【星幽塔】第九階層　ひと狩り、潮干狩り！｜リアクション

【星幽塔】第九階層　ひと狩り、潮干狩り！

☆鍋とバベパ！

「わーい、バベパだぁ！」
　亮によってセッティングされたバーベキューセットを見て、メリィは歓声をあげた。
　『バベパ』はバーベキューパーティーの略らしい。
「はい、お魚採ってきたよ！」
　メリィがさっき倒した魚を渡すと、
「ほう、サメだな。それじゃ捌くとしよう」
　月詠とアリスが受け取って捌き始める。
「それじゃあ集めた貝とかでバーベキューパーティーやっちゃいましょう！　朝貝はお酒をかけて蒸し焼きにすると美味しいんですよ♪」
　リリエルはそう言って、荷物からフライパンを取り出した。
「魔火の光の力をもったフライパンがありますからこれで蒸し焼きも作ってみましょう♪」
　コンロを使わずに料理ができるフライパンで、リリエルも早速調理を始めた。
　亮もどんどん網に貝や魚を並べていく。
　貝の焼けるいい匂いが漂ってきた。

　美咲紀はそんな様子を見てつばを飲み込む。
「美味しそうな貝の姿にお腹がぐーきゅるるるしたのです。獲れたて・新鮮なうちに食べちゃうのが正義！　ここで少し食べて、今夜のおかず＆明日の朝ごはんな分を持って帰りましょうかね！」　
「新鮮な魚介類は刺身にするのも美味いな」
　修が言うそばから、ヒューマはバリバリ生のままの魚にかぶりつく。
「ヒューマ、そんなにお腹がすいたの？」　
「味よりも食べられれば良い派なので」
　そう言われてアリスが笑って突っ込む。
「それじゃ腕の振るいがいがないじゃない。刺身はともかくちゃんと料理は待っててね」
「いい具合に焼けてきました！　それじゃあ潮干狩り大漁を祝って乾杯です！」
　リリエルが星幽塔民にビールを、希望者にはノンアルコールの炭酸などを配る。
　アリスは寝ていたピエロットを起こす。
「さあ、できたよ。寝るなら食べてからにしてね。ピエロットはビール飲める？　乾杯したいな」
「ふああ～、一杯だけなら」
「かんぱーい！！　ん～、おいしい～……！　幸せぇ～……」
　メリィはビールジョッキを手に貝やサメを食べ、ゴロゴロ言わんばかりの満面の笑みを浮かべている。
　桜は、ぬぎエビやコロガニが入った椀に恐る恐る手をつける。
「あ、美味しい……」
（よかった、もう脱ぎたくならないみたい）
　安心してバーベキューの貝にも手を伸ばす。
「よっしゃ歌うぞ！」
　亮が元気に歌を歌いだした。
「わーれらはうーみの子おっそれるなー♪あーらしーはゆーり籠こっこち良い♪」
　皆が手拍子を打ち、場が盛り上がる。

「あ、そういえばどっちの方が多く貝集めてましたっけ？」
　競争の結果を楽しみにしていたリリエルだが。
「あれ？　そいえば、どっちが勝ったんだろ？」
　メリィは首を傾げる。
「途中から数えてなかったー……ま、いいか！」
「実は私もそうでした……しょうがないですね」
（幸せそうな顔で食べるメリィちゃんを見ていると、確かに勝ち負けなんてどうでもいい気がします）
　微笑ましくメリィを見つめるリリエル。
　メリィは食べながら元気に言う。
「誰かと食べると、何十倍も何百倍も美味しくなるね！　また潮干狩りやろ、リリエル！」
「はい！」
　二人の会話を聞きながら月詠はつぶやいた。
「料理は万人を幸せにする魔法だよ」

「美味しいです。お土産として持ち帰りたいですね」
　冷静でミステリアスな印象が強い月だが、顔がほころんでいるのがわかる。　
「おかわり！」
　修は食べつつ、双眼鏡で地形を見て簡単に紙にメモしていた。
「シューくん、食事中に何やってるですか」
　呆れる美咲紀だが、修のワクワクは止まらない。
「ピエロット、この階層の地図はどこで売っているんだ」
「うーん……そんなものどうするの？」
　半分うとうとしながらピエロットが言う。
「勿論、帰りに買うのさ。大海原に冒険心が擽られない男はいないと思うよ」
　少し照れながら修が答える。その瞳はキラキラ輝いていた。
「環境も生態もじっくり調べたいしな」
「大海原は薬の原料の宝庫だよね」
　ショーマも頷いて言った。
「心当たりがあるから、後で一緒に買いに行こう」
　
「余った浜栗は持ち帰ろうっと。飲み過ぎに効くならＢａｒアストラルでおつまみに使えそう」
　アリスは尖った耳をピンク色に染めながらつぶやいた。

　貝は十分あって、皆は満足してお土産に持ち帰ることができた。
　

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あとがき

担当マスター：天村花海
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ご参加ありがとうございました。
皆さんのアクションが楽しくて、書いているうちにマジハワイを触ったようにハイな気分になってました。
ぬぎエビでなくてよかったですｗ

魚介類は美味しくいただかれ、流通のルートも確立しました。
星幽塔限定で貝類のアイテム化も可能ですので、ご利用ください。
今後も星幽塔のさまざまな不思議が明らかになるのが楽しみです。

それでは、またご縁がありましたらご参加お待ちしております。

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