【身体測定】ドキドキ♂♀反転戦線、再び！｜リアクション

【身体測定】ドキドキ♂♀反転戦線、再び！

「ルシ様ー！　いやぁ同じクラスだったとは！　何の巡り合わせでしょ！」
「フフ。貴様とはどうやら神の導きによって共に学ぶ運命（さだめ）にあるようだな。
　（訳：わーい偶然にも同じクラスだね！）」
　廊下でばったり会った信楽世平と葦原忍穂……ごほん、『片翼の堕天使―ルシフェル―』様は、２年生の教室前の廊下で談笑していらっしゃいました。そこに突っ込んできたのは弾丸特急・播磨愛李子。
　ダーン！　という強い衝撃とともに弾き飛ばされた忍穂は、しりもちをついて声を荒げた。
「貴様！　神聖なる回廊を疾走するとは！　神の鉄槌をうけるぞ！（訳：廊下は走っちゃいけません！）」
「あ、あ、あ……ルシ様……ちょいと……」
「そのような震え声を出すとは何事だ、信楽」
　振り向いた忍穂の目に飛び込んできたのは、ボサボサ髪が腰ほどまで伸びた世平の姿！
　世平は自分の股間をまさぐり、愕然として目を見開く。
「気が付いたら髪が超伸びてる！　ある筈のモンがねぇ！　マジですかい？　あっし今、女子……？」
　ゆっくりと両手を胸にあて、また愕然！
「こういう時はねぇモンがあるってのが定番なんでしょうけど……背は高いのに見事に揉むもんがねぇ……」
　それに引き換え、忍穂の変貌ぶりはどうだ。
　かんばせは輝くルビーの如き美しさ。身長は158cmほどで、胸も形がよく、つんと上を向いている。
「ウワ！　隣が美女ー！　なんすかこの美女オーラ！　ルシ様眩しっ！」
　ルシ様もといルシ子は、長い黒髪をふぁさっとかき上げ、流し目で信楽を見た。
「フン、我が美意識に足る器だ……が、纏いし魔力と反発している、か……力の大半を封印している故、馴染ませる程度しかできぬか……」
　ルシ子はパチンと指を鳴らし、＜幻惑共有（ｉｍａｇｉｎｅｃｒｅａｔｏｒ）＞を発動させた。自分が想像した現象が現実に起きているように見せかけるろっこんで、魔法少女の如く衣装チェンジである。
「ルシ様の衣装がミニスカゴスロリに！　さらに眩しっ！」
　白い襟は首元だけで、縁が黒のレースで飾られたキャミソールと、十字の刺繍が入った赤いネクタイの間に、白磁の肌が絶対領域のごとく晒されている。世平がその部分を凝視していると、ルシ子は唐突に、
「……揉んでみる？」
　などと聞いてきた。
「……いんや大丈夫です。元は男の胸揉むって考えたら後であっしの口から虹が出ると思うんで」
「そう、か」
　ルシ子はちょっとしゅんと肩を縮めたように見えた。
　気ぃ遣われたかな、と世平は苦笑する。
（何だかんだ優しいすよねルシ様……）