- 0
- 0
- 種族
-
- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【星幽塔】第十三階層 『おもちゃのおしろ』と「こびと」の少年
【without ろっこん】
その頃、玉座の間では、ろっこんを使えないという予期せぬアクシデントによって、冒険者達は思わぬ苦戦を強いられていた。
「ろっこんが使えなくなるとはな……。だが、こんなこともあろうかと、トマオレクッキーは使用済みだ……！」
新田 亮は、それでも諦めることなく、闘志の炎を燃やし続けている。
魔土の礫を自動小銃のごとく乱射し、傷ついた身体は星型の薬草で回復して、持久戦に備える。
「能力強化系のろっこんが使えなくても、相手の能力を下げれば相対的に結果は同じよ！」
亮の妹である新田 樹も、むしろピンチになればなるほど燃えるとでも言うように、瞳に嬉々とした光を湛えて、呪術の光を行使して、兵隊の能力を下げて、そこにズドンと雷神の腕輪をぶちこむ。
「縮身が使えないとなると、奇襲は無理か。まあ、だったらだったでやりようはあるさ。大事なのは恐れずに突っ込むこと！」
七峯 亨もハルバードをぶんまわして、おもちゃの兵隊を圧倒する。ときには兵隊から奪った銃に、矢を突っ込んでボウガンのように駆使したりもする。
三人が雑魚を圧倒してくれるおかげで、残りのメンバーは強敵である騎士と竜――そして、ゲオルグとの戦闘に集中することができていた。
とはいえ、やはりボス級だけあって、騎士も竜も強敵だ。
「ちっ……。弱点がわかっているというのに、それを狙えないというのは歯痒いね」
サキリ・デイジーカッターは、サジタリオ城での経験から、竜の弱点に目星はつけているものの、ろっこんによる瞬間移動を封じられたために、攻撃のチャンスをなかなか見い出せずにいた。
「うおっ……。くそっ……。おいこら、汚いぞ。三振したら馬から下りやがれ！」
高杉 かようも、騎士の槍をよけることはできるものの、蠍鉄鋼弾だけでは鎧をつけた騎士に決定打を与えられずにいた。
「美咲紀、デイジーカッター、耳を貸してくれ」
八神 修は、竜の炎を盾で防ぎつつ、仲間達にある提案をすべく自分のもとに呼び寄せた。
「ろっこんが使えないうえに、頼れるのは星の力だけとなると消耗戦は必死だ。短期決戦を狙うために、竜と騎士の同士討ちを狙おう」
「名案だね。そうすれば、竜の懐に踏み込むチャンスもありそうだ」
「竜のブレスは私が魔風の力でできるだけ抑え込むわ！」
三人は手短にそれぞれの役割を確認しあうと、各自の目的のために動きだした。
「むむ……。何か小賢しいことを企んでおるな……。なら、これならどうだ！ くぁwせdrftgyふじこlp！」
玉座の向こう、おもちゃの兵隊の壁の向こうに隠れていたゲオルグがおもむろに杖を持ち上げて謎の呪文を口ずさむ。
いくつもの激戦を潜り抜けた冒険者達は対応できている。
だが、まだ経験値不足のリヒトはよけきれなかった。
「……ぐ……おのれ……」
こびとまほうによる雷のダメージをうけて、リヒトがその場に膝をつく。
それを見て、癒しの力を持つ亨が回復に駆けつける。
「しっかりしな、リヒト。あまり無茶をするもんじゃないぜ？」
「……無理などしておらぬ。あのような輩をのさばらしておけば、じきにニーナにも害が及ぶ……！」
リヒトの真剣な表情に、亨はハッとさせられる。
どれだけ厨二病でも、どれだけまだ子供でも、彼もまた自分と同じ男なのだと認識を新たにする。
（そんな顔をされると手を貸してやりたくなっちゃうねぇ）
だが、今の亨には、リヒトに《縮身》を使わせてやることはできない。
もちろんろっこんなしでも、彼に花を持たせることは可能ではあるが、一人ではそれも限界がある。
