【星幽塔】第九階層　ひと狩り、潮干狩り！｜リアクション

【星幽塔】第九階層　ひと狩り、潮干狩り！

☆潮干狩り開始！

「しっおひっがりー、しっおひっがりー！　貝食べたい……！　いっぱい食べたーい！！」
　メリィ・ランページはトラ耳としっぽをピコピコ動かしながら目を輝かせた。
「朝貝と浜栗ですって！　どっちも美味しい貝ですね♪　よーし、メリィちゃんどっちがいっぱい貝をとれるか競争です！」　
　メリィの隣で、リリエル・エーテライトの金髪と天使のような白い羽が眩しく光る。
「望む所だリリエルッ、あたしが勝ったらー……えーと……」
　威勢よく答えたメリィは、しばらく迷った末叫んだ。
「あとから考える！！」　
　勝ったらどうするかまでは思いつかなかったようだ。
「うわぁ♪　いっぱい貝がありますね！」
　歓声を上げるリリエル。
「ほんとだ、すごー！　貝がたくさんある！　ホシデきれーだなー、でもこれ食べられないんだよね……」
　メリィの口にはこぼれそうによだれが湧いている。
「マタ貝まであります！　この貝もおいしいんですよねー、BARアストラルにお土産で持ち帰る分も頑張って集めますよ！」
　リリエルも張り切って砂を掘り始めた。

（遠浅の海の青と空の青、そして砂浜の白と雲の白）
　寝子高１年の水上桜は、第九層の景色に見惚れしばし佇んだ。
　日差しはまぶしいがきつくなく、肌に触れる外気は暖かで、吹き付ける風も心地よい。　
「肌に……あれ？」
　やけに風を感じると思ったから、いつのまにやら水着姿になっていた。
　セパレートタイプでフリルをあしらったもので、大人しめで愛らしい容姿の桜によく似合っていた。
「確かにこの方が動きやすくはあるけど……まあ、海だから別にいいか」
　他にも水着姿の女子もあちこちに見かける。
「いらっしゃい、潮干狩りセットあるよ」
　魚人みたいな商人さんたちに声をかけられた。
「それじゃ、借ります」
　潮干狩り三点セットの熊手・スコップ・網袋とタオル、それに麦わら帽子を装備する。
　さっそく、その辺を適当に熊手やスコップでほじくったりして、貝を探してみると。
「アサリみたいね。こっちはウニ？　これは、ヒトデみたい、綺麗」
　順当に獲っていくと、あっという間に網袋が一杯になった。
「一旦適当なバケツの中にでも入れようかな」
　桜は商人さんの元へバケツを借りに戻った。　

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