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刃紋~乱れる光に救いの手を~
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鳴りやむ事の無い雑音。
鈍くも鋭いカン高い響き、まるで地団駄のような足音、そして怒号と悲鳴。
馬上に在った
三宅 葉月
の翡翠の瞳が、微か見開かれる。
つい先程までは、確かに寝子島に居た。
いつも通りの青空の下、いつも通りといえばいつも通りな突然の不可思議たる喋る猫と出会い、その話も聞いていた記憶がある。
事情を聞いて、一振りのロングソードに自分は手を伸ばし……。
―― ああ……これが『彼』の記憶……。
柄を握った掌から、ロングソードの魂の迸りと思える思念を感じた。
つまりここはそういうことなのだろう、と。
身の内で瞬時に理解されれば、葉月の全身の感覚が一気に現状へと向けられる。
触覚は熱く重たい空気を。
嗅覚は焦げた匂いの中から血の臭気を。
視覚は舞う砂ぼこりと乱れる人影を。
ねっとりと不快な湿り気があるのに、酷く口の中が渇いては体温が上昇していく。
汗腺があるのか定かで無いように見える、その陶磁器のような肌にすら、薄く水気が浮き始めていた。
「……正直、これはきついわね。でも、ここで退くわけにもいかないわ」
寝子島において、多少なり場数は踏んでいるとはいえ、ここまでの戦場は果たして見た事があっただろうか。
冷静さを保とうと思考する葉月のすぐそばを、敵と思われる弓兵の放った矢が掠め飛んだ。
そして……葉月のすぐ背後から直後、うめき声と共に崩れ落ちる音がする。
気付けばその手から鞘走らせ刃が抜かれたロングソードが、駆け出した馬のスピードに合わせ向かってくる敵へ激しく剣戟を繰り広げていた。
それはまるで剣舞のように。
女性の手、それ以上に華奢な細腕には重いはずのその剣は、漆黒の衣が翻る度に切っ先から深紅の花びら散らせるが如く。
あまりに正確に、あまりに美しく、殺気籠る攻撃をいなし、流し、そして――切り結ぶ。
―― なぜ? どうして……私このような事が出来るの……?
激しい剣戟の中、敵兵と同等かそれ以上に理解に苦しんでいるのは、葉月自身であった。
敵を捉え続ける瞳はガラス玉のように温もりは消えて、今にも震えて柄を取り落としそうな気さえする指先は、心情とは裏腹に強くしなやかに振るわれ続ける。
このロングソードがそうさせているのだろうか。
ただ一つ、はっきりと理解出来たことはあった。
私は死なない……死ねない。この剣と共に生き延びるの……
時間にすれば刹那の逡巡。
すべき事を確信すれば、もはや葉月の内から思考の波紋は消え去った。
あっという間に自分へと向かって殺到してくる敵兵の群れに、余裕など生まれようはずも無い。
森の精の表情に覚悟と決意が宿れば、手の中のロングソードがまるで応えるかのように一度、その刀身の光を翡翠の奥へと煌めかせた。
微かに、ほんの微かに、剣に応え返すようにして薄紅に色づく口元が微笑まれた気がした。
いささか厳しいと分かった上で、葉月はあえて正面突破を決行する。
土煙と群衆の向こうに見える、森の木々たちに呼ばれたのかもしれない。
華奢で儚げに見える馬上の女人が、次々襲う矢の雨をものともせず薙ぎ払う姿は、徐々に、確実に、敵兵たちに動揺を植え付けた。
殺気が薄れた箇所は見逃さず、そこをかいくぐるようにして牽制しながらひたすらに前へ突き進む。
誰が思えようか。
少女の姿をした精霊か、精霊の姿をした少女かが、鋼の精神を携えていたことなど。
一騎当千の戦女神と化した森の精は、艶やかな髪の一房一房を最低限の深紅に染めるに留め、蹄の音色を土煙の中へ残し消えていった。
「……ここまで来れば、大丈夫そうね……」
故郷にかえったように森の木々を見上げ、葉月はようやく呼吸が出来た気がした。
その瞬間、冷え切っていた指先に熱がこもる。
否。元々が人形のようにあまり体温高くない自身の指先だ。
この熱は柄から伝わっているのだと改めて感じた。
ロングソードへ視線を下ろすと、あれだけの剣戟をしていたのが嘘かのように刀身に血糊は無く、覗き込む深い森の色した瞳を鮮やかに映して。
「そう……叶った、のね」
葉月が呟くと同時に、刀身が輝き出す。
陽射しを反射したのかと一瞬目を閉じたその視界が、次に開かれればもうそこは重く湿り気のある地ではなく、淡い青と穏やかな風が広がる自身の日常景色だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月09日
参加申し込みの期限
2018年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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