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■ジャスミンは幸福と共に
桜花寮の一室内で、ぱたんと本の閉じられる音。
読書好きだが作者やジャンルどころか内容にすら執着の無い
倉前 七瀬
は、適当に借りてきた本の山のてっぺんから取った本を読破済の山へ移しながら。
―― 広いお風呂……久しく入っとらん気がしますね。久々に広いお風呂でのんびりしたいです。
七瀬が今置いた本のタイトル、『湯けむり湯の中かく語りき』。
とどのつまり、銭湯で色々な人間模様が繰り広げられる、ノンフィクションなようでフィクションの、オチがあるようで無い、銭湯のノウハウもちゃっかり載った雑誌のような一応小説。
沢山の文字を追うのは楽しい。時折こうして、中身に影響される思考や行動も。
楽しそうな微笑みを浮かべ、七瀬は立ち上がる。
一瞬、同室の彼は今頃どこで何をしてるのでしょうかと首を傾げつつ、部屋を後にした。
そんな七瀬の同室相手こと
千種 智也
は現在、銭湯「杜の湯」の男湯にすでに浸かっていたり。
―― こういうとこって騒がしいイメージがすっけど、この時間帯だと案外ゆっくり出来んだな……。
決して寮の風呂が嫌いなわけでも、人嫌いなわけでもない。
たまにはいいか、と外を歩いていたついでに入ってみただけ。
穏やかに過ごしているようで、時折退廃的な付き合いをしてしまう己をふと振り返れば、ばしゃっと音を立ててお湯を顔面にかけた。
冷やす水とは違い、温もりが顔中に広がって無意識に表情が緩む。
―― ……やべえ、少しうとうとしてきた……こんなの周りの奴らには見せられ……
今の自分は日頃いつもどこか武装した空気を、すっかり解いている自覚がある。
おかしな表情にすらなっているかもしれない。ぶくぶくと半分程顔を湯の中へ隠したりしながら、何気なく入口のドアへ目をやった智也の桜花弁色した瞳の中に、よく見知った姿が映り込んだ。
―― ……ん、あれは倉前か? こういうところには来ねえイメージだったが……。
物珍しそうに入って来ては、キョロキョロと銭湯内を見渡すそんな仕草が、いつも通りの七瀬らしくて。
このような場で智也が自ら声をかけるのは、いつの間にか気を許し始めていたからなのかもしれない。
どのような自分の姿を見せても、きっと彼は何も変わらず接してくれるという無意識から。
「よう、倉前。お前も来てたのか」
「おや、智也? 奇遇ですねぇ!」
案の定、いつもの調子でほにゃんとした笑顔で寄ってくる七瀬へ、湯から上半身出してフチに手をかけ片手上げ、智也は迎えた。
「こんなトコ来るなんて、珍しくね?」
「広いお風呂に入ってみたくなったんですよー」
「……また本かなんかから影響されたんか」
「当たりですー」
同室生活もそれなりになってくれば、ある程度互いの行動や思考が読めてきて。
呟かれた言葉へ、七瀬はただ嬉しそうにまったり返してから、確かこうして……とかけ湯をした後智也の隣りへとチャプリ、お邪魔した。
「それにしても、こげん広いお風呂だと泳ぎたくなってしまいますね」
ほとんど人もいないお風呂場は、いつも以上に広々として見えるものだよなと、最初智也は七瀬の言葉に『そうだな』と軽く頷くだけだった。
が、ふわー、と湯船を見渡す翡翠色がやたら輝いていることに気付く。
―― ……もしかして倉前、本気……か?
そう考えた瞬間、目の前の七瀬が『泳いでしまえ』とばかりに両手を湯の中でピーンと伸ばしたのを見て、反射的にその肩をがっしり掴んで止めていた。
「……だめです?」
「駄目だろ」
「智也が言うなら、やめておきますね」
そう口にして姿勢を正した七瀬だったが、どこか挙動不審気味に湯の中をしゃがんだまま歩いてみたり、ちらりと智也を振り返ったり。
うずうずうず。
そんな効果音が彼の背中から放たれているような幻聴を、智也は聞いた気がした。
―― そんなことされたら俺ももれなく恥ずかしい奴になるだろ……。
たぶん、やる、あの好奇心の塊みたいな空気は、もう一回くらいやる。止めるしかない。
…………
…………………
………………………じゃばりっ
がっしぃ!
