キラッ☆ここは駄菓子と文房具の店｜リアクション

キラッ☆ここは駄菓子と文房具の店

「はーーーはっはっはっは！　いらっしゃい☆　今日はどんな御用かな？」
　水上桜がその店を訪れたのは、まったくの偶然である。

「あはは……相変わらずキラッキラしてるわ……」
　水泳部も家庭科同好会もない午後の時間。空いた時間の有効活用を目指し、旧市街のハンドメイドショップへと向かったものの、臨時休業の札にがっくりときた際のこと。すぐ横にある駄菓子屋があったので、何となく立ち寄ってみたのだった。

　入った瞬間投げかけられた眩しさに、思わず本音の独白がでたものの、さりとて踵を返すわけではなく。意外なところでの以外な出会いに感慨は覚えながらも、少女は店の中へと足を踏み入れた。

「花椿先輩、アルバイトか何かですか？」
「はっはっは！　近いけど違うようなあっているような、かな！　ここは僕の祖父がやっているお店でね。こうして時々お手伝いしているというわけさ！

　それで、何かお探し物かい？　お勧めは『キラキラ☆お手製トレーディングカード(全72種) 』とかだけどどうかな！」

「あははは……」
　何となく、で寄った店で会った見知った顔が、いつも通りの通常運転でにこにこキラッキラとしている様はある種面白い。面白すぎて笑いは少し乾いてしまった気がするが、それはそれということにしておこう、と桜は心中で思う。
「それはまぁ、それとして文具も置いてるんですね、ここ。新しいルーズリーフとか欲しいなって思ってたんですけど」

「あ、僕を線画風にした背景が入っている奴とかあるけど、どう？」
「むしろどうやって作ったんですかそれ」
　はっはっは、企業秘密だよ！　と笑う花椿先輩の様子に、水上は残念ながら、と返す。

「デザイン画に使いたいので、できれば無地がいいんですよね」
「それならこのあたりが書き味がよくてお勧めだよ！　このキラキラシャーペンにもぴったりさ！」
　流れるようにキラキラアイテムのセールストークを入れてくるところに、謎の熟練感を感じる。進められるままにいくつかシャーペンの試し書きをはさみつつ、あーでもない、こーでもないとやっていると、店の入り口が開く気配がし、二人ともが顔をあげてそちらを見やることとなった。

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