this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【星幽塔】第二階層 廃墟に哭く声
<< もどる
1
…
7
8
9
10
11
…
15
つぎへ >>
「やっと、元凶にたどりつきましたね……」
リリエルが低くつぶやく。
「お前だなっ! 許さないぞぉ!」
闇に向けて、メリィが見栄を切った。
広々とした空間には、いかめしい機械類はない。
肘掛け椅子、書き物の机、寝具。
ひどく埃をかぶりっているが、ごく普通の家具。
人間だけが消え去って何百年も閲したような、たしかにここで人が生きていたという感触があった。
その真ん中に、銀色の長い髪をぼんやり光らせ、黒いドレスに身を包んだ少女。
黒いローブが、その貌を隠している。
つと立ち上がり、ローブの下から皆を見回す。
(すぐには、攻撃を仕掛けてこないみたい……)
お互いの出方を測りかねて、動揺が走る。
いきなり戦いが始まってしまえば、それはそれでやりようもあるが、相手が全く攻撃を仕掛ける気配はない。
(説得を試みる人がいるのなら、止めないけど)
戦輪を準備しつつ、夏朝は周囲を伺う。
「黒いローブの下が気になるけど、顔は見れないのかな?」
不意に均衡を破るのは、朗らかで明るいミーティアの声。
ふわりと近寄って、ローブに手を掛ける。
さっとローブを払うと、その下からは血の気のない少女の顔。
彫像のように整っていて、およそ生命感というものがない。
それでもその顔は、美しいとも愛らしいとも言えた。不気味なかわいらしさ。
「水色のリボンとか、似合うと思うの」
「……私に、ですか?」
怪訝な顔を向ける少女。
「私、あなたと仲良くなりたいな」
邪気のないミーティアの言葉に、少女が首をかしげる。
ニッコリと笑顔を向けるミーティア。
呪縛を解く、暖かな思いやりがそこにあった。
「優しい……」
少女の顔も、笑顔に彩られ、
そしてその笑みが、耳元まで裂ける!
「――その優しさに、日本中が泣いたああああわあああああああ!!!!!」
甲高い音響に、誰もが耳を塞ぐ。
とめどなく響き渡るバンシーの哭泣は、聞く者の魂を抉り、その生命力を啜る。
塞ぎきれない声が頭蓋で反響し、たまらず数名が膝をつく。
その隙に乗じ、上空から実体化したゴーストが、一同に襲い掛かる!
「そうはいかないのですっ!」
果敢にも躍り出るのは美咲紀。
天使の翼の意匠を付けた杖を振りかざすと、エメラルドの光が満ち、唐草が渦を巻いて絡みついた。
「魔風の光!」
声とともに、空気が渦を巻く。
見えない壁がゴーストの侵攻を止める。
美咲紀は笑う。が、その顔から焦燥の色は隠せない。
歌対策にあらかじめ耳栓をしておいたおかげで、かなりの程度減殺できたものの、やはり魔力のこもった声、完全に防ぎきれるわけではない。
――それでも、読みが当たっていれば。
再び杖に力を籠めると、空気が一際大きく震えた。
まるで分厚い襞に覆われたように、バンシーの声がくぐもる。
読み通り。
歌声も、結局空気の振動が伝えるモノ。
ならば、魔風の力で空気を細かく振動させれば、バンシーの歌を無効化できる。
「皆、バンシーに近づくのです!」
一同に呼びかける。
相手の力も馬鹿にできない。空気の膜は、短時間しか持たない。
彼女の言葉に応えるように、迅速な影が一つ、美咲紀を守るようにゴーストの群れに躍りかかった。
蛇腹剣を構え、鋭く気合を発すると、沈黙の幕が下りる。
無音の中で斬撃が乱舞し、骸骨が微塵にはじけ飛んだ。
風の力を選んだサキリ。
幾多の戦場を駆けた兵、結論は美咲に同じ。
風の幕を張り巡らして、バンシーの音を封殺する。
耳栓も備え、完璧なサイレンス。
無音の中、まるで加速再生したかのように切り伏せられる化け物たち。
しかしそんな凄絶な乱舞を目の当たりにした者は、剣撃の鮮やかさに見惚れつつも、サキリの目に宿る光に引き付けられずにはいられない。
冷静で、どこか哀し気にバンシーを見つめる目は、けして戦いに酔う者ではない、真剣なものだった。
(あの死霊は……何を悲しんでいるのだろう?)
