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セピア幻想異聞録:No.1「妖精ピクシー」
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◆ もてなし
――What are little girls made of, made of ?
――What are little girls made of ?
楽しそうに弾んだ声が、異国の詩を紡いでいる。依菜里は、その聞き慣れない言語を、不思議そうに聞いていた。
「ねえ、レンカ。それ、なあに?」
「ふふ。マザーグースの詩のひとつよ。さっきのは、女の子は何でできているの? って、聞いているところなの」
背負っていたバックパックの中から、キャンディで、わたあめを作る機械を取り出し、いいなが答える。すると、買い物袋に入っていた材料や、店内に残っていた材料を確かめていた冴来が、ぽつりとこぼした。
「Sugar and spice And all that's nice, That's what little girls are made of」
「砂糖と、スパイス……それと、素敵な何か。そういうもので、女の子はできてる――だね」
ひょこひょこと『ハルくん』を動かしながら、夏朝がかすかに笑った。いいなと冴来もまた、微笑を浮かべて、うなずく。たちまち、依菜里の顔がほころんだ。
「そうなの? じゃあ、ピクシーたちは、きっとイナリたちのことも、好きになってくれるね! だって、ピクシーたちは、甘いものが大好きだもん――」
そこで、棚を背にした依菜里の向こうを見つめ、夏朝が「あ」と小さな声をこぼした。すかさず、いいなが夏朝の肩にふれ、自らの唇に人差し指を当てる。
「レンカ? カアサ?」
依菜里が首をかしげたのも、つかの間。前へと進み出た冴来が、依菜里の背にした棚へと向かって声をかけた。
「こんにちは、かわいらしい隣人さん」
『!』
棚に置かれていた、ポーションミルク。そのひとつを抱えていた青い羽根のピクシーが、びっくりしたように飛びあがった。すべり落ちたポーションが、依菜里の頭に、こつりと落ちる。
頭に落ちてきたポーションと三人の視線から、依菜里は、ようやく、そこにピクシーがいると気づいたようだった。「あ! ピクシー!」思わずといったようすで声をあげる依菜里をよそに、冴来はおだやかな微笑みをピクシーへと向けた。
「お店のものに手を出すのは、おやめ。店主さんたちが困ってしまうわ。甘いものなら、私たちが作ってあげるから」
きょとりと目を丸くしたピクシーが、ふわりと冴来の前に舞い降りる。その小さな唇が何かをかたどったけれど、やはり、冴来には彼女が何を言っているのかが、わからない。冴来は思った。自分も、妖精であったのなら、どれだけ素敵だっただろう。そうしたら、このピクシーとも、言葉を交わすことができたのに――
そんな想いを胸に秘めて、冴来は青いピクシーの顔を覗きこむ。そして、ただただ、柔らかく微笑むのだ。
「さあ。あなたの願いは、なあに? 叶えられることなら、なんでも叶えてあげる」
※
冴来が、ハニートーストやチョコマフィンを作るかたわら。夏朝は、甘いジャムを作るところから始めた。なんでも、煉華――もとい、いいなもまた、デザートにジャムを使いたいのだという。
彼女が、この店のメニューにもあるアイスクリームを作っている間、夏朝はイチゴのジャムを煮つめながら、ぼんやりと物思いにふけっていた。
先ほどから、厨房の中を行ったり来たりしている青いピクシーを、ちらりと見やる。書物から出てきたかもしれないという、彼女たち。
「まるで……付喪神さん、みたいだね」
夏朝は、以前に「付喪神」と呼ばれる存在と出会ったことがある。人から大切にされたものに宿るといわれる付喪神。それは、夏朝が大事にしているパペット――『ハルくん』が、なりたいと夢見る存在でもあった。
それだからこそ、夏朝は、まるで付喪神のようなピクシーたちのことが、気になっている。
と、そのとき。夏朝が、手にはめていた『ハルくん』のもとへ、橙色の羽根をもったピクシーが現れた。
「ピクシーさん……?」
目を丸くして見つめていると、ピクシーは『ハルくん』のことが気になるのか、周りをくるくると飛んだ。かと思えば、まるで、『ハルくん』へ向かって話しかけるように、口を動かす。
当然ながら、夏朝にもピクシーの言葉はわからなかったのだけれど、『ハルくん』と向き合うピクシーは至極たのしそうな表情で、ときどき、うなずいてさえいる。それこそ、本当に会話でもしているかのような――
「あの、ピクシーさん。もしかして」
『ハルくん』と、話ができるの?
そう問いかけようとした夏朝の言葉は、けれど、それ以上は続かなかった。ふいに、ピクシーが身をひるがえしたのだ。そうして、夏朝に寄ってくるなり、その頬に小さな口づけを落とす。
おどろいた夏朝が瞬きを繰り返していると、ピクシーはくすくすと悪戯な笑みを浮かべ、ふっと姿を消してしまう。いつの間にか、夏朝の足もとに立っていた依菜里が笑った。
「『ハルくん』から、だって! よかったね、カアサ!」
※
いいなの手から、ころりと落とされたキャンディが、持ちこんだ機械の中で、細い細い糸へと変わる。無数のそれらを絡め取れば、できあがるのは、綿雲のように、ふわふわとしたコットンキャンディだ。
そのようすを、どこからか見ていたのだろう。鮮やかな赤色のビー玉を抱えた青いピクシーが、ふっと姿を現した。そうして、いいながキャンディを入れた場所へと、ビー玉を運ぼうとする。
けれど、いいなの手は、それをやんわりと止めた。「そのビー玉じゃ、同じことはできないのよ」
いいなの言葉は伝わっているようで、ピクシーは、どうしてと言わんばかりの表情で首をかしげている。いいなは悪戯っぽく笑って、人差し指を立てた。
「ゴメンね、私はデザートを作りたいの。できあがるまで、待てるかしら?」
ふわりと、ピクシーが宙へと舞いあがる。どうやら、邪魔をされたくないという、いいなの思いを察したようだ。そわそわとしながら、ピクシーは、いいなの手もとを見つめている。いいなはにこりとし、デザート作りを再開した。
透明な器に、アイスクリームと、コーンフレーク、そして夏朝の作ったジャムを重ね、土台を作る。その上に、ジャムと同じ味のキャンディで作ったコットンキャンディを、ふんわりとのせ、クッキーとフルーツで飾りつけ――
「これで完成!」
これは、客が自らフルーツソースをかけて食べることを想定したデザートだった。いいなが、ソースをくるりと回しかければ、しゅわしゅわとコットンキャンディが溶けていく。楽しそうな、ピクシーの声があがった。
「応用が効くから、アイスコーヒーでやってもおもしろいんだけど……これは、後でマスターに伝えなくちゃね」
今は、この場にいない雇われ店長が、どんな反応をするのか。それを少し、たのしみに思いながら、いいなは笑った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
かたこと
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月04日
参加申し込みの期限
2018年02月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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