this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ユキ、キス
1
2
3
4
5
つぎへ >>
●逢莉ちゃんの一大事
昨日まで薫風うららかな五月であったはずなのに、今日ときたらいったいどうしたことだろう。
真冬のような曇天が広がり、空からは白いものが、ひらりはらりと舞い落ちてきている。
コンクリートの灰色が白に変わる。
たったそれだけで、世界が変わったかのように見えるのは何故だろう。
シーサイドタウンの街角で、十歳の少女の手には余るほどのプレゼントの包みを抱えた
暁桜 逢莉
は、朝焼けの――それもまだ太陽が海から顔を出す前の――菫の瞳を天に向け、その白いひとひらひとひらを瞳の中に映しこんでいた。
幾度目か、視線を駅の方に向ける。
ぴょこんと跳ねた黒髪の少年が駆けてくるのを見つけ、逢莉の頬に笑みが広がる。
「雅人くん、来てくださったのですね! まさに旱天慈雨です!」
むつかしい四字熟語をすらすらと紡ぐのは逢莉の専売特許。けれどその喋り方は年相応に可愛らしい。
そんな年下の友人に電話で呼び出され、大慌てでやってきた
千鳥 雅人
は、肩で大きく息をつく。
「逢莉ちゃん! 助けに来たよ! って……一大事って、もしかして、それ?」
雅人は色とりどりの箱や紙袋に目を丸くする。
「はい。この荷物を運ぶのを手伝ってほしいんです」
「……た、たくさん買ったんだねぇ……」
「ええ。おつかいを頼まれたのですが、持ちきれなくなってしまいました。今日はどうかお力ぞえください!」
逢莉は、よろめきそうになりながら、頭を下げる。
「おっと」
落ちそうになったプレゼントを押さえ、そのままいくつかを受け持って、雅人はにこり。
「そっか。逢莉ちゃんに何かあったわけじゃなくて、安心したよ~」
とはいえ、この荷物の量は確かに一大事だ。
突然の雪で足元が不安定だし、小さい子が抱えて歩くにはちょっと危険でもある。
自分も高校生にしては童顔で子どもっぽい雰囲気が残るところは目を瞑って。
(よし、ここは頼りになるお兄ちゃんらしく、手伝ってあげよう!)
ぐっと拳を握れは、頭のアホ毛もピンッとはりきっている。
荷物を分担して――当然、雅人の方が逢莉の倍以上持って――、目指すは逢莉の星ヶ丘の邸宅だ。
星ヶ丘までは寝子電で行こうと、ふたりはシーサイドタウン駅の方へと歩き出した。
街角は、まるでクリスマスの頃のようだった。
コートやセーターの前を掻き合わせる人々。
突然の雪に空を見上げ、あるいは、足元を気にしておっかなびっくり歩く人々。
ショーウィンドウ越しに驚き顔で空を見上げるケーキ店の店主や、『温かい飲み物あります』と看板を出すカフェのスタッフさんもいる。
そんな中を、逢莉と雅人はいつもより小幅で歩く。
転んでプレゼントを落としてしまわないように気を付けながら。
「それにしてもこんなに沢山のプレゼント、どうしたの? パーティか何かかな~?」
雅人が尋ねると、
「じつは、祖父さまの誕生日なんです」
と逢莉は言った。
逢莉は医療分野大手である暁桜メディカルの一族令嬢で、両親と姉を幼い頃に事故で亡くしていた。事故後、星ヶ丘に隠居していた祖父母に育てられた逢莉にとって、祖父母は本当に大切な家族。その誕生日に、気合が入らないわけがない。
「お誕生日のお祝いだけは、お手伝いさんもお休みにして家族で準備するんです! お祖母さまは、はりきられていたみたいで、千紫万紅の花束と大きなプレゼントで手一杯になってしまいました。それでわたくしがお祖父さまを祝う品々を買いに、おつかいに出たというわけなのです」
なんだか可愛らしいお祖母さまだ。
雅人は、お祖母さまのことも、逢莉と同じように好きになれそうな気がした。
「逢莉ちゃんも、初めてのお使いで不慣れだったんだね~」
「そうなんです」
「逢莉ちゃん頑張り屋さんだね~」
頑張り屋さん。
そう言われて、逢莉は思わず頬を染めた。
大人びて見える逢莉にとって、誰かにそんな風に褒められることは、あまりあることじゃなかったから。
照れた顔を雅人に見られるのが恥ずかしくて、そっと天を仰いでみる。
すると雅人も天を仰いだ。
