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【実習】
天気の良い寝子島を、のんびりと散歩する人物がいました。
スハイル・アルムーリフ
。ほしびとです。
金色の瞳と、毛先に従って白くなる、やはり金色の柔らかいウエーブがかった髪の毛がきらきらとお日様に当たり、輝いています。スハイルは空を仰ぎ、眩しそうに目を細めました。
(ああ、本当に気持ちの良い所ですね)
盗賊『十二支団』の団員の彼は、たまにふらりと寝子島に誘われるように飛ばされます。それが何故かは分かりませんが、そういう時には彼は慌てず騒がず、こうやってぶらぶらとこの不思議な世界を見て回ったりするのです。せっかくですものね。
色々珍しい景色を楽しみながら、スハイルは街を散策します。すると、何だかじっと見られている気がして、スハイルは思わずパッと背後を振り向きました。さすがは盗賊、用心深いです。
しかし、振り向いてもそこには誰もいません。
(おかしですね、確かに視線を感じたのですが……)
スハイルが首を捻っていると、足元からにゃーんと声がします。おやと思い視線を落とすと、彼のすぐ傍で、いつの間にかグレーの小柄な猫がちょこんと座っておりました。
(さて、習ったことを試すべきなんだろうが……問題は誰にしかけるかだ)
にゃんこ学校の生徒であるティクス(
ティクス・ソル
)は、午後になると商店街に出向き、物陰に隠れでじっと道行く人間達を観察しておりました。
ティクスが実習で選択したのは『人をメロメロにするテクニック』。なぜかというと、ご飯にありつくのは、彼にとっては割と簡単に思えたからです。さすが盗賊団団長……いえいえ、今の彼はただのちょっと鼠っぽいにゃんこです。
ターゲットについて、ティクスはふむと考えます。
(どうせなら撫でるのが上手そうな奴がいいな)
ティクスはぬかりなくその黒々した瞳で通りの観察を続けます。するとふとその視線がある人間に留まりました。
それは線の細い、男か女か分からないような人間でしたが、ティクスはちょっといいなと思いました。
そのお日様にきらきらと輝く金色の瞳や髪も素敵でしたし……何よりなんだか不思議と落ち着けそうな人間だったのです。
どうしてそう思ったのかは分かりません。けれどもティクスは自分を信じることにしました。
(アイツにするか)
ティクスは音もなく腰を上げると、獲物を逃さぬように彼の背後に忍び寄りました。
ティクスがちょっとだけ驚いたのは、その時その人間が突然振り向いたことです。気配を消した猫に気付くなんて、なかなかです。
(見た目よりも油断の出来ないヤツだな)
ティクスは見当違いの方向を向いて首を捻っている彼を見ながら思いましたが、そのまま実習は続けることにしました。彼に近付いて分かったのですが、やっぱり不思議と落ち着けるのです。
(さて、実習開始だ)
ティクスはターゲットに合図を送るべく背筋を伸ばすと、彼を見上げてにゃーんと可愛らしく鳴きました。
スハイルは驚きをもって小さな灰色猫を見下ろしていました。
(おやおや、私の背後をとるとは)
盗賊団では斥候を担当するスハイル。気配に敏感でなくては務まらない役割なはずのですが。
何だかただならない猫の出現に、スハイルは気を引き締めます。するとその猫は気持ちよさそうに彼の足に頭をこすりつけると、またにゃーんと可愛らしく鳴きました。
(……ずいぶんと人懐っこい猫ですね)
その愛くるしく足元にまとわりつく姿にスハイルはふうと息をつくと、自分自身に苦笑しました。ただならない猫なんて……どうやら考えすぎたみたいです。
「ふふ……君はなんて名前ですか? オスかな、メスかな?」
そう言うとスハイルは、ひょいと猫を持ち上げて確認しました。猫はびっくりして彼の手の中で暴れます。そして彼の手から逃れると、フーッとスハイルに唸りました。
「オスなんですね。ごめんごめん。いきなりでびっくりしました?」
スハイルは猫を見つめ、楽しそうに微笑みました。
ティクスは実習も忘れて思わず唸ってしまいました。だってこの人間、いきなり大事なトコロを覗いてきたのです。
(な、な、何なんだ!)