「……いい顔つきになったじゃねぇか、坊主」
と、そこにいいタイミングでやってきたのが、レグルス・シェルタンだった。
レグルスもまたリヒトの言葉に、にやりと口の端を曲げていた。
「……坊主。これから俺がゲオルグの野郎に殴りかかって、奴の注意を引きつける。その隙に奴の背後について、後ろから一気にケリをつけて欲しい。頼めるか？」
「……！ 無論だ！ 戦いの神に勝利を約束されし我にとって、その程度、造作もないこと！」
レグルスの言葉に、リヒトの瞳に光がともった。
「よっしゃ、それじゃ頼んだぜ。うおおおおおおおおおお！」
次の瞬間、レグルスは大音声で叫びながら、おもちゃの兵隊の壁をイフラーンで薙ぎ払い、ゲオルグへ向かっていく。
「な、なんだと……！ ええい、者共！ やつをなんとかしろ！ 全方位から槍で突き刺せ！」
『！？！？！？』
ゲオルグに命じられ、おもちゃの槍兵が四方からレグルスを狙う。
「……っ！？ ちぃっ……！ なんの、まだまだぁっ……！！」
さしものレグルスも四方からの槍を全てかわすことはできずに、手傷を負う。
が、レグルスは退かない。肉を切らせて骨を断たんとする勢いで、自身を取り囲むおもちゃ兵をちぎっては投げ、ちぎっては投げていく。
「なんという無茶を……」
「リヒト。急ぐぜ、あいつが作ってくれたチャンスを無駄にすんな」
驚くリヒトの背中を押して、亨もまたレグルスが向かったのとは反対方向のおもちゃ兵の壁に突っ込む。
「おらおら、どきな！ 冒険者様のお通りだぜ！」
ハルバードでゲオルグの背後への道を切り拓きつつ、亨は目でリヒトに走れと合図を送る。
「……すまぬ」
リヒトは、自らの無力さに歯噛みするように呟いて頷くと、一心不乱にゲオルグの背後を目指して駆け出していた。
その頃、玉座の間では、ろっこんを使えないという予期せぬアクシデントによって、冒険者達は思わぬ苦戦を強いられていた。
「ろっこんが使えなくなるとはな……。だが、こんなこともあろうかと、トマオレクッキーは使用済みだ……！」
新田 亮は、それでも諦めることなく、闘志の炎を燃やし続けている。
魔土の礫を自動小銃のごとく乱射し、傷ついた身体は星型の薬草で回復して、持久戦に備える。
「能力強化系のろっこんが使えなくても、相手の能力を下げれば相対的に結果は同じよ！」
亮の妹である新田 樹も、むしろピンチになればなるほど燃えるとでも言うように、瞳に嬉々とした光を湛えて、呪術の光を行使して、兵隊の能力を下げて、そこにズドンと雷神の腕輪をぶちこむ。
「縮身が使えないとなると、奇襲は無理か。まあ、だったらだったでやりようはあるさ。大事なのは恐れずに突っ込むこと！」
七峯 亨もハルバードをぶんまわして、おもちゃの兵隊を圧倒する。ときには兵隊から奪った銃に、矢を突っ込んでボウガンのように駆使したりもする。
三人が雑魚を圧倒してくれるおかげで、残りのメンバーは強敵である騎士と竜――そして、ゲオルグとの戦闘に集中することができていた。
とはいえ、やはりボス級だけあって、騎士も竜も強敵だ。
「ちっ……。弱点がわかっているというのに、それを狙えないというのは歯痒いね」
サキリ・デイジーカッターは、サジタリオ城での経験から、竜の弱点に目星はつけているものの、ろっこんによる瞬間移動を封じられたために、攻撃のチャンスをなかなか見い出せずにいた。
「うおっ……。くそっ……。おいこら、汚いぞ。三振したら馬から下りやがれ！」
高杉 かようも、騎士の槍をよけることはできるものの、蠍鉄鋼弾だけでは鎧をつけた騎士に決定打を与えられずにいた。
「美咲紀、デイジーカッター、耳を貸してくれ」
八神 修は、竜の炎を盾で防ぎつつ、仲間達にある提案をすべく自分のもとに呼び寄せた。
