぇ」
ケーキと共に出てきたお茶は、梢が持参したハーブティー。由貴奈の言葉に梢がにっこりと微笑んだ。
「自家製ブレンドです! 毒味……いえ、味見はちゃーんとしてますので、大丈夫ですよー」
『毒』とういう言葉にお茶を飲んでいた衛が危うく吹き出しそうになる。目を白黒させながら何とかごくりと飲み干すと、カップを置いてコホンと1つ咳払いをした。
「えーと、実はプレゼントもあるんです」
「そうなんですー」
梢も衛の後に続く。そして2人はせーのでテーブルの上にそれぞれが由貴奈のために用意したプレゼントを出した。
「プレゼント!」「対決ですー」
「さあさ遠慮なく思い切り」「喜んじゃってくださいー!」
「うわぁ……なんかほんとに色々してもらっちゃって、申し訳ないくらいだねぇ」
お腹も勿論いっぱいだが、由貴奈の心も2人の気持ちで溢れるくらいだ。その幸せを瞳いっぱいに浮かべながら「開けちゃっていい?」と訊く。うんうんと元気よく頷く彼らを前に、由貴奈はまず梢がくれた包みを開けた。
「ペアグラスだぁ」
出てきたのは光を軽やかに閉じ込めた、びいどろのグラスセットだった。1つは赤と白で温かみがあり、もう1つは青と白に、由貴奈の髪の色を思わせる赤茶色がアクセントになった涼やかなデザイン。光を透かすとグラスの中で色が踊った。
「これからの季節、暑くなりますしねー。これでつめたーいお茶でも飲みながら、私のことでも思い出してください!」
「うん、ありがとぉ。夏も一緒にたくさんお茶しようねぇ、こずえちゃん」
女子2人はこれから来る眩しい季節を前に、楽しそうに笑い合う。そして次に由貴奈はうずうずしている衛の方を見た。
「うーちゃんのも開けていい?」
「勿論です!」
ちょっと鼻の穴を広げて意気込む恋人に微笑むと、由貴奈は衛の少し細身の包みを開けた。
「わぁ……!」
出てきたのはピンクゴールドを基調とした上品で華奢な皮バンドの腕時計。衛がぽりぽりと頬を掻いた。
「あんま高いのは無理だったんですけど、大学生が着けてておかしくないヤツを選んだつもりです」
「うん、素敵」
時計の色は、衛の髪が陽に輝いた時の色とよく似ている。そんな事を思いながら由貴奈はその手首に時計を着ける。それはとてもしっくりと由貴奈の細い手首に収まった。
「どっちのプレゼントも素敵だねぇ、ありがと。両方ともすごく嬉しいよぉ」
由貴奈は笑顔で2人にお礼を言う。その言葉に衛と梢は。
「むむ、今回は」
「引き分けですねー」
両者口を引き結んだが、すぐにっと笑い合った。大事な人を笑顔に出来た今回の勝負。こんなに嬉しい事はない。
しばらく3人は歓談していたが、ふと梢が立ち上がった。
「私し忘れた事があったので、散歩がてら出てきますー」
そしてちょっとびっくりしている衛と由貴奈にひらりと手を振ると、梢はマンションを出、眩しい光に向かってうーんと伸びをした。
(後は若い2人にまかせましょーかねー)
取り残された2人。ケーキを食べ終えた衛は由貴奈手作りのクッキーを頂いていたが、ふとその頬を赤くしながら小さく言葉を落とした。
「その時計……これからも一緒の時間を過ごしましょうって意味、です」
由貴奈は自分の手首に収まる時計に目を落とし、微笑んだ。
「うん。たくさん、過ごそうねぇ。一緒に」
由貴奈の掌が衛の頬に優しく触れた時、ピンクゴールドの腕時計がキラリと輝く。5月の陽の光の中、恋人達の顔がそっと近づき、外ではオリーブ色の模様を持つ蝶がひらりと飛んでいた。
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担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月15日
参加申し込みの期限
2018年03月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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