「じゃあ、この雪は頑張ってる逢莉ちゃんへの、神様からのご褒美かな?」
「神様からのご褒美?」
「きらきらふわふわの雪で、逢莉ちゃんを喜ばせてあげようとしてるんじゃないかな~? なんて」
「そうだとしたら、神様ってとっても粋な計らいをする方ですね!」
そう言って天から舞い降りてくる雪を見つめ――、
(でも本当のご褒美は雪じゃなくて……雅人くんが来てくれたことです)
――視線を雅人の方へと移す。
彼と歩く雪道は楽しくて、饒舌多弁になってしまう自分がいた。
「逢莉ちゃん、なんだかすっごくうれしそうだね~?」
「はい。そうなんです」
逢莉はうきうきする気持ちを抑えきれず、両手でケーキの箱を持ったまま、その場でくるりとターンした。
「ふふっ。いつだって、雅人くんとは特別な日だらけですね!」
髪と同じ藍色のフレアスカートが翻る。
「足元、気をつけないと危ないよ~」
「大丈夫で……」
です、と言う前に、語尾が「きゃ!」と悲鳴に変わる。
足元が滑って、身体がふわりと浮いたのだ。
倒れてゆく瞬間をスローモーションで感じながら、逢莉は自分の不注意を後悔した。
(なるほど雪道は滑りやすいのですね! ああでもダメです、今日はケーキを持っています。潰してしまったらお祖父さまとお祖母さまが!)
それでもその一瞬に逢莉に出来たことと言ったら、衝撃に備えてぎゅっと目を瞑ることと、ケーキだけでも守ろうと箱を持った両手を空の方に上げることだけ。
「危な……」
逢莉は堅い地面でしたたかにお尻を打つだろうを覚悟した。けれど。
「……かったぁ~」
雅人の声が耳元で聞こえる。おそるおそる目を開ける。
「――まあ、痛くない。ケーキも無事。それに、雅人くんの顔がとっても近いです」
「たはは……ギリギリセーフ?」
逢莉の身体は、雅人の腕の中にすっぽり包まれる形で守られていた。
「これは……雅人くんが?」
「幸いこっちに向かって転びそうになってたからね。受け止められてよかったよ~」
そういうと雅人は、逢莉の菫色の瞳を覗き込んだ。
「大丈夫?」
「はい。ありがとうございます! 今日はこんなにも助けてもらって……」
なにかお礼を、と思うものの、幼き身ゆえ、できることは多くはない。
と、ふいに逢莉の頭上にともしびが灯った。
「そうだ、雅人くん、少しだけかがんでください」
「屈む? こうかな~?」
逢莉の意図がわからず首を傾げ、それでも言われるがまま膝を折る。
顔と顔の位置が同じくらいになったのを見計らうと、逢莉は、彼の頬にちゅっと軽く口付けをした。
「えっ」
雅人は一瞬目を丸くし、それから何が起こったのかを悟って、かあっと真っ赤に頬を染める。
「えっと、な、何かほっぺたに不意打ちを貰ったような……?」
「ふふっ。親愛と感謝を込めて、お礼のキスです」
花のように表情をほころばせ、逢莉は屈託なく笑う。
ずっと年下なのに、年上のお姉さんみたいなところもある逢莉に雅人は翻弄されっぱなしだ。
「も、もー! おマセさんなんだからー!」
雅人の頭の上、もじもじと狼狽えるアホ毛を見て、逢莉はもう一度、ふふ、と笑った。
「さあ雅人さん。お祖母さまをお待たせしてしまいます。迅速果敢に電車に乗りましょう!」
「え、あ、うん!」
逢莉はケーキの箱を片手に持ち、もう片方の手で雅人の腕を取る。
雅人は荷物を持ち直し、逢莉に引っ張られるようにしてついてゆく。
シーサイドタウン駅はもうすぐそこ。
雪道で転ぶ気は、もうない。
逢莉は上目遣いで雅人の頬を見る。
さっきキスした頬はまだ、ほんのり朱に染まっているみたい。
(雅人くん。本当にありがとう。お礼の気持ち、ちゃんと伝わっていますように!)
1
2
3
4
5
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ユキ、キス
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年12月10日
参加申し込みの期限
2017年12月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年12月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!