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二
二人と別れた円は、登場人物の一人である小柄な軍人の家を探してゐた。彼女の知る旧市街よりも古びた町並みの中、一軒一軒見て回り、ぶら下がつてゐる表札見て此處と思へし家の戸を叩く。
「ごめんくださーい」
然し主人の応答は聞こえず、円の聲が虚しく響くだけである。暫し其の動作を繰り返しては、居留守でないと見て円は戸に手をかけた。鍵を掛けてゐないためかその戸はアッサリと開く。上がつても誰も居ないとみて、その中を物色する。とは云へ拝借するもの、軍服のみと考へてゐたが、戸棚の中にあつたものを見て氣が変はつた。
「おっこれは……!」
円が見つけしもの、英國式のスチーム制パワード・スーツである。帝都を襲ふ蒸氣スーツの叛逆者に立ち向かふため彼の母が態々誂へたものであつた。円が其れに袖を通すと彼女のために造られたものかと錯覺するほどの着心地を感じる。円は更にその上に軍服のコートを羽織、蒸氣ボンベを背負つた。あと何か借りられるものはないかと縁側に出ると、庭に停めてあつた二輪が目に留まる。すぐさま其の二輪に跨り、寢子島大橋へ急いだ。
『そういえばよんだ通りならこの路地のこのあたりに……あったあった』
一方、海も話の筋を思ひ出し乍ら路地の陰、打ち捨てられた木箱を開けて中を見る。入つてゐるものを鞄に詰めて寢子島大橋へ急いだ。
寢子島大橋ではパワード・スーツと軍服に身を包んだ円が蒸氣撒き乍ら二輪に乘り、二人が來るのを待つてゐた。此れにはブリジットも海もアッと驚かされる。特に海などは暫し呆氣に取られて筆を紙の上でピタリと止めてゐた。
『どうしたの、それ』
平靜取り戻した海がこう記す。それに対し円はヒュウと口笛吹き返す。
「軍人の家から貰ってきた。まぁ、あとで返すさ」
「いいんじゃない?」
さう云ふブリジットの横で海は備へ附けの側車に興味津々であつた。さつそく乘り込んで、円を見てゐる。
『となり乗せて』
「いいよー」
ブロロロロロロ。円がハンドルを握ると二輪が蒸氣を吹き上げ唸つた。
「じゃぁ、帝都いってみますかー」
モシ。意氣揚揚の三人娘の前立ちはだかる男にブリジットは一圓札を投げつける。さうして、突如降ってきた一圓札に呆氣にとられる男の横を駆け抜けた。
「釣りはいいわよ!」
三
風に搖れ搖れ今にも崩れさうな橋を豪快に走り拔けて、円たちは鎌倉から銀座へ、銀座から淺草へ急いだ。路面電車に並走しながら、その風景の変はりやうは帝都に近附けば近附くほど驚かされる。頭上を進む吊舟を見ながら海はブリジットにこう書いて見せた。
『すごい、さすがスチームパンク世界の都会』
それを見たブリジットも帝都の姿には感歎の樣子で頷いてゐる。
「さすが、帝都」
一行が淺草公園に踏み入つた頃、その上を飛行艇がゆらゆらと姿を現した。双眼鏡で覗いてみると美しい金髮の令孃がその船窓を叩いてゐる。ブリジットと海がそれを見上げて指差した。
「あれ、挿し絵にあった奴に似てない?」
『やっぱりストーリー通りに進んでるんだね』
飛行艇はゆつたりと動いてゐるが、止まつてゐるわけではない。海はハッとして二人の肩を叩いた。
『って急がないとまずくない?』
海はきよろきよろと辺りを見て飛行艇に這入るすべを探すが、中々見つからぬものである。停止しかけた思考の前に高く聳え立つ凌雲閣見えて、指差して二人に示す。
『円ちゃん、かべだよかべ! かべを走ろう!』
「壁ね、オッケー」
讀者諸君には荒唐無稽に思へるかもしれないが、世には不思議なこともあるものである。海、ブリジット、円の乘つた二輪は凌雲閣の外壁を轟音立てて走り天高く昇つていつた。中を歩く客人が、窓から三人の乘るそれを見て大口開けて驚く。
「ところで、円、あなたって単車の免許もってた?」
その金髮靡かせてゐるブリジットが、ビュウビュウと吹く風の音にも負けぬ大聲で叫んだ。円も彼女の力強い大聲に負けぬ聲量で返す返すかう言ふ。
「無いよ!」
堂々としたその聲に、ブリジットはなんてこともないやうに呟いた。
「まぁ、知ってるけど」
『おやくそくだよね』
そうこうしてゐればもう頂上と云つた工合で、円は先程よりもまして強く強くハンドルを握る。大きく傾きながら二輪は高く飛び上がり、風を切つて飛行艇に向かふ。
「いけるかしら!?」
然し不運なことに二輪は引力に負け落ちようとしてゐた。苦境にも負けず、円は二人を抱へ上げグッと足元の二輪を蹴る。スヰッチの入つたパワード・スーツが、蒸氣を噴き上げて円を持ち上げた。
「大丈夫、ゲームでは成功した!」
『円ちゃん、がんばって!』
敢へて危險を冒す円へ神からの祝福か、それとも彼女の生來の幸運によるものか。ともあれ三人とも無事である。ガラスを派手に破りながらも、三人は飛行艇の内部へと這入つた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
六原紀伊
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
冒険
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月29日
参加申し込みの期限
2017年11月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年11月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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