【中間テスト】モヒカン悪魔はテストが嫌いなようです。｜リアクション

【中間テスト】モヒカン悪魔はテストが嫌いなようです。

◆タイムリープ５日目

　悪魔捜索は、何故か困難を極めていた。
「おかしい。あのひねくれた根性の持ち主だから、きっとひねくれた場所に隠れている……なんて思わせておいて、実は『灯台下暗し』のような場所に隠れてたり、あるいは堂々とその辺に紛れてるかもしれない、って思ったのに！」
　水上のイライラが更に上昇する。
　合流した龍目も焦りの色を隠せない。
「まずいな。ジェロニモの目的がさっぱり分からねえから、しらみ潰しに探しているが、あいつ、もしかしたら『ひとつのところに留まってない』のかもな？」
「……そうか、ジェロニモは私たちと同じ、タイムリープを感知できる存在。この『５日間』、私たち以外のみんなは多少の差異はあるけど『ほぼ同じ行動を繰り返している』わ」
　水上はしまった、と顔をしかめる。
　それはつまり、タイムリープを感知できるジェロニモが、５日間とも大人しく同じ場所にいるとは限らないという事！
「とにかく、奴の目的が分からねえ限り、俺たちにできることは校舎内を徹底的に探す事だ。水上、今度はあっちを探してくれ。俺は講堂を見てくるぜ」
「お願いします、龍目先輩」
　２人が背を向けて走り出したのを、陰からコッソリ覗いていたジェロニモが安堵の声を漏らす。
「ケケケケ！　そう簡単に捕まってたまるかよー！」
　何故か焼きそばパンを両手に抱えながら、ジェロニモは屋上へと向かっていった。

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