this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
5月の☆ハッピーバースデー
<< もどる
1
…
10
11
12
13
14
…
20
つぎへ >>
●9日
星幽塔第一階層。古代語の呪文を夕暮れの空に響かせながら、魔法長剣を構えていた
ベルラ・ガーネブラッディ
は、ふうと肩の力を抜きその手を下ろした。
「今日は終わりにするかねぇ」
宝石から光の力を引き出すための呪文だが、そう易々とはいかないようだ。ベルラは長剣を収めると、ぽりと頬を掻いた。
(おちびさん、ご機嫌治ったかねぇ)
おちびさんとは同居する弟子、
シーナ・キュクノス
の事。今日の彼は朝から慌ただしく、こちらの話も生返事だった。
もしかしたら。
機嫌の悪い原因に、ベルラは心当たりがあった。これはきちんと謝った方がいいだろうかと思いながら、彼は稽古場を後にし、シーナが待つ家に向かった。
「お帰りなさい!」
元気なシーナの声に迎えられたベルラは、扉を開けたまま立ち尽くした。
「……随分と豪華な飯だなぁ」
テーブルの上には豪勢な食事とケーキ。勿論ベルラが好む肉料理や、具だくさんのスープもある。
「さぁ座って座って!」
驚く背中をぐいぐいとシーナが押す。そうして彼を席に着かせると、自分もちょこんと向かいの席に座った。
ご馳走を挟んでにこにこ顔のシーナにベルラは首を捻る。
(機嫌が悪かったんじゃないのか?)
良く分からないが、弟子の気分がいいのは何よりだ。少し安堵しながらベルラはシーナに問いかけた。
「何かいいことでもあったのかね、シー君」
「!」
シーナの綺麗な眉が驚いたように上がる。と思ったら、今度はすぐに疑わしそうにひそめられた。
「……ベルラ、忘れてるんですか?」
「何が」
涼しい顔の中年男に、シーナはがっくりと肩を落とす。そしてガウと顔を上げた。
「今日はベルラの誕生日ですよ!」
「……あー」
ベルラは顎を撫でながらうーんと唸る。そのいかにも今気付きましたという様子に、シーナはぷうと頬を膨らませた。
「もう! 確かにベルラは大分歳だから変わんないかもしれないですけど」
そう言うと、シーナは大きな煌めく瞳でひたとベルラを見据えた。
「これは生まれてきてくれてありがとうって気持ちを伝える行事なんだから、忘れないでください」
「……こういう祝いはご無沙汰だったから」
シーナの言葉にベルラは呆然と呟いた。
(生まれてきてくれてありがとう、か)
ベルラの胸に熱いものが広がる。その何と幸せなことか。ベルラは心からの言葉を口にした。
「嬉しいよ、ありがとうな」
「……い、いえ! 冷めないうちに食べましょう」
シーナは少し赤くなりながらもベルラに料理を取り分ける。ベルラはそれをパクリと食べ、うんと大きく頷いた。
「また料理の腕あげたなぁ。俺好みの味付けだ、美味いぞ」
シーナの白金色の瞳が嬉しそうに輝く。けれども照れくさかったのか「準備頑張りましたから!」と横を向いて頬を染めた。
「ケーキも手作りかぁ、これは凄い……ほら、ちびも食え食え」
ベルラは上機嫌でシーナを促す。美味しそうに食べるベルラにほっとしながらも、シーナは小さな声で呟いた。
「少しの間歳がまた離れちゃうの……気にしてたのが馬鹿みたい」
「え?」
肉料理を頬張りながらベルラが顔を上げる。シーナが笑顔で首を振った。
「ううん。ベルラ、誕生日おめでとうございます!」
「これ、誕生日プレゼントです」
食事が終わり、2人がケーキとお茶を楽しんでいた時、シーナがベルラに小さな木箱を差し出した。
「これは……」
箱を開けたベルラの瞳が大きくなった。それは、銀の台座にブラックパールを埋め込んだネックレス。シーナが微笑んだ。
「悪いエネルギーからベルラを守ってくれるお守り、みたいなものです」
「へえ……! ありがとな、シー君」
早速ネックレスを着けるベルラ。その姿を見ながらシーナは思っていた。
本当は。僕が貴方を守れたらいいんだけど。
まだまだ力は敵わない。だから、少しでもベルラを守ってあげたくて選んだプレゼント。
……気に入ってくれたらいいな。
ベルラは首に着けたネックレスにそっと触れた。上品で艶やかで、どこか温かい黒い輝き。それは何だかシーナを思わせ、ベルラは不思議な気持ちになる。ベルラが思わず頭をボリボリ掻いてると、シーナが言った。
「お風呂にしましょうか」
「あ、ああ」
そうだ、稽古後だから汗臭かったかもしれんと思いながらベルラが席を立つと、その背中をシーナの声が追った。
