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ユキ、キス
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●放課後ロマンティックデート
放課後、
志波 拓郎
と
高梨 彩葉
は、学校帰りにレトロな風情の喫茶店で、レトロな風情のティーカップを手にお茶をしながら、ゆっくりお喋りを楽しんでいた。
当たり前だが、恋人だからといっていつもいつも甘ったるい会話をするわけじゃない。
むしろ、ごく普通の、何気ない日常の話の方がほとんどだ。
今日教室であった先生の面白い話だとか、勉強分からないねなんて話だとか。
そんなちょっとしたことでも、ふたりで話すと、どんな奇妙な冒険物語より楽しいのだから不思議だ。
拓郎と彩葉はのんびりとそんな時間を楽しみ、
「そろそろ、行く?」
と席を立つ頃になって、はじめて違和感に気がついた。
彩葉が、あっ、と窓の外を指さす。
「しばっち! 雪、雪が降ってる!」
「ほんと、だ……」
お喋りしてる間に十二月までタイムスリップしてしまったのだろうか。
(……まさかね)
なんて、目を擦る。
雪は消えない。夢じゃないし、タイムスリップでもないようだ。
何故なら、窓の外の人たちも立ち止まったり空を見上げたりして驚いている。
「五月なのに雪なんて珍しすぎない?」彩葉は声を潜めた。「これも神魂の仕業かな」
「そう、かも」
外はどうなっているんだろう。
目配せしあい、お会計を済ませて喫茶店を出る。
「わあ……っ!」
外は、一面の銀世界に変わっていた。
「これは、テンション上がっちゃうね」
彩葉は両手を広げ、天を仰いだ。
鼻の先に落ちた一片の雪が、体温の熱で水滴に変わる。
濡れた鼻先を指で拭う。拓郎を見れば、彼の睫毛にも白い綿雪がついていた。
「あはは。しばっち、睫毛に雪がついてるよ」
「そう、か?」
雪を払って、瞬きする。
そうこうするうち、なんだか気持ちがうずうずしてきた。
「彩葉さん。ちょっと……公園とか、行ってみない……か?」
「公園?」
「植木とか、ベンチの上……とか、少し積もってないかな……」
「雪遊びしたいの?」
頷く拓郎。
身体は大人と変わらないけど、やっぱり男の子だなあと思う。
雪を見ると子どもの頃歌った童謡にあるみたいに、駆けまわったりしたくなっちゃうのかしら。
大型犬みたいなところがある拓郎を見遣り、彩葉は思わずくすっと笑む。
「いいよ、行こう」
だって自分もワクワクしている。たまには小学生みたいに遊んだっていいじゃないか。
ふたりは、寝子小のそばの、風の原公園に寄ることにした。
公園を囲む新緑の木々は、すっかり白い帽子を被っていた。
カラフルな遊具の上にも雪が乗っていて、普段はカプセルギアなどで遊んでいるだろう子どもたちも、今日ばかりはきゃっきゃと声を上げて雪遊びに興じている。
「う~ん、こんなに雪が積もってると雪うさぎを作りたくなるねぇ」
彩葉は、鉄棒の上をつうとなぞり、積もった雪をかき集めた。
「うん。雪だるま……より、雪うさぎ、かも」
「よーし、しばっち、どっちが可愛い雪うさぎを作れるか競争だよ!」
「わかった……!」
鉄棒の上の雪はもう彩葉の手の中で丸く固められている。拓郎は誰も座っていないベンチへかけてゆくと、その椅子や背凭れ部分に積もった雪を素手で寄せて、大きなオムライスみたいな楕円形を作った。
真っ白なうさぎの身体が出来上がると、あたりをきょろきょろして、耳や目になりそうな草花を探す。
冬なら、楪の緑の葉を耳に、南天の赤い実を目にするところだが、五月の今時期ならいろいろ選択肢がある。
拓郎は、コナラの葉を耳に、公園の隅に咲いていた赤い芝桜を目に見立てて雪に挿した。
「じゃーん。私も完成ー」
彩葉が、ベンチの上に出来上がった拓郎の雪うさぎのとなりに、自分の雪うさぎを並べておく。
彩葉のは拓郎のより一回り小さく、耳は椿の丸い葉で、目は赤い野イチゴだった。
「彩葉さんの、かわいい……な」
