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ねこじまさんぽ
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【夜の入り口にて】
とある床屋さんの、いわゆる看板猫でした。店先に置かれた椅子の上にちょこんと乗っかって、番犬ならぬ番猫気取り。つんと反らした胸に、どこか挑戦的な眼差し……なかなかにお転婆な女の子のようであります。
五十二歳ダンス教室講師、
岡瀬 靖久
。猫好き。ついつい、触れずにはいられなかったのでした。
「……おや?」
愛らしいメスのアビシニアンをなでなでしながら、店先に置かれている姿見へ何げなく目をやると、そこにいたのは十七歳ほどの凛々しい目つきの少年でした。ちなみにニラんでいるわけではなく、生まれつきそーいう目なだけです。
「僕、特定の猫に触れると若返るのかな……?」
ろっこんにはいちおう自覚アリな靖久ですけれど、その発動条件までは良く分かっていません。
首をひねりながらも、まあいいかと思い直してはにゃんこをなでくりなでくり。あまり細かいことは気にしないタチでありました。
といって、彼なりにちょっと看過できないことというのも、なかにはありまして。
「しかし、あなたは可愛らしいですね。看板猫というのもうなずける……って、あ! ちょ、ちょっと!?」
本日のおにゃんこたちは、活発です。ちょっぴりテンションが上がっておりました。
撫でるたび、彼の手首でちゃりちゃりと揺れるブレスレットが気になっていたのでしょう。アビシニアンは二本のブレスレットのうち、ピンク色のそれをぱくりとくわえて、器用にも手首からすっぽり抜き取ると、だだーっ! 駆け出してしまいました。
「ぼ、僕のブレスレット……! それは持っていかないで!」
慌てて追いかける靖久は青ざめて、必死の形相です。なにしろそれは、彼の愛する家族がプレゼントしてくれた、この世にひとつしかない大切なものなのです。
失くしてしまうわけにはいきません……!
「ああっ、そんな全力疾走で!? 待って、返して、僕の大切な……!」
幸いと言いましょうか、今の靖久はろっこんのおかげで、若々しい十七歳の身体です。ダンスで鍛えた身体のキレ、バランス感覚、そんなものも手伝ってくれました。
そろそろ沈み始めたお日さまの下、一人と一匹の追いかけっこは始まりました。
多くの人にとっては一日の終わりを表す宵の頃も、
桜 月
にとっては始まりです。
「うん。綺麗な夕焼けだ」
月の白い肌を焦がす日の光も、今は弱々しくはかないオレンジの残滓を散らしながら、ゆっくりと海の向こうへ沈んでいくのみ。念のためにと持ってきた日傘を差しながら、月は星ヶ丘の路地でくるりと一回転。
「良いインスピレーションが湧いてきそうだ……ん?」
民家の青々とした芝生を連なって横切る猫たちも、なんだかご機嫌のようです。
列を外れて月の足元へ駆け寄ってきたのは、ちょっぴりふてぶてしい小太りなペルシャ猫。星ヶ丘地区のどこかで、幸せに飼われている猫たちの一匹なのでしょう。
「今日は、星ヶ丘マリーナのほうへ行ってみるかな。君もいっしょに行く?」
ふにゃ~ん。気のない声ながら、どうやらイエスです。
軽やかに鳴る月のかかとの半歩うしろを、ペルシャ猫は付かず離れず。月はうっすらと微笑み、紫が混ざり始めた空へと向かって歩きます。
星ヶ丘マリーナには潮騒の音と、どこか名残惜しそうなカモメの声。帆をたたんだヨットやクルーザーが、ぷかぷか波に揺れています。水面には、顔を出したまだ色の薄い半月が、波間にぺらりと浮かんでおりました。
桟橋に据えられたベンチへ腰を下ろすと、ペルシャ猫が当然のような顔で膝の上へひょいっ。揃ってぼーっとしながら、複雑に混ざり合う空の色を眺めます。溶けるような空を見上げているだけで、月と猫を包み込む時間は、そこへ吸い込まれて消えていくかのようです。
「……それ失くしたら、本当に僕、泣いちゃうよ! 返して……!」
「うん?」
しばらくそうしていたら、なにやら向こうから駆けてくるのは猫が一匹と、いささかコワモテな少年でした。
