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修学旅行、寝台特急で行こう北海道!
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●桜咲くキムンカムイ牧場
「嘘みたい。本当に桜が咲いているのね」
地上と、山腹のキムンカムイ牧場を繋ぐロープウェイを降りた瞬間、フランス生まれの
アリア・E・ドラクロワ
はそんな感激の声を漏らした。気温は22度ほど。天気は快晴。地元の人によれば、5月の末でこんないい天気めったにないんだからね、ということになる。
壬生 由貴奈
も北海道の空気を味わいながら、のんびりと言った。
「まだここには春があるんだねぇ。関東よりひと月、いや、ふた月は季節が遅いのかもしれないねぇ」
それから由貴奈はポーチの中から取り出したクッキーをひとかけ齧った。
「ところで、この、山中にリリリと響くような、涼やかな虫の音はなんだろうねえ」
その疑問に答えたのは
アネモネ・アドニス
だった。
「きっと春蝉ですわ。北海道のこのあたりでは、5月の末から6月にかけて、エゾハルゼミが見られるらしいと本で読んだことがあります」
「春蝉かぁ。春と秋とがいっぺんに来ているようで、なんだか不思議だねぇ」
スケッチブックを手にした芸術科の
風間 舞子
は、早くも絵の構図を求めて、両の手の人差し指と親指でファインダーを作って景色を覗いている。アネモネがそんな舞子に声を掛けた。
「風間様、折角ですから、まずはあちらの『人のオリ』を見学してみませんか」
みなさんもご一緒に、とアネモネに誘われ、3年生女子御一行様は揃って「人のオリ」へと向かう。
「人のオリ」は、キムンカムイ牧場の名物のひとつだ。岩場を模したクマ山の内側に設えられたトンネルのような空間で、ガラス張りになったトンネルの両側から、熊の様子を間近に見ることができる。熊から見れば、人間の方が檻の中に入っているかのように見えるので、ユーモアで「人のオリ」と名付けたのだろう。
巨大な熊が、ガラス越しに鼻を押し付けている。顔の大きさなんか、少女たちの倍はあるかもしれない。この頑丈なガラスがなかったら、人間なんてひとたまりもないだろう。なにせ熊は、北海道の食物連鎖の最上位に位置するといってもいい生き物なのだから。
「誘ってくれてありがとう。一人では怖いから誰かと一緒に入りたいと思っていたの」
アリアはアネモネの制服の裾を掴みながら礼を言った。
一方、舞子は全く動じていなかった。動じていないどころか、すこし茶色味がかった熊の毛色と自分の髪の色が似ているので、なにやら親近感が湧いてきたようだ。
「ほう……人がオリとは変わった……熊にこんなに近づけるのは、他にはないかもしれないねぇ」
舞子と目が合った熊が、餌をくれ、とばかりにガシガシとガラスを叩いた。
「大熊は迫力があるが……ほら。……ははっ、中々可愛い顔をしているじゃないか」
舞子は笑った。普段は無表情で飄々とした雰囲気の彼女も、笑うと年相応の少女らしい顔つきになった。
アリアが、隅に置かれているクマクッキーの自動販売機を指差して言った。
「餌やりにもチャレンジしてみたいわ……だ、誰かと一緒に!」
「クッキーならいっぱい持っているよ」
クッキー先輩の異名も持つ由貴奈がそんなことを言うが、アネモネがやんわりと止める。
「きっと熊さんの健康には、クマクッキーがいいんですわ。一袋買って、みんなであげてみませんか?」
もちろん、みんな賛成である。
◇
アリアが、クマクッキーをひとつ、人のオリの中に開いている小さな穴の中に転がす。この穴は表のクマ山へと繋がっていて、クッキーは穴の傾斜の中をころころと転がってゆく。熊の方もよく勝手を知ったもので、人間が穴の前に立ったのを見るや、すかさず穴の出口で待ち構えて、クッキーを見事にキャッチ!
