【遠足】テーマパークから愛を込めて！？｜リアクション

【遠足】テーマパークから愛を込めて！？

　――黄昏時の橙の下で

　自身の母やタイラ・トラントゥールのシッターが待つ門の前へと向かいながら、
「一日楽しかったな！　福引き当たってほんとにラッキーだった！」
　２人といっぱい遊べたもんな！　と、源竜世は大輪の向日葵のような笑みを零す。
　その後ろを歩いていたタイラの服の裾が、不意に、小さく引かれた。
「……翔？」
「タイラ、これ」
　振り返ったタイラへと鳳城翔が差し出したのは、ハッピィのチャームが付いたキーホルダーだ。
「これは……」
「今日は、本当に楽しかった。俺なんか誘ってくれてありがとな」
　キーホルダーと一緒に微笑みを手渡されれば、タイラの胸に驚きと嬉しさが満ちる。
　それが顔に出ないように口元を引き結んで、タイラは翔の額をコツと軽く叩いた。
「なんかなどと言うな、バカが。……ボクは、翔だから誘ったんだからな……」
　最後の方は、小さな、小さな声で。
　竜世が前の方から、「おーい！」と呼ぶのに、２人は目元で笑い合った。

　完成したキャンドルを携えて、御巫時子も門へと向かう。
（イメージ通りの綺麗なキャンドルになりました。今夜、寝る前に使ってみましょう……）
　パレードの楽しい夢が見られそうだと、時子は口元に穏やかな笑みを乗せた。

　夕焼け空の下を、伊藤美緒と伊藤佳奈は並んで歩く。
　１年生の遠足の、帰りの集合場所はもうすぐだ。
　美緒の足が、唐突に、ぴたと止まった。
「美緒ちゃん？　どうしたの？」
「その……佳奈、今日はありがと」
　真っ直ぐに目を見て、素直に、感謝の気持ちを伝える。
　瞳をぱちぱちと瞬かせたあとで――佳奈は、ふわりと微笑んだ。
「どういたしまして」

　家に帰るまでが遠足。
　帰りの電車に揺られる時間も素敵なものになるようにと、夕空に瞬き出した星達も歌っている。

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あとがき

担当マスター：巴めろ
ファンレターはマスターページから！

お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました！

新１年生の皆様、寝子高の遠足、お楽しみいただけましたでしょうか。
個人的にニャンドへ遊びにいかれた皆様にとっても、楽しい時間になっておりますと幸いです。

テーマパークと言えばあれもこれも外せない！　と、
ガイドの段階から、ぎゅぎゅぎゅっと色んなアトラクションなどなどを詰め込んだ当シナリオ。
お預かりしたアクション中のＰＣ様方の生き生きとした様子に頬を緩めつつ、
リアクションにもテーマパークで過ごす時間のわくわく感が滲むよう、尽力したつもりです。
執筆、とても楽しかったです。ありがとうございます。

なお、学校行事ということで、１年生は基本的に制服を着用となっております……が、
うっかり私服で来ちゃった☆　など、こだわりがあれば、他の服装をご想定いただいても問題ございません。
ただ、リアクションは１年生は制服着用というのを前提に執筆させていただいておりますので、
上述の場合、多少の齟齬が生じ得ますことだけご了承くださいませ。
あとは、ちょっぴり先生に怒られるかもしれないくらいではないでしょうか！　そこは我らが寝子高ですので！

重ねてになりますが、ご参加くださった全ての方に心からの感謝を。
この度も、本当にありがとうございました！

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