携帯戦記カプセルギア　外伝「非公式大会！」｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　外伝「非公式大会！」

●●●熾天使の祝福●●●

「ご参加いただきました皆様、ありがとうございました！」
「みんなお疲れさん、楽しかったかー？」

　全ての試合が終了し、集まった参加者と見学者の前で直也とうまが閉会式を執り行なうこととなった。
　うまの問いかけにはーい！　と元気いっぱいに答える子たち。
　若いねぇ、なんてうまはつぶやきながら表彰状を取り出した。

「楽しんでいただけて何よりでした。それでは、優勝されましたディヴァインセラフさんに賞状を授与します！」
「ありがとうございます。嬉しいのです」

　最初から最後まで「小細工無用！　真っ正面から神の威光を示すのです！」なんて言っていたキリエが優勝した。
　戦って勝った人も負けた人も、惜しみない拍手を送る。

「何か一言あるか？…つっても無理しなくていいからな」
「そうですね…では、私はお前らの挑戦をいつでも待ってるのです！」

　拍手が止んで勝者の一言をうまにせがまれたキリエ。
　少しばかり考えてから誰ともなく参加者たちを見やり、笑顔でそう言った。
　『携帯戦記カプセルギア』として良い姿だと直也は思う。

「キリエさん、ありがとうございました。今回は優勝者のみの賞状でしたが、次回があればもう少し豪華にしたいですね」

　直也のこんな言葉にも金メダル！　トロフィー！　などとと元気な声が上がる。
　対象年齢が上がればこんなアットホームな感じにはならないだろう。

「片付けなどは大人がやりますので、皆様お気をつけてお帰りください！」

　そうして閉会式も無事に終わり、だんだんと解散していく。

「スピカお姉さん！　また遊ぼうなぁ！」
「うん…またね、リュウキ」

　瑠樹とスピカは陽気に別れていく。

「なかなかに難易度が高かったわね。でも実況動画のネタにはなったかなー」

　蒼は今回の経験を次に生かす心づもりのようだ。

「優勝はできなかったッスけど、楽しかったッス！」

　直也とうまにそう挨拶をして

「うちの店でもその内やりそう…というか耳に入れば店長ノリノリで一枚噛みそうよねぇ…」
「ん、八重崎さん。お店をしてらっしゃるんですか？」
「あ、えぇ。今日は店長の代理として出場させてもらったんです」
「そうだったんですか。もし機会があればご相談してもよいですか？」

　ノリノリで一枚噛むZePet店長の姿が浮かびながら直也の相談に受け答えをする五郎八。

「なかなかスリリングだったわね」

　いつもより少しだけ軽快に帰路につく樹。

「頑張ったし、楽しめたかなー」

　満足気にまだぼんやりと景色を眺める真白。

「信玄さんのようにはまだまだです。研鑽をつみますです…！」

　『できる女』の一要素として励むことを誓った様子の姫。

「ふふん、情報収集としては役立ったんじゃありません事？」

　見学者の一人、城ヶ崎梨々子はそんな独り言を言いながら帰宅したのだとか。

「さて、今のうちに撤収しますか。今のうちに」

　あらかたの参加者の退場を見送ったうま。
　五郎八と話している直也を横目にパソコンを操作して録画情報を別の端末に送っていた。
　録画情報の送信が終了すると誰に気づかれることなく、ひっそりとうまは姿を消した。

　かくして、非公式大会であるプロト杯の幕は閉じられたのであった。

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あとがき

担当マスター：御宮久
ファンレターはマスターページから！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◆社内報告書◆

　イベント企画・運営部各位

　　　　　　　　　　　　　携帯戦記カプセルギア　小規模大会の報告書

　表題について、下記のようにご報告いたします。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　記

1.担当者
　2名　久保　直也、ギアマスター『うま』（外部協力者）

2.日時
　5月下旬

3.場所
　玩具店倉庫跡地

4.参加者
　大会参加者12名　（内訳　男性3名　女性9名）

5.目的
　イベントを通しての『携帯戦記カプセルギア』へのビジネス販路拡大の可能性検証

6.結果
　我が社でのイベント実施は有効である。
　しかし、我が社ならではと言われるほど抜きん出た特徴あるイベントは現時点で不可能。
　問題点は所見にも上げるがルールの見直しや担当の増加、ギアに対する知見の増加など。

7.所見
　・大会全体を通して
　　参加者の満足度はそこそこといったところ。
　　時間制限をつけ、ステージを二つ用意したものの相性の問題で勝敗に大きな影響を与えられた。
　　これを是とするか、非とするかは次回の議論の場に設けたい。
　　担当が離れられない時の呼び出しや参加者への連絡が不十分であり、参加者に協力を得る場面もしばしば。

　・試合以外の開催項目について
　　ギアマスターとして活動する『うま』の協力を得られなければ実施は不可能であった。
　　『携帯戦記カプセルギア』がどのようなものであるかは我々も理解している。
　　しかし、参加者と同等の目線を持った担当がいてこそ『カプセルギア』ブランドに売り込みができる。
　　開催費用についても協力者の好意に甘えさせてもらったため人件費程度である。
　　正当な会場を借りる場合はスポンサーへの打診と協力が必要不可欠と考える。

　・他
　　開催自体は協力者が了解する限り可能。しかし、参加者や見学者から費用を得ることは難しい規模。
　　なお、協力者の候補としてホビーショップ【Ze Pet】からは前向きな返事がもらえそうである。
　　今後のイベント開催の際に頭の片隅においていただきたい。

8.添付資料
　なし

以上

PS.録画ファイルが再生できないのですが、『うま』氏との連絡が取れなくなっております。
　どなたか連絡取れた方いらっしゃいましたらご連絡ください。　久保　直也

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