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ユキ、キス
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●恋人といる時の雪は特別な気分になれてとっても素敵で私は大好きですよ
――季節外れの大雪……。
――けれど恋人といる時の雪は特別な気分になれてとっても素敵で私は大好きですよ……。
「わぅ~……」
戌井 創
は、先ほどインタビューを受けたときの
添木 牡丹
のセリフを幾度も脳内反芻した。
上気した頬は、赤くなったまま鎮まらない。
そんな創の耳元に、牡丹は熱っぽいささやきを注ぎ込む。
「顔真っ赤にしてどうしたんですか、創君♪ そんなに取材されたのが恥ずかしかったのですか?」
「だ、だって……知り合いとかに見られたかも、しれないし……びっくりしちゃって……」
創は、牡丹の手をぎゅーっと握って、上目遣いにふくれつらをする。
「……いじわる」
ふふ、と牡丹は柔らかく笑む。
元気印の少年が真っ赤になっているのも可愛かったし、なにより、見えない尻尾がぶんぶん、勢い良く振られっぱなしなのがわかる。ほんとうはこれっぽっちも怒ってなんていないのだ。
今日のデート、創はとっても楽しみにしていた。
大好きな先輩との、映画館デートなのである。
5月の頭は、映画的には豊作シーズンである。ゴールデンウィークの集客を狙って、大作が次々に公開されているのだ。ふたりは寝子電に乗って、シーサイドタウン駅の駅ビルmiao最上階、シネマコンプレックス『kenzakiシネマねこじま』にやってきた。
「映画館ー!」
創はまた見えないしっぽをぶんぶん振ってはしゃいでいる。
「どの映画を見ましょうか? 恋愛系でもSF系でも私は創君と一緒なら……」
「折角だから先輩の好きなものを観ようよ!」
創はすかさず男らしいところを見せる。牡丹の映画の趣味は知らない。
(優しい先輩のことだから、甘酸っぱい恋愛系かな。それとも人気の少年探偵アニメかな?)
なんて思っていると。
「あっ、『偵子』」
牡丹が指さしたのは、白いワンピースを着て長い髪で顔を覆い隠した女が這いつくばっている、みるからにオドロオドロしいポスターだった。映画のタイトルである『偵子』の字も赤い血の滴るように書かれていて、背筋がぞくっとすること請け合いである。
「……ぇ……先輩ホラー好きなの?」
「ええ……『偵子』シリーズ、全作観てます。これは……最新作ですね。日常に忍び寄る恐怖というテーマで、何気ないビデオから死が連鎖してゆくのが……」
うんぬんかんぬん。
牡丹は嬉々とシリーズについての解説をしていたが、創の目は恐怖でぐるぐるになってゆく。
「ってすみません、つい……。いくら私がホラー映画好きでもデートでこれはないですよね……」
「いいよ見よう」
創は恐怖を男気で抑え込む。
「え? いいんですか?」
「大丈夫平気。平気だよー」
「そうですか? じゃあ……お言葉に甘えて一緒に見ましょうか?」
「うん!」
創はチケット売り場に走っていく。
女の子だって平気な奴だもん!
ぜったい僕にも大丈夫なはず!
チケットを買い、真ん中の一番いい席を取って、牡丹をエスコートするように席につく。
館内が暗くなって、いくつかの予告のあとに本編が始まり――。
「ああ……っ」
「……えぐ、えぐ……」
爛々と目を輝かせる牡丹の隣には、涙目で牡丹の手をずーっと握って離せない創がいた。
(やだぁーーーっ!!! テレビから何か出てきたーーー!!! もうやめてーーーー!!!)
