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【孤独を救う、救われる】
新緑に入れ替わりつつあった寝子ヶ浜海浜公園に、とても穏やかな陽光が降り注ぐ。
「ふふ……今日のような日差しも趣がありますね」
アケーチはいつもここ寝子島で、寝子ヶ浜海浜公園に
公園に散歩しに来る人の似顔絵を描きに
来る。
それは寝子島にて、アケーチが己の『アーティスト』の心と技術を用いてできる、今唯一の絵描きの仕事であった。
準備をしてからしばらく。
ゆっくりと。アケーチの目に、杖をつき歩くかなり年配の男性の姿が目に入った。
「(おや、愛らしいお爺様)」
アケーチは職業病に近い感覚で、ほんの数秒、老人の人となりを目に留める。
穏やかな物腰、ゆったりとした動き。
そして『ほんの少しの違和感』──
「もしお時間ありましたら、似顔絵でもいかがですか?」
僅かに胸が高鳴った。
その違和感の理由は、絵を描かせてもらえれば分かるかも知れない。
なるだけ、驚かせないように掛けた言葉に、
「そうだね。ではお願いしよう」
老人は、外見相応の穏やかさでそう答えた。
◆ ◆ ◆
老人を描くのに、最初の絵の色相を決める為、その顔と雰囲気をじっと見る。
──今度は、明らかに心臓の鳴る音がした。
「これは……!
あぁ、その力強い眼差し、素晴らしい……!」
アケーチの胸を最初に打ったのは、老人がこちらへ正面から顔を向けた時の、その眼光だった。
ただの温厚円満な人生では刻まれない、正面に向けられて初めて分かる、隠されていた瞳の輝き。
「あぁっ、もうずっとこうして見つめられていたいですね。ふふ……っ」
手は止めず、しかしアケーチは躊躇いなく恍惚の眼差しを隠そうともしなかった。
説明が遅れたが、アケーチは生粋のM系道を突き進む変態である。
しかし──老人はその言葉に少し驚いた様子を見せてから、一気にそれを破顔一笑させた。
「そうかね──?
いやなに、仕事も何も、とにかく嫌われる事の多い人生でね、私の目を見てそう言ってくれたのはおまえさんが初めてだ」
「ふふ、お爺様からこんなに熱烈なお言葉をいただけるなんて、私も生を受けて初めてです……っ! あぁっ」
うっとりとした蕩けるような表情に、含み笑いにも悶えを交えつつ。それでもアケーチの手先は止まらず、物凄く細やかに相手を写し取っていく。その魔法のような様子にも、老人は驚いたように目を向けていた。
そのような会話の端々に『心の荒縄が締め付けられるようで』や『チャームポイントはプリ尻です』などの語句が並ぶが、その度に老人は引くどころか楽しそうに笑って見せる。
めまぐるしく変わる話題を楽しみながら、お互いに会話を繰り返す。
「え、そのお歳まで、ずっと仕事を──!?
凄いです。ええ、凄いです! 私などまだ根無し草ですから……!」
会話の合間。アケーチはほしびとの為、現在『801歳』という跳ね飛んだ高齢ではあるが、ここは伏せておく。
「いやいや……私などは五十年間、がむしゃらに社会につとめ続けただけのただの老人さ」
「ご隠居さんなんですね。企業戦士生活お疲れ様でした……!」
しかし話をすればするほど、アケーチの目には、老人の外見印象を忘れるほどに、とても若々しい壮年さを錯覚させる。
「まるで明るい陽光の似合う、太陽のような方ですね。
ふふ──それでは、こちらで如何です?」
その感想を乗せて、一端話を区切り。
アケーチは老人にそっと、全てを一枚に刻み終えた画紙のボードを差し出した。
それは、寝子島に来て最初に描かせてもらった女性のタッチとは違う、それはまるで生きた彫刻を写し取ったような力強さを持ち合わせていた。
力強い気概、太陽に向かう眼差し。
外見は確かに正確に老人を写し取っていた。それでも尚伝わる、潜め収まる猛々しい獅子のような気迫。
「これは──」
老人がその絵を見て、軽く言葉を詰め俯いた。
「? お爺様、どこかお加減でも……?」
「……おまえさんは……『人の持つ素養』を見つけるのがとても上手いのだね。
忘れていた気持ちを──思い起こさせてもらった」
それだけ告げて、老人が指で軽く目蓋を拭いて顔を上げた。
その表情はもう出会った直後と変わらない。
「そうだ、お代はいくらかね?」
「あ……はい、お気に召して頂けたなら言い値で……ですが、素敵なお時間を過ごさせていただいたのでお代は結構で──」
「今日は散歩中で、本当に持ち合わせがないのだが、これでどうかね」
老人は手にした長財布から、札入れの部分にあった紙幣全てを、ぽんとアケーチに差し出した。
とっさに手に取ってしまったアケーチの手の中。その明らかに一センチ以上の厚みのある束の種類は、全て一万円札──
「……あの、これはこの世界では大金かと……?」
アケーチが目を丸くして、手の中と老人を見やる。
ほしびとのアケーチにも分かる。これは本来、似顔絵一つでもらえる金額ではない。
「ふむ……
それでは、おまえさん。油絵の肖像画は描けるかね?」
「え、ええ……心得はあります、が……?」
「今は、親戚がたまに遺産相続について押し掛けてくる程度の家だが……近いうち、いや本当はすぐにでも……私の家で肖像画を描いて欲しいんだが、どうかね。金額はもちろん別途出そう。
またその合間に、今日のような世間話でも、何でもいいから聞かせてほしくてね。
おまえさん、名前は何と?」
「ア……明智、と」
「そうか、明智さんか」
──老人は「予定が空いたらいつでも連絡して欲しい」と、住所と連絡先を伝え、アケーチがそれを全て控えたのを確認して、
「ありがとう」
と、心からと分かる言葉を残し立ち去った。
気がつけば、日が僅かに傾いていた。予想以上にあっという間に過ぎた時間を感じる。
そして──アケーチは、今日一日を振り返り、控えたメモをしばらくの間、ただじっと見つめていた……
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月05日
参加申し込みの期限
2017年10月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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