それを知りたい。
先刻のミーティアのみならず、バンシーとの戦いに臨む者たちの心の中は一様ではなかった。
第二階層にアンデットが巣食う理由を探している者。
背後関係を疑う者。
死霊たちの境遇に、少なからぬ同情を抱く者。
長い蜂蜜色の髪を振って、由貴奈は弓の照準をバンシーに合わせた。
いろいろな感傷はあるだろう。思うところもあるだろう。
だが、自分にできることをしなければならない。
説得は失敗したのだ。当面、此方の言葉を聞く意思はないものとみていい。
「ごめんねぇ、鎮魂歌もあげられなくって。でも、洪水を起こされちゃたまらない」
構えるのは、まるで芸術品のように優美なクロスボウ。
地上には存在しない鉱物を使用し、けた外れの強度としなやかさを得た射出体。
射出する矢に、流星の軌跡を与える『メテオ・フロウ』
力づくでも泣き止んでもらうよぉ――」
鋭い射出音が、滞留する空気を引き裂く。
軌跡が尾を曳き、過たずバンシーの肩先を捉える。
湧き上がってくるゴーストにも、次々に矢を打ち出す。
続けて亮が飛び出し、燃える拳でバンシーの顔を捉えようとする。
ふわりふわりと浮遊するバンシーは、容易に顔を狙わせようとしない。
低く歌を唸り続けながら、亮の拳を躱す。
(くっ……)
全身が急激に倦怠に支配されるのを感じた亮、一時撤退を試みる。
背を狙うゴーストを切り伏せるサキリ。軽く頭を下げて礼を言い、美咲紀の治癒を受ける。
ここに至って、夏朝もためらわない。
戦輪を構え、バンシーをけん制する。
バンシーの声とともに、時計塔が揺れるのが気にかかる。
脳裏に浮かぶのは少年の姿。
(塔が壊れたら――アヴィケンナ、悲しむから)
「いきなり歌うよ、っていうのも困るよね」
眉を寄せるミーティア。仲良くしたい気持ちもあるけれど、この状況を何とかしなければ。
歌の届く範囲の者は、軒並み生命力を奪われる。
奪った生命力を使用し、ゴーストを召喚してくる。
俊敏で動きが予想できず、此方の攻撃も容易に当てることはできない。
予想以上の難敵と言ってよかった。猪突猛進では、全滅もありえた。
(これが、バンシーの……)
思わず膝を降りそうになる悠月。
(耳を塞ぎたくなるような声だな……)
音楽に敏感な悠月、狂った音響はそれだけで拷問に等しい。
滴り落ちる汗を拭い、深く息を吐く。
――バンシーの嘆きは、死の予告だったか……。
「悲しくて、悲しくて、震えるうううううううううう!!」
バンシーの叫喚とともに、激しく時計塔が揺れる。
嘆きの渦で大波を呼び、その死者を嘆こうというのなら……。
「そうはさせない――」
バンシーに対峙するように、堂々と佇立する悠月。
その心に思うのは騎士の姿。
水路を行く人々を守る守護者。
――誰一人傷つけない。
――お前が死を嘆くのなら、その嘆きの原因を取り払ってやろう。
<< もどる
1
…
7
8
9
10
11
…
15
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【星幽塔】第二階層 廃墟に哭く声
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
ぱーすぺ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月14日
参加申し込みの期限
2017年10月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!