「今日は特別な日だから、日頃からお世話になってるお師匠様のお背中お流ししますね」
「―――あ?」
驚いて振り向いたベルラに向かい、シーナがにっこりと笑った。
湯煙が立ちこめる浴室で、シーナはベルラの髪を丁寧に洗っていた。
(やっぱり僕、お日様みたいなベルラの髪、好きだなぁ)
まあ……髪の毛っていうか全部好きなんだけど。
そんな事を考えれば思わず洗っている手に力が入ってしまう。
「ん? どうした?」
ベルラが片目を開けてシーナを見上げる。その頭をシーナはえいとまた下を向かせた。
「いえ、あの……かゆいところはないですか?」
「いいや、気持ちいいよ」
ベルラは素直に答える。変に思われていない事にほっとしながら、シーナは手桶でベルラの髪を流してやると言った。
「じゃあ、次は背中を流しますね」
「お、至れり尽くせりで悪いな。折角だからお願いするよ」
濡れた髪を掻き上げながら、ベルラがシーナに微笑んだ。
(こうで、いいんだよね……)
跪き泡まみれの両手でベルラの背中を擦りながら、シーナは顔が火照るのを止められなかった。
こんなに人の背中を洗うのがドキドキするなんて。
広くがっしりしたベルラの背中を自分の手が触れる。そこにある傷跡も、何もかもが生々しくて愛おしくて。
(ああ、どうしよう……でも僕がやるって言ったんだから頑張らないと)
シーナがその華奢な掌で懸命に擦っていると、ベルラの背中から声がした。
「……てっきり、怒っているのかと思ったよ」
「え?」
シーナが顔を上げる。落ち着いたベルラの声が続いた。
「あの寝子島での……ダンス」
背中の手が止まった。ベルラはそのまま言葉を落とした。
「あんな人が居る前でキスをしたから、怒っているのかと」
「……いえ、怒ってはいません」
小さい声がして、また背中が洗われ始める。さっきより速いリズムで。
「そうか」
ベルラは振り向かずに前を見つめていた。
あれは、昔の癖だった。礼節の意味での、手の甲のキス。
けれども。
あれがもし……そうでなかったら。
背中を懸命に擦るこの華奢な手に、俺はキスをした。
俺はこの手を離せないのかもしれない。
それは俺自身が救われただけではなくて。
俺が、ずっと傍に居て欲しいと願っているのかもしれない。
「流しますね」
背中のシーナが立つ気配がする。ベルラはああと頷きながらぽつりと言った。
「飯も美味くて気遣いも出来、稽古にも熱心。……有能な『弟子』をもって、俺は幸せものだな」
「……え? どうしました?」
手桶でお湯をかけていたシーナがその手を止める。ベルラがいやと首を振った。
「何でもないよ。それより……背中ってのは手で洗うもんなのかい?」
「え?!」
シーナが声を上げる。そのまま頬を染めて固まってしまった。
「兄様たちが僕を洗ってくれる時はこうでしたよ? 違うんですか?」
「いやいや、それが丁寧な洗い方なんだろうよ。確かに気持ち良かったからな」
ベルラは笑って立ち上がりシーナに向くと、彼の両肩を押してストンと座らせた。
「じゃあ今度は俺がシー君の背中を洗おうかね」
「ええっ?!」
湯煙にもはっきり分かるほど赤くなってシーナが振り向く。しかしベルラは上機嫌で泡を手につけた。
「こうやって洗えばいいんだよな」
大きな掌でシーナの白く滑らかな背中を擦ってやる。しかしそれはすぐに終わってしまう作業に思えた。
(細くてちっこいんだよな、おちびさんは)
「~~~!」
何故かシーナは固まって一言も発しない。ベルラはにやりと笑うと、その背中につーっと人差し指を這わした。
「……ひゃん!」
どこから出たんだという高い声が浴室に響く。シーナが涙目で振り向いた。
「や、やめてベルラ~」
「い、いやすまん……はは、擽ったかったかー」
頭を掻きながらベルラは謝り、また無言でシーナの背中を擦り始める。しかしその内心は穏やかではなかった。
(……なんちゅう声を出すんだい!)
背中を洗われる弟子も洗ってやる師匠も。
顔を赤くするバスタイムであった。
<< もどる
1
…
10
11
12
13
14
…
20
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
5月の☆ハッピーバースデー
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月15日
参加申し込みの期限
2018年03月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!