何とか叫ぶのだけは堪えたが、創はそこから先、ぎゅっと固く目を閉じていたので、映画の結末は知らない。
映画館から出てきたとき、つやつやな牡丹とは対照的に、創は魂が抜けたみたいになっていた。
「ふふ、面白かった……創君どうでしたか?」
「どうだったっ、て……こわかった……」
「……創君……もしかして怖いのだめだった?」
創は、きょとんとする牡丹の胸に抱きついて、涙目の顔を埋める。
「でもいいのー、先輩が楽しいのが一番なのー」
「もう……それならそうと言ってくれればいいのに……強がっちゃって♪」
「でも今日は一人無理……絶対なんか出る……」
また恐怖で目がぐるぐるになる創。見えないしっぽも、へにょんとへたれている。
「でもでも……頑張って練習して、先輩と一緒にホラー見れるようになるから……また来ようね」
涙目で、精一杯かっこつけてみせる創。
牡丹はそんな創を甘やかすのが大好きだ。
「ほら、ぎゅーってしてあげますから、帰りましょ」
牡丹は創の肩を抱くようにして、同棲してる部屋に帰るまで、怖がる創をなでなでぎゅーと慰めてあげた。
「ただいまー」
部屋に帰り着いた創はソファに倒れ込んだ。
「あらあら……まだ怖いの?」
「ぼくもうへいき! へいきだよ! こわくないよ!」
でも、と創は悪戯っぽい甘え顔をする。
「ちゅーは歓迎します!」
目を閉じ、可愛らしい唇を突き出されたら、牡丹だってちゅっとせずにはいられないもの。
なでなでなでと三回撫でると、創の<ALL IN ONE>が発動して、見える犬耳と尻尾が生えてきた。
「もっともっと♪」
創はしっぽをぱたぱたさせてねだる。
「仕方ないですね……勇気の出るおまじないですよ?」
ちゅっちゅっ、と二回キスして、三度目は深く。
「ん……」
唾液の糸を引き口唇が離れると、彼はにぱーっと満面の笑顔で抱き着いてきた。
ふたりきり、誰に気兼ねすることなく、砂糖菓子みたいに甘く過ごす。
一緒にお風呂に入って……。
「創くん、ほらシャンプーハットつけないと目に泡が入っちゃいますよ?」
「もう! シャンプーハットって年じゃないってばぁ」
「ふふ、……そうですね?」
「ひゃっ。へんなとこ触んないでよぅ」
一緒にご飯食べて……。
「はい、創君、あーん♪」
「あーん♪ もぐもぐ……おいしーい!」
「次は口移しで……ね?」
「あぁん♪ 牡丹先輩のくちびる、柔らかいよぅ……」
一緒にお布団に入って……。
「ほら、創君、ちゃんとお布団に入らなきゃ風邪ひいちゃいますよ?」
「入ってるよー。それに、牡丹先輩の身体があったかいから、風邪なんてひかないよー」
「あらあら……ちょ、あん……っ。まだ早い、ですよ?」
「だって……幸せなんだもん」
いっぱい甘えて、いっぱい甘やかして、ぎゅーってしてちゅーってして、いつも通りの幸せな生活。
「えへへー、先輩、大好きだよ♪」
「ふふっ、私もです、創君」
灯りを消して。
とろとろに蕩けたチョコレートみたいに甘く甘く愛し合って。
夜更け、眠ってしまった彼のさらさらの髪を鋤く。
耳元に聞こえる静かな寝息。
目を瞑っていても分かる、彼の存在。
牡丹は目を閉じたまま、眠る彼の瞼にキスを落とす。
今日の雪はどうなったろう。
儚く溶けてしまっただろうか。
(そう……雪のようにいつかは溶けてしまうかもしれないこの幸せ……だからこの一瞬を大事にしよう。彼と刻む今が私の幸せなのだから……)
――この話には後日談がある。
どうやら創は本気でホラー映画を克服しようと決めたらしい。
ビデオ屋で泣きながら偵子シリーズを借りる少年の姿が確認されたという話である。
いつか……牡丹の隣で強気に偵子シリーズを観る創の勇姿を見ることができる……かもしれない。
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あとがき
担当マスター:
笈地 行
ファンレターはマスターページから!
ざーざーざーざーざーざー……(砂糖吐く音)
おっと……失礼しました。ご参加ありがとうございます!
雪の日にキスなシナリオをお届けいたしました。
可愛らしかったり、甘々だったり、ビターだったり……様々なキスに書きながら身悶え。
ちょうどクリスマス前後に書いていたので、
冬らしい素敵な時間をいただいた気分です。
それでは、2017年も一年大変お世話になりました。
2018年もみなさまとよいご縁がありますよう……。
笈地でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年12月10日
参加申し込みの期限
2017年12月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年12月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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