猫はなにかきらりときらめくものをくわえていて、少年はそれを追いかけているようです。
「ふむ」
小首を傾げた月。
ちょっとした親切です。ろっこんで影の一部を実体化すると、少年には見えないようにそうっと、猫の尻尾を捕まえました。もちろん優しく、そうっとです。
うにゃ!? と戸惑う猫へ追いついた少年、靖久は、
「ああ、良かった!」
思わずぺ、と吐き出したピンクのブレスレットを拾い上げると、元どおり、紫色のブレスレットに並べて手首へはめました。これでひと安心です。
「いやあ、良かった。返してくれてありがとう、猫さん……おっと。こんばんは、お邪魔してしまいましたか?」
「構わないよ。大切なもののようだね、取り戻せて良かった」
「それはもう! 本当に大事なものなんですよ。ああ、ほっとした」
少しばかり眼光鋭い彼も、ほうっと深く息を吐き、思わずくしゃりと顔を緩めます。
はっとしたのは、月でした。即座にスケッチブックを取り出すと、白いページへ忙しくペンを走らせます。その機敏な動きに揺れた膝の上で、ペルシャ猫がふにぃと抗議の声を上げました。
「……アイディアは一瞬のきらめきだ。うまく描き留められたよ、ありがとう」
「ん。僕、なにかしたかな……? まあ、お役に立てたならなによりですよ」
少年は目を細めて、軽快なステップを踏みながら去っていきました。去り際に、彼がいくらか歳をとったように見えたのは、気のせいでしょうか?
なんにしろ、その佇まいにどこか、創作意欲を駆り立てられてしまったのは確かです。
彼の手首には紫とピンク、二本のブレスレットがきらきらと淡く光を放ちながら、いつまでも揺れておりました。
月とペルシャ猫は、半月がくっきりと色濃く見え始めても、そうして海を眺めていました。
なんとはなしに、手首をなぞります。少年が誰かに贈られたブレスレットのように、月にもまた、抑えがたく感情を分かち合う、大切な人がいます。
「ふむ。いつもなら、ひとり……いや、呼び出した影といっしょに歩くこともあるから、ふたりかな? 静かな散歩も、悪くはないけれど」
ふわふわな猫の背中を手のひらでなぞると、うにゃあ。ふにゃあ。
「誰かと歩くのも、ね。やっぱりいいもんだ」
次は、彼女も連れてこようか……?
ぼんやりとそんなことを思いながら、月はスケッチブックへ、膝の上で寝そべるペルシャ猫の姿を描き入れます。
「今日はありがとう。おかげで新鮮な散歩になったよ」
返事はありませんでした。
猫はすやすや、気持ち良さそうに寝息を立てていたので。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。
お待たせしました。『ねこさんぽ』のリアクションをお届けいたします~。
寝子島といったら言わずもがな、猫! なんたって島の形が猫の横顔になってたりするくらいですからね。
今回はここぞとばかり、いろんなにゃんこを登場させてみました。個性豊かな寝子島住人のことですから、それはもういろんな猫ちゃんを飼っていることでしょう。
ちょっと変わったにゃんこなんかもご指定いただいて、書いてる私もほくほくでありました。
ド派手な神魂現象に見舞われて大立ち回り、なんてのも楽しいですけれど。
たまにはこんなふうにのんびりまったり、猫といっしょにふにゃふにゃと一日を過ごすのもまた、良いものですよね。
それでは、今回もご参加いただきまして、ありがとうございました。
また次の機会にお目にかかれますことを、心よりお待ちしております。
お疲れさまでした~!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年11月16日
参加申し込みの期限
2017年11月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年11月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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