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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
SIRASU
◆伊勢エビのグラタン～トリュフと卵添えしらすのせ～
八神 修は空腹を感じながらも、自転車を走らせている。海浜公園で飼っている猫、タイガとマーブルを遊ばせた帰りだった。修の身体は一つだが、飼っている動物は膨大である。順番にしか遊びに行かせられないのを心苦しく思うが、仕方がない。春の風を感じながら道を行く。たまたまいい雰囲気の小料理屋を見つけ、入ってみた。
「いらっしゃいませ。あら珍しいお客さんね」
「カウンターにどうぞ」
店員に導かれるまま座り、出されたメニューに目を通すと修は目を見開く。只々、しらすという文字が並んでいるのだ。今年は黒潮の大蛇行で不漁の筈だが……とも思うが、そういった修の思考を打ち消すように、店の雰囲気にはそぐわない粗野な男たちが歌う。
しらす、しらす……♪
修は口を噤み、しらす丼をしらす増し増しにして、あと幾つかのしらす料理を頼んだ。あとは、と修は外に置いてきてしまった猫を考えて、猫用のしらすも頼む。
「美味しいかい？」
そう言いながら猫を撫でて、しらす料理を待つ修。そろそろと見て、席に戻った。しらす丼の他に、大根と茹でしらすのしんじょや、大葉はさみ揚げ、しらすの出汁巻卵などなど、様々なしらす料理がテーブルの上に並んでいる。修はそれらを写真に撮ってアップロードしてから、口を付けた。ヴァイキングたちが歌をやめて見守っている。
「……うまい！」
修はヴァイキングたちにもしらすを勧めながら、実に美味しそうに食べた。たくさんあった料理がヴァイキングたちの手で消えていく。その前、軍艦ずしが置かれた。それを食べて、修はどこか食レポのように畏まった感想を述べる。
「ほのかに甘く、ほのかに苦い――醤油も合うが、やはり素材の味そのままが一番だ」
などといった様子で。
完食した頃に、にゃあん、にゃああんと猫の鳴き声が聞こえてくる。タイガとマーブルの二人が修を呼んでいるのだ。店を出た修はまたその二匹を自転車籠に乗せてやって、帰路を急いだ。
「ヴァイキングの戦略はいつも同じだ」
二匹の猫に話してやるように、修は口を開く。猫には難しいだろうなと考えながら、足を動かして。
「フィヨルドを出てトロンヘイムで北東の風を待ち――」
結局あの屈強な男たちはなんだったのだろうか。それは修にもわからなかった。いつの間にか消えていたが、どこにいったのだろうか――そう思いながらも修は滔々と、猫にかつて歴史上に存在したヴァイキングのことを話してやる。が、自転車がある店の前を通った時、修の口が彼の思わぬ方向へ動き出した。
「寝子島に到着し、あの小料理屋に集結」
そのことに修は驚きつつも、神魂の影響に煽られたのだろうと思ってそのまま口を動かす。修は自転車籠から不思議そうににゃあ、にゃああんと鳴き声がするのが聞こえた。言っていることがわかっているのだろうか。賢い子たちだなと思いながら。
「メニューの中から特製しらす丼をしらす選択」
にゃああん。猫の声に、野太い声が重なった。
しらす、しらす、しらす……♪
おいしいしら～す♪
飲食店の中から響いている。中に居る人々が美味しそうにしらすを食べる姿を、修は思い浮かべた。するとその店からは声が止み、別の店から歌声が響く。
しらす、しらす……♪
おいしいしら～す……♪
修の自転車は、キャットロードを走り続けた。
“謎のヴァイキングは一夜にして寝子島から消滅”
後日。ねこったーにそんなネット記事が上がった。その記事の奇妙さに、皆嘘か悪ふざけだろうといって流し、記事も風化していくが、それとは別に、嘘の出来事を面白おかしく取り上げるニュースサイト風のページに、こんな記事が投稿される。
“『日英俗語辞典』はリッカルド町長の邸宅で販売中 代金は顔への猫パンチ”
THE END
SIRASU CAST
ヴェルト・レトランジェ
メーベル・コルテージュ
薄羽 白露
水守 流
真境名 アリサ
鬼崎 あやめ
トワ・E・ライトフェロゥ
志波 甲斐斗
透 明
八神 修
KII SIRASU ROKUHARA
Project SIRASU NANICA
八神 修は空腹を感じながらも、自転車を走らせている。海浜公園で飼っている猫、タイガとマーブルを遊ばせた帰りだった。修の身体は一つだが、飼っている動物は膨大である。順番にしか遊びに行かせられないのを心苦しく思うが、仕方がない。春の風を感じながら道を行く。たまたまいい雰囲気の小料理屋を見つけ、入ってみた。
