【星幽塔】第二階層　廃墟に哭く声｜リアクション

【星幽塔】第二階層　廃墟に哭く声

　健やかな肢体を伸ばし、桜が溜息を洩らした。
　無駄な肉のないしなやかな身体に、さらさらと温泉の湯が寄せる。
　第二階層温泉フロア、遺跡の見える戦国風呂。
　朝風呂が解放され、戦いの終わった一同がくつろいでいた。
　一晩中眠らずに戦い続け、海水でずぶぬれになった。
　疲労がゆっくりとほぐされ、寒さでこわばった筋肉が賦活していく。
　極楽気分だった。
　
「はふ～、ぽかぽかごくらく！」
　温泉から突き出た尻尾を揺らしながら、メリィが声を上げた。
「はぁ～、やっぱり温泉はいいですね！」
　リリエルも羽先をぐっとストレッチして、満足の声を漏らす。
「濡れて冷えた体が、ぽかぽかあったまります」
　一同が頷く。
　今回の戦いも大変だった。
　まだいろいろな裏事情があるみたいだ。
　けれど、今回は水路橋も守れたし、時計塔も無事だった。まずまずの戦果だ。
　バンシーも、あれが正解かどうかわからないが、できるだけのことはした。
　――きっとどこかで、繋がっている。
「温泉でくつろぐぞ！」
　ミーティアの声に、全身を桜色に染めたプニが水面を跳ねた。
「～～♪」
　静かに温泉につかりながら、今回の戦いを思い出すシルヴィア。
「皆無事でよかったの～！　ステラは心配で、生中もろくに飲めなかったの～！」
「その代わり焼酎を飲んでいたの？」
「でも、みんなならやってくれると思っていたの。
　すごい戦果だったと思うの。特別ボーナスもあるらしいから、是非うけとってほしいの」
　ステラの声に、一同が快哉を叫ぶ。
「Barアストラルに戻ったら、マスターに依頼の報告をしないとね」
「メリィちゃん、風邪をひかないようにしっかりあったまっていきましょうね♪」
「温泉のあとにはビールだよね！　久しぶりに歌って喉が渇いたし」
　聖歌をうたって乾いた喉をビールで潤す、ミーティア以外には不可能な無敵の発想だ。
「そうそう、私たちも乾杯しましょう！」
「おおっ、乾杯いいね！　しよしよ！！」
「温泉の最中には日本酒なの！」

　お猪口と徳利ののったお盆が、ぷかぷかと浮いてくる。
　温泉に浸かりつつ、日本酒を煽る。
　一発で酔いが全身に回るジャンキーのような飲み方を、星の精霊は体得していた。
　
「まずはこれで乾杯、そして上がってから、改めてビールで乾杯なのー！」
「一同、お猪口はまわりましたかー！」
「今日はごくろーさまっ！」

「「「かんぱーい！！！」」」
　
　
　朝湯と朝酒の許された空間。
　退廃の極致。
　これから大広間で飲みなおす算段をする獣人たちを、桜は毒気の抜かれた顔で見ていた。
　
　
　靄の向こうに広がるのは、第二階層のほぼ全域を占める海。
　

　そこでかつてなにがおこったのか。
　いかなる思いが、そこにうずまいていたのか。
　答えるものは、いまはいない。
　

　第二階層の日盛りの海は、平穏を湛えて、静かに波を打ち寄せていた。

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あとがき

担当マスター：ぱーすぺ
ファンレターはマスターページから！

ありがとうございました！
結果は以上のようになります。
リアクション中にもありましたが、機械系アイテムは、いずれ用途が現れるかもしれません。
（それ以外の用途で使ってしまってもいいです。歯車で背中のかゆいところを掻くとか）
心情寄りのアクションが多く、若干マスタリングをおかけした部分がございます。
ご理解いただければと思います。
まだまだ謎の多い第二階層ですが、是非また皆さんと冒険を楽しめたらと思います。
また機会がありましたら、ぜひご一緒に遊びましょう。

共通入手アイテム:
・錆びついた時計
星の力で動いていたもよう。
現在は動作しない。
(アリス・シルヴィア、サキリ・デイジーカッター両氏のプレイングにより入手)

・アクアマリン鉱×2
純度の低いアクアマリンの含有された鉱石。
鍛冶屋の材料として使用可能。
(アヴィケンナからの特別成功報酬)

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