「ろっこんが使えないうえに、頼れるのは星の力だけとなると消耗戦は必死だ。短期決戦を狙うために、竜と騎士の同士討ちを狙おう」
「名案だね。そうすれば、竜の懐に踏み込むチャンスもありそうだ」
「竜のブレスは私が魔風の力でできるだけ抑え込むわ！」
三人は手短にそれぞれの役割を確認しあうと、各自の目的のために動きだした。
「むむ……。何か小賢しいことを企んでおるな……。なら、これならどうだ！ くぁwせdrftgyふじこlp！」
玉座の向こう、おもちゃの兵隊の壁の向こうに隠れていたゲオルグがおもむろに杖を持ち上げて謎の呪文を口ずさむ。
いくつもの激戦を潜り抜けた冒険者達は対応できている。
だが、まだ経験値不足のリヒトはよけきれなかった。
「……ぐ……おのれ……」
こびとまほうによる雷のダメージをうけて、リヒトがその場に膝をつく。
それを見て、癒しの力を持つ亨が回復に駆けつける。
「しっかりしな、リヒト。あまり無茶をするもんじゃないぜ？」
「……無理などしておらぬ。あのような輩をのさばらしておけば、じきにニーナにも害が及ぶ……！」
リヒトの真剣な表情に、亨はハッとさせられる。
どれだけ厨二病でも、どれだけまだ子供でも、彼もまた自分と同じ男なのだと認識を新たにする。
（そんな顔をされると手を貸してやりたくなっちゃうねぇ）
だが、今の亨には、リヒトに《縮身》を使わせてやることはできない。
もちろんろっこんなしでも、彼に花を持たせることは可能ではあるが、一人ではそれも限界がある。
「……いい顔つきになったじゃねぇか、坊主」
と、そこにいいタイミングでやってきたのが、レグルス・シェルタンだった。
レグルスもまたリヒトの言葉に、にやりと口の端を曲げていた。
「……坊主。これから俺がゲオルグの野郎に殴りかかって、奴の注意を引きつける。その隙に奴の背後について、後ろから一気にケリをつけて欲しい。頼めるか？」
「……！ 無論だ！ 戦いの神に勝利を約束されし我にとって、その程度、造作もないこと！」
レグルスの言葉に、リヒトの瞳に光がともった。
「よっしゃ、それじゃ頼んだぜ。うおおおおおおおおおお！」
次の瞬間、レグルスは大音声で叫びながら、おもちゃの兵隊の壁をイフラーンで薙ぎ払い、ゲオルグへ向かっていく。
「な、なんだと……！ ええい、者共！ やつをなんとかしろ！ 全方位から槍で突き刺せ！」
『！？！？！？』
ゲオルグに命じられ、おもちゃの槍兵が四方からレグルスを狙う。
「……っ！？ ちぃっ……！ なんの、まだまだぁっ……！！」
さしものレグルスも四方からの槍を全てかわすことはできずに、手傷を負う。
が、レグルスは退かない。肉を切らせて骨を断たんとする勢いで、自身を取り囲むおもちゃ兵をちぎっては投げ、ちぎっては投げていく。
「なんという無茶を……」
「リヒト。急ぐぜ、あいつが作ってくれたチャンスを無駄にすんな」
驚くリヒトの背中を押して、亨もまたレグルスが向かったのとは反対方向のおもちゃ兵の壁に突っ込む。
「おらおら、どきな！ 冒険者様のお通りだぜ！」
ハルバードでゲオルグの背後への道を切り拓きつつ、亨は目でリヒトに走れと合図を送る。
「……すまぬ」
リヒトは、自らの無力さに歯噛みするように呟いて頷くと、一心不乱にゲオルグの背後を目指して駆け出していた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2017年12月08日
- 参加申し込みの期限
-
- 2017年12月15日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2017年12月15日 11時00分
