ハピネスサンドイッチ！｜リアクション

ハピネスサンドイッチ！

さて、有志たちが作ったたくさんのサンドイッチを前に、
ハムおじさんは感激していた。
自分では思いもよらないようなレシピを発見できたことは勿論だが、
なにより、一同が自分を元気づけようと工夫を凝らし、
知恵を絞ってきてくれたことが何よりうれしかったのだ。
皆が作ってきてくれたサンドイッチを手分けして量産し、
シーサイドタウン、ハピネスサンドイッチのワゴン前では
即席の新作試食会が催されることとなった。
みなそれぞれに、自分の作ったサンドイッチのこだわりポイントを話しながら
他人の作ったサンドイッチにも手を伸ばす。
「全部おいしそうで、目移りしちゃいうますねー！」
　と、色気より食い気が留まるところを知らない陽毬は、
ずらりとならんだサンドイッチたちを端から端まで最低でも三周は食べつくそうと息巻いている。
「コーヒー牛乳と、ミルクティーもありますですよ」
「じゃあ、私がみんなに配って来るわ。おかわりの準備もお願いしていい？」
　自分たちが作ったサンドイッチのコンセプトに合わせて美咲紀が用意していた飲み物を、
職業柄そういったところに気が付きやすいアリサが皆に手渡していく。
「いやあ、ちょうどいい感じのマグカップ？　ユノミ？　が欲しかったところなんだよ！」
「それはよかった。僕の作った物で良ければお譲りしますから、
コルテュルクさんのお仕事の合間にでも工房に寄ってください」
　バルシュはいつのまにか甲斐斗の工房でいい感じの湯呑を手に入れる約束を取り付るほどに、
甲斐斗と打ち解けていた。
「そうだなあ、最近読んだ本で面白かったのはあるけど、あなたはもう読んじゃってるかもよ？」
「なら他の本を。図書館にあるものでも、なんでもいいですので」
　読書が趣味の修は朝衣におすすめの本を尋ね、メモを取っていた。
落ち着いた者同士、意外と好みが似ているところもあったらしい。
アケーチが自作のプリンサンドをハムおじさんに「はい、あーん」と食べさせようとして
断られているその横で、ゲーマーの流は、同じく無類のゲーム好きであるスグリと、
最近稼働開始したばかりのアーケードゲームの話で盛り上がっている。
「ハムおじさん、俺、次は豚肉のリエットのサンドイッチ食ってみたいデス。
姉ちゃんが酒のつまみに～って食ってて、チョーダイって言っても独り占めしてくれなかったんデス……」
「お！　それうまそー！　俺も食ってみたいな！
……ここ、うまくてボリュームあるから早く復帰してくださいね」
　流の言葉に、その場にいた全員が同意して、
サンドイッチの試食会は夕日が沈むころまで続いたとかいないとか。

　しばらくののち、寝子島では
以前よりメニューのバリエーションがパワーアップしたハピネスサンドイッチが
島のあちこちで目撃されるようになりましたとさ。

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：白丸あこ
ファンレターはマスターページから！

ハムおじさんのお悩みを解決してくださった皆様、
ありがとうございました！

皆様アドリブ大歓迎の方ばかりだったので、
かなり自由に書かせていただきました。
書けば書くほどサンドイッチがおいしそうすぎて
ここ数日のサンドイッチ消費量が跳ねあがっております。
書いているものに影響されやすいタチでして……。

今回も楽しく書かせていただきました！
また次回、よろしければお会いしましょう～。

↑ページトップに戻る