いっしょにスイーツ・タイム♪｜リアクション

いっしょにスイーツ・タイム♪

「次のケーキは、『ビバ・ネコジマ』だ」
「私は『ニューヨーク』にしたよ」
　拓郎と彩葉は互いにケーキを見せ合う。拓郎は『ビバ・ネコジマ』のこだわった形に興味を示し、スマートフォンで撮影する。
「これ、見た目が楽しいのがいいな……」
「そうだねぇ。寝子島をかたどっているあたり、まさに！　って感じだよね」
　感想を言い合い、互いに選んだケーキを同時に一口。
　拓郎は静かにもぐもぐと『ビバ・ネコジマ』を味わって……内心でちょっと物足りなさを感じた。
（バタークリームは好き嫌いが分かれるけど、これは好きかも。しっかりとした甘さとなめらかさがありながらもくどくないこのバランスは凄いな）
　と、素直に思う一方、何が足りないのか、とケーキを食べながら考える。一方の彩葉は、『ニューヨーク』のしっかりとした甘さに舌鼓。
「チーズの風味がしっかりして濃厚だけど……うん、食べ飽きない味だね！　固すぎず柔らかすぎない食感もグッドだし！」
　と、上機嫌の彼女。幸せそうに「おいしい」と微笑む顔は、いつみても飽きない。だが、拓郎はもう１口『ビバ・ネコジマ』を食べながら考察を巡らせる。
（そうか、このバターケーキに足りないものがわかった。別の物のコクや香りだ。バタークリームとはまた違う風味とコク……）
　それを出すには何がいいだろう？　すぐに目に入ったのはガトーフレーズ。彼はなにか思いつくと感想を書く紙に丁寧な字で書き連ねた。
（このケーキの味を出すには、どうしたらいいのかな？）
　彩葉は彩葉で味のメモをする。
　こうして、２人のモニターは終了した。

　拓郎と彩葉から貰った情報を読んでいたアリスは、その一文に目を見張る。
「なるほど。『ビバ・ネコジマ』について、ですカ……。果汁を混ぜたスポンジか、ナッツのアクセント……ですネ」
　アリスはしばし考え、幾つか試作品を作ってみる事にした。

　＊：＊：＊

　――後日。

　期間限定のスイーツショップにて、新しいメニューが追加された。
　１つ目は土日限定で提供されるナポレオンパイ『ウイークエンド』
　２つ目は平日の午後限定で提供されるカレー風味キッシュ『カリー・プリンセス』

　これらはリクエストした者たちに連絡が行き、とても喜ばれた。もちろんSNSでの宣伝も解禁になる。
　また、『ビバ・ネコジマ』も改善され、ピスタチオなど数種の砕いたナッツがふりかかり、見た目もより寝子島らしくなった上風味も香ばしさが加わっていた。

　そして、このスイーツショップは５月末日までそのお店で開催される事も同時に通達された。

　アルバイトに参加した者たちには、お給料の他に好きなケーキ２つ＋ドリンクのサービス券が渡された上、お土産に紅茶風味のビスコッティもプレゼントされた。
　そして……特に参考になった情報や集客に結びついたSNSの投稿者にも特別なプレゼントがあった、らしい。

（また、寝子島のみなさんのアイデアを借りたいかしら、ネ）
　アリスはモニターからもらった情報などを見ながら小さく微笑んだのだった。

（終）

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あとがき

担当マスター：菊華伴
ファンレターはマスターページから！

菊華です。
まずは、ガイドに登場してくださった本居陽毬さん。真にありがとうございました。

お待たせいたしました、スイーツ・タイムシナリオ、出来上がりました。
今回は皆さんのアクションを読みながら「あー、ケーキ食べたいなー……」という気分になりながら書いていました。

僕もケーキは大好きです。
ただ、２、３個食べられるか否か……。オペラとかは１つで手一杯な気がします……。
本当は何個も食べたいのだけれども！　タルトとか、パイとかキッシュとか！！

今回の報酬に関してはリアクション内に有るとおり、
・基本のお給料
・サービス券（お好きなケーキ２つ+ドリンクが無料）
・ビスコッティ（お土産。紅茶風味）
が皆さんに送られました。お疲れ様でした。

それでは、また縁がありましたらよろしくお願いします。
菊華　伴でした。

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