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オニハ ウチ
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◆
自主的な自警団活動から警察への電話報告も慣れたふうに、
矢萩 咲
は匿名として不埒な輩が倒れている場所と経緯を説明した後。
電話口でのきびきびとした雰囲気から一転、表情曇らせ気落ちして歩き出していた。
―― 咲は……弱くなってしまったのか?
大事な物を守る為には鬼になる事も辞さないと誓っていたはずなのに。
コントロール出来なかった心を抑えつけるように、心臓の上を鷲掴む。
あんな思いに捕らわれて剣や拳が鈍るようなら……それは致命的なのだ。
覇気のあるいつもの後ろ姿では無い、しかし見紛うことなく最愛の人の背中だと判断しては、
バイクを視界に入った駐輪場に停めた
七峯 亨
は、躊躇うことなくその人影を追いかけ揺れるポニーテールへと声を掛けた。
「さ~き」
「……亨、くん……」
顔だけ振り向けば、条件反射でその名前が咲の唇から呟かれた。
いつもならば、偶然出会えただけでも嬉しい相手。のはずなのに、咲は笑顔をつくることが出来なかった。
そんな彼女を見ても一向に気にしたそぶり見せず、自身の身長からすればとても華奢に感じるその背へと、亨はそっと寄り添う。
「いつになくお淑やかだね」
「……すまない……ちょっと今の咲は、亨君に見られたくない……」
へにゃりと笑い掛けられた言葉と背から伝わる温度が微か後押しになったのか、咲の口がかろうじて言葉を綴った。
さっき起こった出来事を、ぽつり、ぽつりとこぼすのを暫し黙って亨は耳にした後。
「んな見ず知らずのヤローに感じた事より、ほら、馴染みの鬼は此処に。それに、ちょっと丸くなるくらい、弱さたぁ言わんさ」
咲はまだ背を向けたまま、与えられた言葉を脳裏で反芻する。
軽い口調に混じる、彼らしい温かい言葉。
―― ……それは咲を想っての本心なのだろう……だけど……。
ゴトリ。
自身の心の奥底に普段は眠る、負の人格が突然顔を上げた音がした。
『そうやって彼は自分を弱くしてるんじゃないか?』
心に、頭に、耳元に、語り掛けてくる声。普段の自分であれば、強い意志で一蹴できたであろう。
しかし今の咲には、彼よりもそちらの声の方が強く響いて、とても正面から顔を合わせる勇気が出なかった。
彼女の身体を取り巻く空気を、緩んだ表情とは裏腹に俊敏に察知しては亨はまた言葉を紡いだ。
「手合わせでもどうだ。好敵手同士、動く方が考えるのも楽だろ」
分かっていたのだ。どんなに自分がフォローの言葉を与えたとて、それを己で許せるかは彼女次第だと。
しかし咲はまだ身構える。すっかり奥底の鬼に心を預けてしまったように、思考は淀んでいく。
―― 分からない……何で今そんな提案を……分からないよ。
それでも、咲の本能が身体を突き動かした。
目に付かぬ路地裏へ進む彼の後を、気付けば足が勝手について行っていた。
僅かな日の光がかろうじて届く路地裏で正対した二人。
躊躇いの影を瞳に宿す相手へ、亨は光で道標を作るように、あえて挑発の声を送る。
「さぁ、おいで。どこまで俺が耐えるかの鍛錬でもあるから遠慮は要らん」
「……そんな事を言って後悔するなよ! 亨君!」
亨の光に、押し込められていた咲の本能が応えた。
それを合図に亨は真っ向から突進して見せる。
大柄な相手の、スピードにのった姿は視力で捉える以上の存在感を与えるが故に、いざなわれるように咲は相手が振り上げた拳に自らの拳を振るった。
が、それが亨の誘いだったのだと振り切った瞬間に察知する。
―― しまった!