「しばっちのもかわいいよ。どっちも優勝だね」
彩葉はにっと笑うとスマホを取り出し、完成した二つの雪うさぎを写真に収める。
撮れた写真を拓郎に見せ、
「見て。恋人、っていうより、おとうさんとおかあさんみたい?」
なんて。
言ってから照れた。
いつの間にか、遊んでいた小学生たちがいなくなっている。公園にはふたりきりだ。
彩葉がひとつ身震いした。
夢中で遊んでいたら、すっかりと冷えてしまったようだ。
「そうだよな……服装、冬に備えてないもんな……」
拓郎はバックに入れてた体操服のジャージを引っ張り出し、彩葉の肩にかけてやった。
「ありがと。でも、拓郎は?」
彩葉の呼び方が、自然と『しばっち』から『拓郎』に変わっていた。
付き合いはじめてそれなりに時間は経ったのだけれど、まだ無意識に照れがあるのだろうか。
彩葉はふたりきりのときだけ、『拓郎』と呼ぶのだ。
彼氏――拓郎は、そんな彩葉に強がって見せる。
「自分は、うん……寒いけど、鍛えてるから大丈夫」
「そっか。じゃ、借りるね」
彩葉は有難くジャージを羽織り、それでもまだ冷たい両手をこすり合わせる。
「う~、やっぱり冷たいねぇ。ほら、手が真っ赤になっちゃった」
そういってはあっと息を吹きかけるけれど、冷え切った指は全然暖かくならない。
「……貸して」
拓郎は彩葉の手を両手で包み込んだ。
拓郎の武骨な手は、彩葉のやわらかい手より温かい。その手で、冷たい手を擦ってくれる。
「男の人の手ってあったかいんだね」
「そう、かな」
彩葉の手。
お菓子作りと編み物が得意な、器用な手。
その手はいま、自分の手の中で、氷細工みたいに冷たくなっていて――
気づけば、手の甲にキスしていた。
「た、拓郎?」
突然のことに彩葉は驚き、かあっと頬を染め上げる。
見上げれば、拓郎自身も自分の唐突な行動に驚いたという顔。
「え、っと……なんだろう、無性にいとおしいなぁと感じて……」
「もう……っ」
彩葉はぱっと手を引っ込める。
「ご、ごめん」
彩葉のその反応に、拓郎はまるで主人に怒られた犬みたいにしゅんとした。
(ほんと、可愛いんだから)
彩葉は彼を横目で見て思う。頭をわしゃわしゃ撫でたくなる。というか、実際そうした。
「拓郎ありがと。もういいよ。暖かくなったから」
暖かくというより、むしろ、ちょっと恥ずかしい気持ちだ。
(体温はそのままだけど心はさっきよりもすごく暖かくなっちゃった)
ほっこりと灯る熱と、それを自分だけ貰ってしまったことへの罪悪感がチリリ、胸に疼く。
このままだとなんとなく悔しい。
だから彩葉はびっくりの仕返しをすることにした。
「ね、拓郎?」
「なに、彩葉さ……ん?」
拓郎の制服のネクタイをぐいと引き寄せ、彼の頬に、軽くキス。
「お返し」
コレで拓郎も少しは暖かくなればいいね?
なんて、長く伸ばした前髪の隙間から、今日はお休み中の青空みたいな瞳をきらきらっと覗かせて。
彩葉は小悪魔っぽくにっこり笑った。
そんな彩葉に照れた笑みを返しながら、拓郎は心の中で快哉を叫ぶ。
――素敵な状況ありがとう雪!!
ひらりひらりと、雪は舞い降り続けている。
神魂だろうと何だろうと、五月の奇跡に感謝して、拓郎は今度は自分のスマホで写真を撮った。
フレームの中に収めたのは、さっきの雪うさぎたちと、自分のジャージを肩に羽織った彩葉の照れた笑顔。
すぐに溶けてしまうだろう五月の奇跡の記念に。
今日の、ささやかなキスの記念に。
この写真を大切に、スマホの中に仕舞っておこう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年12月10日
参加申し込みの期限
2017年12月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年12月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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