「いらっしゃいませ。あら珍しいお客さんね」
「カウンターにどうぞ」
店員に導かれるまま座り、出されたメニューに目を通すと修は目を見開く。只々、しらすという文字が並んでいるのだ。今年は黒潮の大蛇行で不漁の筈だが……とも思うが、そういった修の思考を打ち消すように、店の雰囲気にはそぐわない粗野な男たちが歌う。
しらす、しらす……♪
修は口を噤み、しらす丼をしらす増し増しにして、あと幾つかのしらす料理を頼んだ。あとは、と修は外に置いてきてしまった猫を考えて、猫用のしらすも頼む。
「美味しいかい？」
そう言いながら猫を撫でて、しらす料理を待つ修。そろそろと見て、席に戻った。しらす丼の他に、大根と茹でしらすのしんじょや、大葉はさみ揚げ、しらすの出汁巻卵などなど、様々なしらす料理がテーブルの上に並んでいる。修はそれらを写真に撮ってアップロードしてから、口を付けた。ヴァイキングたちが歌をやめて見守っている。
「……うまい！」
修はヴァイキングたちにもしらすを勧めながら、実に美味しそうに食べた。たくさんあった料理がヴァイキングたちの手で消えていく。その前、軍艦ずしが置かれた。それを食べて、修はどこか食レポのように畏まった感想を述べる。
「ほのかに甘く、ほのかに苦い――醤油も合うが、やはり素材の味そのままが一番だ」
などといった様子で。
完食した頃に、にゃあん、にゃああんと猫の鳴き声が聞こえてくる。タイガとマーブルの二人が修を呼んでいるのだ。店を出た修はまたその二匹を自転車籠に乗せてやって、帰路を急いだ。
「ヴァイキングの戦略はいつも同じだ」
二匹の猫に話してやるように、修は口を開く。猫には難しいだろうなと考えながら、足を動かして。
「フィヨルドを出てトロンヘイムで北東の風を待ち――」
結局あの屈強な男たちはなんだったのだろうか。それは修にもわからなかった。いつの間にか消えていたが、どこにいったのだろうか――そう思いながらも修は滔々と、猫にかつて歴史上に存在したヴァイキングのことを話してやる。が、自転車がある店の前を通った時、修の口が彼の思わぬ方向へ動き出した。
「寝子島に到着し、あの小料理屋に集結」
そのことに修は驚きつつも、神魂の影響に煽られたのだろうと思ってそのまま口を動かす。修は自転車籠から不思議そうににゃあ、にゃああんと鳴き声がするのが聞こえた。言っていることがわかっているのだろうか。賢い子たちだなと思いながら。
「メニューの中から特製しらす丼をしらす選択」
にゃああん。猫の声に、野太い声が重なった。
しらす、しらす、しらす……♪
おいしいしら～す♪
飲食店の中から響いている。中に居る人々が美味しそうにしらすを食べる姿を、修は思い浮かべた。するとその店からは声が止み、別の店から歌声が響く。
しらす、しらす……♪
おいしいしら～す……♪
修の自転車は、キャットロードを走り続けた。
“謎のヴァイキングは一夜にして寝子島から消滅”
後日。ねこったーにそんなネット記事が上がった。その記事の奇妙さに、皆嘘か悪ふざけだろうといって流し、記事も風化していくが、それとは別に、嘘の出来事を面白おかしく取り上げるニュースサイト風のページに、こんな記事が投稿される。
“『日英俗語辞典』はリッカルド町長の邸宅で販売中 代金は顔への猫パンチ”
メーベル・コルテージュ
薄羽 白露
水守 流
真境名 アリサ
鬼崎 あやめ
トワ・E・ライトフェロゥ
志波 甲斐斗
透 明
八神 修
あとがき
担当マスター：
六原紀伊
ファンレターはマスターページから！
ご参加ありがとうございました。六原です。
生も釜揚げも好きですが、どちらかというえば釜揚げ派です。皆さんはどんなしらすがお好きでしょうか。
皆さんが美味しそうにしらす料理を食べてくださったことで、無事謎のヴァイキングはいなくなったそうです。
ありがとうございました。
生も釜揚げも好きですが、どちらかというえば釜揚げ派です。皆さんはどんなしらすがお好きでしょうか。
皆さんが美味しそうにしらす料理を食べてくださったことで、無事謎のヴァイキングはいなくなったそうです。
ありがとうございました。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年11月13日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年11月20日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年11月20日 11時00分