「あっ、食べたわ!」
あまりに面白いので、アリアはいくつもその熊にクッキーをあげてしまった。
そのときだった。
別の穴から餌をあげていたアネモネが、ふと声を上げた。
「ねえ、みなさん。なんだか……あの熊、おかしくありません?」
みんながアネモネの指さす方を見る。
――その熊は、別の熊に、ヘッドロックをかましている。
「……き、気のせいかしら。……私なにやら、あの熊さんに、見覚えがあるのですけれど……」
アネモネは額に手を当てる。そう、あれはたしか、猫鳴館で……。
思考がまとまるのを待たず、くだんの熊が、アネモネたちに大きく手を振ってきた。
その毛並みの下には、人間の顔が埋まっていた。
「……しっかしあれだな、やっぱりここの熊は人間慣れしているな」
熊皮を被った
邪衣 士
はクマ山から出てくるなりそう言った。
「ヘッドロックするとノリノリでギブアップのポーズをとってくれる」
いやいや、そういう問題じゃないだろ、と女子一同は言いたかったが、士が話の先手を取った。
「え、なんでクマ山にいたのかって? うーん、久々に北海道に里帰りしたのはいいんだが、迷子になってしまってな。何故かこのキムンカムイ牧場にたどり着き、そのまま熊皮を着てさまよってたら何故かクマ山の中に、な……」――恐るべし迷子体質――「アイツ等からは半分仲間だと思われる始末だし、仕方がないからプロレスして係員さんが来るのを待っていたら、いつの間にかボスみたいになっちまったわけで……」
おいおい。と一同は胸の中で突っ込む。
「ところで先輩たちはどうしてここに?」と士は訊ねた。
修学旅行だよぉ、と由貴奈は士の口にクッキーをねじ込みながら答える。
「もぐ、もぐ……修学旅行!? だったら一緒に連れて行ってくださいよ! 寝子島まで迷子にならずに帰れますし……むぐっ……もぐ、もぐ」
由貴奈にもう一つクッキーをねじ込まれ、士はしばし口を閉ざす。……もしかしたら由貴奈はまだ、士と熊の区別がついていないのかもしれないが……。
「先輩、これ美味いですね」と士は言った。「ところであっちでアイヌ体験できるみたいなんで行ってみません? え? もう熊だろうって? 気にしない気にしない」
◇
さて。
ここにクマ山を見下ろしながら途方に暮れている人物がひとり。
ゆうべ、北斗星の車内でトランプに負けた
橘 敦志
だ。
「熊先生か熊にキス、だと……?」
敦志の苦悩はそれだけではなかった。
「むっふぅ! 熊せんせーとキスをする男子生徒!? BL展開だね! 萌え上がるね!」
ぴょっこんぴょっこんと飛び跳ねながら
桃原 空音
が付きまとっているのだ。
「だあっ! 熊先生とキスはしないから!」
「ええっ、じゃあ熊とキス!? やだやだぁ! 男が廃るのだ! 情けないのだ!」
「廃らないし情けなくない!」
「熊せんせーと濃厚なちゅーしてくださいよ! そしてこの後熊せんせーとイケナイ関係に……!」
空音が体をくねらせる。もちろんセクシーな雰囲気はない。ただ怪しいだけだ。
「誰かっ! 助けてくれ! 天野、こいつの手綱握っとけよー!」
天野の姿はなかった。彼は3年生たちに付かず離れず同行していたが、財布と携帯しか持たずに旅に出る羽目になったので、着替えなどを買うためキムンカムイ牧場はパスしたのだ。
助けて! こいつに押し切られて熊先生とキスだけは勘弁だ! 敦志がそう、天の神――アイヌの神かもしれない――に祈ったそのとき!
「あー。桃原いい加減にしとけ」
神が現れた!
熊の神だ!
「先輩、ウチの桃原がすみません。俺がちゃんとシメときますんで」
熊の神は友人の空音の頭をぐいっと押さえ、お辞儀をさせる。
「ええー? 士くん、こんなところで何してんの?」
「話はあとだ、とりあえず謝っとけ」
そんなふたりのやりとりなど、感動で聞こえなかった敦志は、熊の神にこう嘆願した!
「すいません、キスさせてください!」
――こうして敦志は無事、熊とキスすることができた。
もちろん、士が被っている熊皮の熊と、である。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
29人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年06月19日
参加申し込みの期限
2013年06月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年06月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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