this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
刃紋~乱れる光に救いの手を~
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
●
「想像以上に愉快──もとい、笑えない状況です」
自身の衣服が神々しさ溢れる巫女装束のような物に変わっていること以上に、たった今手元の短剣から紡がれた声音を聞けば、
柳内 みこと
は、思わず真顔でそう呟いた。
遡って思い返せば僅か数十分前……だったはず。
喋る猫と出会い、半信半疑で二度見三度見しつつも事情を語られては、乗りかかった船だと割り切って協力を申し出た。
みことが手に取ったのは、透明度の高い水晶で出来た、まるでたった今研磨されたかのように煌めく短剣。
頭に直接流れて来たこの短剣の言の葉によれば、『儀式を成功させて欲しい』といったニュアンスで。
まぁ、寝子島には神社もあるし行ってみれば何とかなるだろうか、程度に考えていた所、なんの心の準備も無く気付けば目の前に古代の祭壇。
ちょっと待って聞いてない状態で目を白黒させていたみことへ、水晶の短剣から詳細を紡がれたのである。
曰く、『暴徒が来ても祈りを続け、儀式を成功させてほしい』と。
かつて自分を掲げた巫術女王は、祈りを捧げる事で未来の神託を受ける儀式を取り行おうとしていた。
しかし、儀式途中に暴徒がなだれ込み、逃げ出そうとした女王は民の誰に気付かれる事無く暗殺されてしまったのだと。
水晶剣は嘆く。
あの場で逃げずに儀式を続けていれば、『神の助け』によってきっと女王は死なずに済んだ……と。
鳩が豆鉄砲くらったような表情のまま、聞き終えたみことはハッとして自身の後頭部に手をやる。
大切な臙脂色のリボンが、しっかりと結ばれているのを確認してどこか安堵の吐息をついてから、ようやく聞いた最初の感想を胸の内でこっそり突っ込んだ。
―― ……いえ、普通儀式に暴漢がなだれ込んで来たら、逃げますわよね。むしろ逃げますわよね。
一般人として至極当然な思考を働かせれば、次第に頭も心も落ち着きを取り戻して周囲をよく観察し始める。
どうやら儀式前夜、巫術女王という立場に自分が取って代わった形だろうかと至れば、次に祭壇へと近寄って。
みことの行動に短剣は不思議そうな感情をたゆらせる。
それを感じ取れば、上に人が乗れそうな梁があることを確認しながら、みことは躊躇うことなく告げた。
「一心不乱に祈っていれば、どんな危険も神様が助けてくださるなどあり得ません」
神は自ら助ける者を助ける。
きっぱりと言い切ったみことに、短剣から予想通りの戸惑う響き。
「ええ、ですからまず信じられなければ、自ら信じられる状況を作れば良いのでしょうと、こうして行動を起こしている次第です」
一度集中し出したみことの動きは、流れるようにして効率的且つ合理的だった。
短剣から祭壇のあるこの神殿内の構造や外の様子を聞いて、兵舎の存在を知るや否やそこへ向かう。
誰もいなかった祭壇の間へ、神託の一部を聞いたとして『不穏な影』の存在を兵たちに告げては、秘密裏に複数の弓兵を祭壇の間へ、梁の上の見えにくい位置へと置いたのである。
一夜明けて儀式開始直前になれば、同じようにして入口の兵も増やさせて。
あれよあれよと運命の刻限になったのを実感しながら、大きく息を吐いた。
「急遽では出来るのはこの程度でしょうか」
―― これで、やっと祈り続けて死ぬ覚悟も出来るというものです。
そう。暗殺が決行される事はけっして避けられないのだ。ならば、後は自身の胆力次第だと。
覚悟の微笑みをそのかんばせに浮かべてから、水晶剣を携え心からの祈りを捧げる。
本当の巫術巫女のように、民を想い、世界を想い、そして……この水晶剣のことを想いながら。
そして訪れる。
外が騒がしくなれば、みことはいよいよだと表情を固くし、それでも祈り続ける。
急ごしらえとはいえ、配置した番兵や弓兵のおかげで、みことが祈りを終えるまでの時間を稼ぐことは叶った。
閉じた瞳を吐息と共に開いたその瞬間、大きな音に振り向くともう祭壇の前にまで暴徒が踏み込んできているのが映る。
握りしめていた剣をその胸に抱けば、真っ直ぐにこちらへ進んでくる暴徒を見つめた。
剣はそのみことの姿を刀身に映して、どこか戸惑いの影を水晶に浮かべる。
儀式は無事終わった、ならば、この女王は助かるはず。なのに……何故これほどに不安が襲うのだろう。
剣の声が脳裏に響くも、みことは応えない。
―― さぁ、貴方が望んだ結果を受け止めて下さい。
暴徒が振り上げた短剣、避けられることなくそれはみことの肌を赤く染めた。
瞳に宿す気高い紅桔梗色が、微かに揺れ動き、……崩れ横たわった。その胸に剣をしっかり抱いたまま。
◇◇
真っ暗に沈んでいた意識が、眩しい光を感じ浮上する。
ここは寝子島。ああ、戻ったのだとすぐに実感すれば、ひんやりとした感触に視線を下げた。
思念の中で抱いていた水晶剣が、今もまだ握られたままなのを見つめ。
「……泣かないでくださいな。私は大丈夫ですよ。そう、やはりお優しいのですね」
水晶剣へと、まるで小さな子をあやすように穏やかに、ゆっくりと、語り掛けた。
―― いえまぁ、ヒヤヒヤしなかったといえば嘘になりますが。
改めて思えば、良かった生きててと思うのが正直なところであったが、みことは今はまだ水晶剣の気持ちを優先する。
「変えられる運命も確かにあるとは思います。
ですが、貴方の女王様は恐らく……どんなにやり直したとしても、結果は変わらなかったでしょう」
だから後悔しないで。巫術女王の下へ今度こそお還りなさい。
そう、みこと本来の祈りを込めて剣へ伝えた。
すると水晶剣が淡白い光に包まれて ………… みことの手の中からスゥッと消えていった。
アリガトウ ―― そう温かな温度をみことの掌に残して。
「あ。……売り物、消えてしまった、のですが……」
「もにゃもにゃがスッキリした結果なら、よいのニャ! キラキラはまだいっぱいあるのニャ!」
みことは安堵の吐息を返すのであった。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
刃紋~乱れる光に救いの手を~
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月09日
参加申し込みの期限
2018年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!