メカリエチャンがやってくる！｜リアクション

メカリエチャンがやってくる！

　そうだ！　とパンツの風の中、荒太郎がピーンと何かを思いつき、パンツをその手に集め出す。

「そだねー、パンツの端っこと端っこを結び合わせてさ、よーし完成っ」

　パンツとパンツを繋ぎ合わせ、出来上がったのは1本の長いロープ。バイクで皆に並走していた修は、荒太郎の行動に思わず尋ねた。

「何をするんだ？」
「よくぞ聞いてくれました！」

　荒太郎はどーんと大きく構えると、メカリエチャンの関節に向けてパンツ・ロープを投げる。

「あんりみてっど、ぐれーいと、おぱーんつ！」

　メカリエチャンにパンツで出来た紐が飛んでいった。

「ぐるぐる巻きにしちゃっても、構わんのだろー？」
「なるほど」

　修はそれに頷いて、アクセルを握る。

「俺も出来る限り誘導しよう」

　そしてメカリエチャンに追いつこうとするも、その横に突然現れたレインボーの陰一つ。

「なっ！？」
「やあ、鋼鉄の麗しき乙女さん」
「ンパー？」

　竜司だ！！　竜司はものすごい速度でメカリエチャンと並走し、語り合う。

「素敵な趣味をお持ちだ、良ければ俺と一緒に共に駆けようじゃないか！　ＨＡＨＡＨＡ！！」
「誰だ！？」
「俺はレインボー仮面！！」

　修の問いかけに、竜司はビシッとポーズを決めた。

「レインボー仮面！？」

　そうしているうちに、メカリエチャンが移動する。荒太郎のアンリミテッド・グレイト・オパーンツが空振りした。

「あーっ！」
「ンパー！」

　メカリエチャンと捕獲者の攻防は、まだまだ続きそうである。

　黄井研究員を探しているうちに海岸へとやってきたタイラと竜世は、聞き覚えのあるブレーキ音に振り向いた。黄井研究員の車のものだ。黄井研究員は運転席の窓をがーっと下げ開けると身を乗り出した。

「少年たち！　無事か！」
「黄井研究員！」

　タイラは自分にぎゅぎゅぎゅーっと抱き着いている竜世を指差すと叫ぶ。

「早くコイツをどうにかする薬を！」
「治療薬か？　わかった」

　窓から差しだされた治療薬を受け取るタイラに、竜世がむむっと頬を膨らませた。

「なんだよそれ！　バズーカ貸してもらうんじゃなかったのかよ！」
「つべこべ言わずに飲めっ！」
「苦いのはイヤだ！　んぐっんんん～！」

　抗議のために開けた口に、治療薬が流しこまれていく。その横を、ふふ、と妖しい笑みのスーツの男。黄井研究員はピーンとその男に声をかけた。

「君は誰だ！？」
「明智と申します」
「ちょうどいい、コレを試してみてくれ！」

　優雅に礼をしたアケーチに、黄井研究員はメカリエチャンの呼び笛を差し出す。アケーチはその呼び笛のフォルムを見るや、目を輝かせた。すらりとした指先をそれに伸ばすと、受け取って口をつける。

「私、筒状のものを口に充てて優しく息を吹きかけるのは大得意です」

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