「あ。バレとったとですか。さすが智也」
「……倉前、もしかしてこういうところに来るの初めてなのか?」
「はいー。でももうやらないです」
「そうしてくれ」
「そうだ智也、背中流しましょうか」
「そうだな、………は?」
まったりペースの会話に条件反射で返していたら、予想外な言葉が横切った気がして智也は勢いよく七瀬へと振り返った。
「しませんか?」
「嫌に決まってるだろ」
「まあまあ、せっかくですからー」
「おいっ」
自身の興味を満たすことに大変正直であり、意外と譲らない七瀬の性格を、智也はもうよぉく理解している。
これは何をどうしたってやる気だ。
そう悟ればそれ以上の抵抗を潔く諦め、いそいそと湯から出る背中へのろりと続く智也がいた。
―― 嫌な顔はしても、最後はいつも一緒してくれるけん。智也はやっぱり優しかですね。
せっかく銭湯に来たからには、いつもと違うことをしたい。
智也が居るのを見つけた時から、心の中でずっとうきうきしていた自分自身へと瞳を細める七瀬。
先手は俺が、とばかりに七瀬の背へと回り込み、無心の如くせっせと上下に動くタオルの泡立つ感触に委ねながら、少し曇った正面の鏡を七瀬は見つめた。
予想通り、ぶすっと真顔で己の背を洗ってくれてる智也の表情が映っていて、七瀬はにっこりと口の端を上げる。
あの顔は照れちょるん時の顔やね、なんてこっそり思ったり。
七瀬がそう分かるようになってきたのは、きっと智也が言葉以上に表情や態度で相手へと伝えるから。
気を許し始めた相手へなら尚更に。
本人が気付いているかは置いておいて。
「ほら……これでいいか、って嬉しそうだなお前」
「こうやって背中の流しあいするの、一度やってみたかったんですよー」
「……そういうもんか……?」
「ですー」
はい今度はウチの番です、と智也を座らせてその背へと七瀬は回り込んだ。
大人しく身を預ける自分に少し智也は驚いた。
―― にこにこと推し進めてくる倉前相手ってのもあるが……別段、嫌悪感とか無いし……。
思っていた以上に、この同室人と気持ち的な距離を縮めていたのだろうか、と思案する。
真っ直ぐに向けてくる言葉ばかりで、しょっちゅう恥ずかしくなるけれど決して嫌ではないのだ。
「ふふ、誰かと一緒にお風呂に入るのって楽しいですねー」
「……まぁ、な。たまになら悪くないかもな」
やっぱり素直に口にしてきた言葉へ、智也もぽそりと呟いていた。
風呂上がりにはコレだ、と(照れを誤魔化すように)早々に先に着替え終えた智也が、当然とばかりにコーヒー牛乳を購入しているのを目にして。
そうなんですねー、なんて頷いては七瀬もそれに倣ってコーヒー牛乳を手にしていた。
「ぷはぁっ! 美味しいですね。生き返ります~」
「だろ」
腰に手を当て見本の如くごっきゅごっきゅしていた智也も、七瀬の言葉に頷きながらどこかいつも以上に美味しく感じたり。
「銭湯、思った以上に楽しかったです」
「そりゃ良かったな」
「また来ましょうねぇ」
「き……気が向いたらなっ」
本から、文字から得る情報も楽しいが、あのまま腰を上げず本を読み続けていたらこの経験を出来なかっただろう。逆に、読んでいなかったらここに来ようとは思わなかっただろう。
―― じゃから、文字を追うのやめられんとです。
そっぽを向いて歩き出す智也の隣りへ並びながら、ほくほく顔で共に寮までの帰路につく七瀬であった。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
お色気
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月07日
参加申し込みの期限
2017年10月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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