唐突な行動とそれを避けきれなかった悔しさに、ティクスの短い灰色の毛が逆立ってしまいます。
それでもハタと当初の目的を思い出したティクスは、ふるふると頭を振りました。
(いけないいけない、冷静になれ)
きっと今もどこかでにゃんこ学校の卒業生達が自分を見張ってるに違いないのです。ティクスは何事もなかったかのように顔を手で一撫ですると、また金色の髪の人間に近づき、すりすりと頭をこすりつけました。
すると人間がまた両手を差しだしてきました。ティクスは今度は注意深くそれをするりと避けます。
(まだ、だぞ)
ティクスは不思議そうな顔をしている人間を見て、また一声にゃーんと鳴きました。そしてゆっくりと路地裏まで歩くと、また彼を見つめ、誘うようににゃーんと鳴きました。
(おざなりに撫でてもらっては困る。しっかりと可愛がらせないと、合格できないからな)
ティクスはひたと挑戦的に人間を見つめます。さあ、俺を撫でたければ―――来い。
何とも不思議な行動をする猫に、スハイルは首を傾げました。
ちょっと意志の強そうな灰色猫。じゃれてきたのでお腹が空いたのかとも思ったら、するりと自分の手をすり抜ける。それなら逃げるのかと思ったら、誘うように自分を見つめ、可愛らしい鳴き声を聴かせる。
スハイルはくすりと微笑みました。あの灰色猫を見ていたら、なんだか『十二支団』の子ども達のことが頭に浮かんだのです。
彼自身はもう314歳ですが、団にはまだ小さな子どもの団員もいます。やんちゃな彼らは構って欲しい時に、こんな風にちょっと素直じゃない行動を取ることがあるのです。
(しょうがないですね)
スハイルは優しい瞳で猫を見つめ返すと、そちらに向かい歩き出しました。
あなたは構って欲しいのですか? ならいっぱい構ってあげましょう。あなたの可愛らしさは気に入りましたし、それに少し……あなたを知っているような気がします。
何ででしょう。猫には知り合いはいないはずなんですけど。
こちらに向かってきた人間を見て、ティクスは得意そうにヒゲをピンと伸ばしました。人間との駆け引きに勝ったのです。
(よしよし)
ティクスはすぐ傍まで来た人間の足の間を八の字にゆったりと回ると、自分の頭を差し出してやりました。さあ撫でろといわんばかりに。
その仕草にスハイルは驚きましたが、お望み通りに灰色猫の頭を優しく撫でました。
これはきっとこの猫からの『触っていいよ』の合図。許可が出たので……存分に甘えさせてあげましょう。
そしてスハイルは、額やヒゲの周りなど、猫の様子を見ながら丁寧に優しく撫でてあげました。
(これは気持ちいいな)
人間の優しい手つきにティクスはふにゃんとした心持ちになりました。
額を撫でられると夢心地になり、思わず目を閉じてしまいそうだし、しっぽの付け根を触られるとむずむずして、腰をゆらゆらと動かしてしまいます。けれども、払いのけたくなるような不快感はありませんでした。
(何だコイツは……撫でるのが物凄く上手いな)
ティクスはとろんと考えます。いつも甘えさせるのが常な自分なのに、どうしてか甘えたくなる。それはまたたびを与えられた猫の如し。
ティクスは少し酔ったように頭を振りました。いや……何を言ってるんだ、俺は猫なんだから問題ないじゃないか。
何だか思考が不思議な交錯を起こしているようです。しかし人間の柔らかい手に、ティクスは考えることすらめんどくさくなってきました。
とても、気持ちいいんだ。それに、コイツからは物凄く安心する匂いがする。寝床の匂いと同じ匂いだ。
とうとうティクスは人間に撫でられながらゴロンと転がると、その柔らかいお腹を見せながらふにゃふにゃと力を抜きました。
ティクスは夢見心地で思っていました。寝床の匂いは俺のテリトリー内ということ。それなら……こいつになら、少しくらい野生を放棄してもいいだろう。
とうとう自分にお腹を見せた猫に、スハイルは嬉しそうに微笑みました。
なんて可愛らしい猫でしょう。さっきのちょっと警戒した感じも良かったですが、こうやって甘えてくれる姿も可愛らしい。
スハイルは、ふと誰かを思い出しそうになりました。普段は抜け目なく冷静なのに、仲間にはとっても優しい誰かを。けれども……うまく思い出すことは出来ませんでした。
「……私は誰を思い出そうとしたんでしょうかね」
スハイルは苦笑しながらひょいと目の前の猫を抱き上げました。私が気に入っているのはあなたの可愛らしさ。あなたが気持ちよさそうに甘えてくれるなら、私はとても嬉しい。
スハイルは猫を優しく抱いてやります。すると灰色猫は沢山撫でてくれたお礼だといわんばかりに、スハイルの手や顔をぺろぺろと舐めました。
(ふふ……お気に召しましたか?)
スハイルは猫のお礼をありがたく受け取りました。そして小さく猫に言いました。
「首輪がないなら、あなたは野良ですか? もし私の手が気に入ったなら……共に生きましょうか?」
灰色猫は黒々した瞳でじっとスハイルを見ていましたが、いいよと言うようににゃーんと鳴きました。
「……ありがとう」
スハイルは、猫の鼻に優しくキスをしてやりました。
その様子をじっと物陰で見ていたにゃんこ学校の卒業生。
「人間もなかなかのテクニシャンだったようだが……うん、良くやったな」
『合格』のハンコが、ティクスの評価票に押されました。
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担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月25日
参加申し込みの期限
2017年11月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年11月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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