キミガダイスキ｜リアクション

キミガダイスキ

■秘めやかな欲望
　三人での楽しいデートを終え、己の自宅へと戻った御剣刀。
　その心は深い充足感で満ちている。
　一体、今日感じた熱い想いはなんだったんだろう、とふと考えるも……
（あれが、俺の嘘偽りのない気持ちなんだ）
　二人を抱きしめた時の幸福感。
　千歳と海の温もりや香りが交わり、心に得も言われぬ充足感に満たされた刀。
　しかし、それと同時に刀は感じていた。
　幸福感と同時に沸き起こる、刀の中の衝動を。
（……あの時我に返らなかったら、俺は二人に何をしてたか）
　頭の中に広がる想像。
　危なかった、と刀は大きく息を吐く。
　身体や精神を鍛えていても。そこは健全な高校生男子ですから。
　色んなコトを考えてしまうのは致し方ないことではある。だが。
（ただ、身を任せて二人を傷つけることだけは、絶対にしない）
　気を付けよう、本当にマジで。
　刀は己のベッドに身体を落とした。
（でも、いつか受け入れてもらえたら……）
　いくばくかの希望と共に。
　二人への愛情を再認識する刀だった。

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