仁義なき焼肉バトル｜リアクション

仁義なき焼肉バトル

　戦い済んで、日が暮れて……は、いないけれど。
　やっといつも通りにもどった店で、陽毬と流が網を挟んで向き合っている。網の上では、じゅうじゅうと普通のカルビが香ばしく焼けていく。
「私、食べ足りないんだよね」
　デザートメニューを手にそんなことをのたまう陽毬に、「だから？」と言いたげな視線を向ける流。
「お肉追加しよう？　まだまだ入るよ！　あと締めのアイスも！
「頼めばいいじゃねえか。俺のを勝手に食べたりしなきゃ、何も文句は――」
　と、いうのを遮るように。陽毬はにっこりとえむ。
「全部、水守君の奢りで！」
「奢らねえよ！」
　思わずつっこんで、そして一瞬遅れて流は気付く。震える手からは力が抜け、滑り落ちた箸がカランカランと音を立てた。
　……ない。
　丹精込めて育てたカルビが、ない。
　さて、カルビは何処へ消えたのだろう。
　目の前には、お口の中がもぐもぐいってる乙女が一人居るようですが。
「本居、まさか――」

　数時間ぶり、二度目のやり取り。
　それもある意味、フツウが守れた証左なのだろう。

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あとがき

担当マスター：風雅宿
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はい、というわけで。
皆さんのおかげで焼肉は、じゃなかった寝子島のフツウは無事に守られました。
仁義なき焼肉バトル、楽しんでいただけたのであれば幸いです。

しばらくぶりの風雅のシナリオにご参加いただき、ありがとうございました。

ところで、本当に焼肉島になってたら偉い人はどうするつもりだったんでしょうね……？

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