にゃんこのがっこう、はじまるよ～！｜リアクション

にゃんこのがっこう、はじまるよ～！

　寝子島のとある原っぱで。今日もにゃんこの学校が開かれています。

「これから、『人をメロメロにするテクニック』の講義を始める。これは全ての基本になるから、皆、しっかり聴くように」
「「「は～い！」」」
　スカイ先生の言葉に、たくさんの生徒達は元気に答えます。

　スレンダーな三毛猫のイツキ（新田樹）は背筋を伸ばして先生を見ています。その姿はまるで明るい福を呼ぶ招き猫のようです。
　どうやら彼女はこの後行われる実習で『ご飯にありつくためには』を選ぶようです。そのためにも、基本の講義もしっかり聴こうと意気込んでいます。

　前の方の席にはグレーがかった短い毛足をもつ小柄なにゃんこ、ティクス（ティクス・ソル）です。黒々とした目がとてもキュートですが、尻尾が少し細いこともあり、何となく……鼠に見えなくもないです。お陰でスカイ先生は彼を見る度一瞬ハンターの目になってしまいます。

　ちょっとそわそわと落ち着きなく座っているのは、赤毛のにゃんこロベルト（ロベルト・エメリヤノフ）です。
　彼もどうやら実習は『ご飯にありつくためには』を選ぶようです。早く実習に行きたくて……早く人間の可愛い男の子達に会いたくて、うずうずしているようです。

　そんな彼の隣で優雅に毛繕いするのはタツキ（檜山立樹）です。何だか大人の色気が漂う黒猫のタツキ。厳しいスカイ先生と女子の人気を二分しているとかいないとか。彼は実習で一体どんな人間に出会えるのか、今からわくわくしているようです。

　そしてタツキの後ろでクカーと余り隠そうともしない寝息が聞こえます。キランとスカイ先生の目が輝き、一直線にチョークが飛んできました。勿論タツキは笑顔でそれをさっと避け、チョークは見事に机に突っ伏して寝ていた子猫アンズ（東条あんず）の頭に当たりました。
「ふえ～、何だわん？」
　赤紫の可愛らしい瞳をこすりこすり、アンズが顔を上げます。ギラリとスカイ先生の目が光りました。
「『わん』だと？」
「ひゃっ！　違う違う！　『にゃん』です！　『にゃん』！」
　アッシュの毛並みを逆立てながら、ぶんぶんとアンズは首を振ります。どうも元気な彼女は、にゃんこなのによく『わん』と言ってしまうようです。不思議ですね。

　まだまだ、たくさんのにゃんこ達がわくわくとスカイ先生を見ています。さあ、いよいよ講義が始まるようです。

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