肉薄し初撃を一拍遅らせていた彼は、先手を咲に振るわせる事で自らは重心前のめりのままな、カウンター準備の防御態勢をすでに取っていたのである。
察知した瞬間に、わざと体重乗せた足の力をガクンッと崩させた事で、即座にきたカウンターをどうにかやり過ごせば、次の瞬間には亨の姿が視界から消えていた。
ろっこん「縮身」が発動されたのだと、ずっとそばで見てきた咲はすぐさま理解する。
縮んだであろう彼の、先程のカウンター姿勢からの着地点へ視線を動かすと、俊敏な動きで移動中の亨の姿をすぐに捉える。
あくまで自身の視界から隠れる事無く、動きで翻弄しようとするそれは彼流の挑発だと分かるも、距離を取らずにむしろ向かって挑むところは咲らしさと言えよう。
手合わせ前までは背しか見せてくれていなかった彼女が、今やその炎のような石楠花色する瞳にしっかりと自分を映し、進路方向に小石や空き缶を投げ真っ向から隙を突こうとしてくる。
―― 凛々しく猛る咲もやはり愛い。
壁や電柱を飛び石にする己へと、容赦なく巨大な掌底や蹴りが入ってもなお、亨は笑みを崩さない。
圧し潰される瞬間に、関節や靴底の屈曲性上出来る隙間を冷静に判別し、身体をそこに滑り込ませることでダメージを軽減する。
飛んできた空き缶見やればその中へ隠れる亨。感づいた咲も間髪置かず缶ごと踏み潰し、瞬間飛び出してきた亨の、小さくなった見かけより相当重いハイキックをクロスさせた腕で受ければ、微かな痺れにいっそ喜ぶように口角が上がった。
力の拮抗した好敵手との闘いは、邪念が過る隙間も無い。
咲らしさを垣間見れば、亨も一層笑みを強くした。
「見事にぺしゃんこだねぇ。鬼の一口たぁ言うが、いいスリルだ」
たった今自身が隠れ蓑にした缶の、清々しいまでの潰れぶりを見れば口元をぺろりと舐めて、亨は高揚した表情を浮かべる。
縮めば縮む程、より大きく身体能力を強化した体で、何度となく巨体から繰り出される攻撃を受け止めて。
そうして訪れる限界の刻。
完全に逃げる隙を奪った咲からの、とどめを刺しに伸し掛かる靴裏でも ―― 亨は不敵に微笑んでいた。
咲の目線からは見えないはずの亨の姿、その表情が……突如、咲の脳裏に、心に浮かぶ。
―― 嗚呼……やっぱり咲は弱くなった……「鬼の目にも涙」とは言うが……こんなの咲じゃないよな。
今度は明確に、撃退したあの輩とは比べ物にならない程に、胸を締め付ける想いが咲を襲ったのだ。
足から力が抜けていき、最後にはぺたんとその場に崩れるようにしゃがんでしまった様子を一部始終見つめてから、亨は元の大きさに戻りそして、
「躊躇う咲の優しさも、相手を信じ討つ心も、その後で考える痛みも、全部咲の強さだ」
紡ぎながら、微弱に震える肩ごと抱き締めた。
その服が、破れた箇所至るところから覗く肌が、赤く滲んでいたり青く腫れていたりするのが眼前に飛び込んでくれば、咲の身体がビクリと動く。
全てを見透かしたように、どうともないと含んで亨はいつも通りの声色を続ける。
「俺の強さはこの通り堅牢さ、故に鬼の恋人が務まってる」
幽鬼が解かされる、勇鬼の温もりに。
勇鬼は笑う、幽鬼ごと受け入れるように。
咲の腕が、ゆっくりと伸びて広い背中にしがみついた。
「……ごめん亨君」
「謝るこたねぇ、大丈夫。二人の強さも、見つけてこーぜ?」
涙を流すその頬には、しかしもう暗い影は無かった。
全て受け入れると告げるように、つたう雫へと唇が落とされるのだった。
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担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月01日
参加申し込みの期限
2018年03月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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