メカリエチャンがやってくる！｜リアクション

メカリエチャンがやってくる！

「ありがとうございました！」
「ンパー！　ンパー！」

　ぐるぐる巻きになったメカリエチャンのスイッチを押し、スリープモードにした黄井研究員は、メカリエチャン捕獲に力を尽くした彼らに頭を下げる。

「いい汗をかきましたね……ふふ！」

　アケーチはふっと額の汗を拭い、爽やかな笑顔を見せた。彼は屈んで、縛られたメカリエチャンに視線を合わせると、口を開く。

「ぜひまた遊んでいただきたいものですが……」
「ンパー！」

　アケーチの言葉に乗り気なメカリエチャンの様子とは裏腹に、黄井研究員は慌ててメカリエチャンの肩を掴む。

「だ、だ、だめだ！」
「……だめですか、そうですか」
「ンパー……」

　アケーチとメカリエチャンは揃って肩を落とした。しかしアケーチは爽やかな笑顔を保ったまま、黄井研究員の顔を見る。その横から、修が割り込んできた。

「俺もロボット作ってるから、落神研究所の研究にはすごく興味がある」
「は、はあ、そうなのか……」

　それに驚く黄井研究員に、修はグイグイと目を輝かせながら言う。

「質問していいだろうか」
「下っ端の下っ端だから教えられることは多くないが……」

　突然質問を投げかけられつつも迫られて、黄井研究員は後ずさる。すると、修は今度は黄井研究員の隣にいるメカリエチャンに顔を向けた。

「君の事、もっと教えてほしいな」
「ンパー？」

　メカリエチャンは首を傾げる。修はそれをいいことに、あれこれとメカリエチャンに質問するが、メカリエチャンはそれに全て、

「ンパー！」

　と答える。

「この島が居場所だって感じるのかい」
「ンパー！」
「そうなんだね。だったら研究所ごと移転したらいいよ」
「ンパー！」

　ンパー、ンパーという言葉だけからいったい何が分かるのか。修は質問をうまく誘導して、メカリエチャンに答えさせる。黄井研究員はさっとメカリエチャンと修の間に立ち、首を振った。

「申し訳ないが、それは答えかねる」

　黄井研究員が入ってきたことに修は目をきらりと光らせ、本題に入る。

「質問に答えてもらってもいいだろうか」
「上に聞いてみなければ……」

　修と黄井研究員の攻防を、トラックの音が遮った。

「捕まえたか！」
「はい！　この通り！」
「ンパー！」

　運転席と助手席から、白衣を着た人間が降りてくる。二人はぐるぐる巻きのメカリエチャンをトラックに積み込むと、扉を閉めた。そして佇む黄井研究員に乗るよう顎で示す。黄井研究員は車に飛び乗ると、窓から手を振った。

「本当にありがとう！！　助かった！！」

　そしてトラックが遠く走っていく。
　ンパー……ンパー……。
　メカリエチャンを乗せて。

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あとがき

担当マスター：六原紀伊
ファンレターはマスターページから！

大変お待たせしてしまい、申し訳ございません。
皆様、ご参加ありがとうございました。六原です。
皆様のおかげで無事、メカリエチャンの捕獲が成功いたしました。
本当にありがとうございました。

かなり……ギリギリのネタでしたので、寛容にも通してくださったリアル奈羽田所長こと菜畑様と運営部の皆様に感謝申し上げます。
それでは、改めまして皆様ありがとうございました。

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