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件の人形師の住処は、シーサイドタウンエリアのちょっと分かり難い場所にあった。
土地を借りた人たちが独自に作ったのだろう、入り組んだ細長い通りをうろうろする事数分。
並ぶ建物もジャンク屋的な雰囲気だったり、スチームパンクなお店かと思ったら、隣は宇宙服を売っていたりとごちゃごちゃしている。
そんな中、バラの花の透かし模様が入った看板に『マネキンあります』とだけ書かれた店があった。
「店名はないんですね」
ふむと店の外装を眺める礼二。
横丁に並ぶ他の店より小奇麗だが、洒落た模様のシャッターが下りていて隣にシンプルなドアがあるだけだ。
「知る人ぞ知る、って感じか
ラッセルはマネキンのマの字もないアバターの名刺を見た。
お客さんに来て欲しい店なら載せている、アドレスも記載されていない。
「製作に打ち込みたいって人は、大概そうじゃないかしら」
シンプルなドアの向こうにいたアイボリーの髪の女性は、四人にソファを勧めながらそう笑んだ。
日本語は流暢だけれど、ラッセルと同じように異国の血が混じっているらしく、サイバーなツナギを纏った上からでも、そのプロポーションが窺える。
(女性だったのか……)
そして、この世界でこの外見という事はもれいびだという証で。
誰かが意外そうな顔をしたのを、Mystiqueは何処か楽しげに笑みを深めた。
「ミスティでもみっちゃんでも、好きなように呼んで頂戴。
私は3Dのデザインなんかしてる会社にいるんだけど、今は育休中でね。
丁度ここが始まったから、気晴らしに自分の好きなもの作ってみようかと思って始めたんだけど……」
マネキン作ってみたところ、その出来に驚いた交流者たちが自分にも作ってくれ、という事が商売の始まりだったという。
「ま、作りたいだけ作ってたらいっぱいになっちゃって、自分の土地で全部動かしてあげられなかったし、丁度良かったのかもね」
と店内に並ぶ既成モデルのマネキンたちを見遣った。
稼動している接客用のマネキン以外は、スクリプトを抜いた外見の見本らしいが、Mystiqueが3Dデザイナーという事もあってか見た目だけでもただの人形ではないような迫力めいたものを感じる。
「わー、機能も色々なんだねぇ。すごいなぁ。えーとこのモデルは、お値段1,600……せんろっぴゃく!?」
興味津々で眺めていた寝太郎は、値札に目を白黒させる。
この世界の相場でいえば、自宅を作るのに一般的な広さの土地代としてなら半年くらいは充分借りていられるし、その十分の一でそれなりの服は買えるくらいの金額だ。
「他のマネキン屋でもこれくらいはするぜ?」
「確かに、あれだけ手間が掛かるんだし……」
ラッセルや天野は苦労を知る分納得気味のようだ。
礼二は事も無げに呟く。
「結構安いんですね」
「またこのパターン!?」
お金持ちってすごい。
「実家の宣伝も兼ねてという事で、援助して貰っていますしね」
「加瀬君の実家って……ラスベガス?」
寝太郎の脳裏にゴールドラッシュ! みたいな混沌とした光景が浮かぶ。
「ふふ……」
しかし、笑って流す礼二。
それはさておき。
「メールで貰ってた依頼だけど、今から作るとちょっと時間が掛かりそうなのよね。
店に出してない男性型で、前にポーカー出来るのを作った事があるんだけど、調整するからひとまずその子を使って貰えないかしら?」
「いるんですか」
「ええ。日の目を見る機会があるとは思わなかったけどね」
とMystiqueが礼二の横のスペースに、あまり見掛けない男性型のマネキンを出した。
「良いですねぇ」
「服装や性格なんかも希望があったら聞いておくわ。金額は既製品と同じくらいで。
私も稼動データをバックして貰えると、助かるからね」
「ありがとうございます」
礼二とMystiqueの取引は、トントン拍子で進んだ。
「バグや誤動作があったら連絡して頂戴。
でも家事や子供の事優先してるから、すぐには対応出来ない場合もあるけど、そこは勘弁してね」
「ええ、心得ました」
調整後のマネキンは、早ければ今日中に届くという。
続いて、Mystiqueはラッセルが出した青い鳥のソラを診た。
「あら、可愛いわね。私も最初はテディベアを作ったのよ」
と、側に二足歩行のテディベアを出した。
「わー」
ちょこちょことした動作でテディベアがボールやお手玉を出すと、寝太郎は相手をし始める。
「あの……!」
生き生きしたテディベアの姿を見て、ラッセルは肩に力を込めて切り出す。
「ミスティさんの作品すっげ気に入ってて、あんな作りが違うみてぇな輝いてるやつ、どうやったらできるんですか?!」
熱意の篭った問い掛けに、Mystiqueは目を細めた。
「そうね……私はこの子たちを作る時、完成した後どんな風に過ごしていくか考えているわ。
作り物かも知れないけれど、持ち主の許で生きていくみたいな……命を込めるってイメージかしらね」
ラッセルは頷きながら聞き入る。
「母がね、人形のお手入れをする仕事をしていたの。持ち主から預かったお人形を、『里帰りしてきた』って大切に扱うのを子供の頃から見てたから、思い入れがあるのかも知れないわ」
少ししみじみとした様子で、彼女は昔を懐かしむ。
そして、寝太郎がテディベアと遊んでいる間に、Mystiqueはラッセルたちに渡して貰ったスクリプトファイルを確認した。
「これは……うん、ちょっとよく分からない記述もあるけど、大体は詰め込みすぎが問題ね」
「やっぱり!?」
すぱっと言われて、ラッセルは衝撃を受けた。
あれもこれもと入れてしまったので、薄々は分かっていた部分もあるけれど。
「後は一緒に入れた動作用のアニメーションファイルが上手くリンクしてないとか、アニメのサイズが鳥ちゃんの大きさに合ってない辺りも、挙動がおかしい原因になってるのかも」
「な、なるほど……」
「始めはつい機能を詰め込みたくなるものだけど、スクリプトとかプログラム関係の記述って、人が横書きの文章を読むように上から順に処理していくの。
この状態の時はこの処理をして、そうでなければ次の行に……って、診断なんかのフローチャートみたいなものだと思えば良いわ」
そこで本来後に処理する筈のものを前に書いてしまったり、命令同士が噛み合わずケンカしてしまう組み合わせだと上手く処理出来なくなってしまうと。
「アニメはまた別のソフトで調整したりするんだけど、今回はやっておくわ。
フリーでDL出来るサイトもあったと思うから、後で勉強しておけば動きのバリエも増やせるわよ」
ざっと診断を終えると、ラッセルはぽんとソラを渡された。
「起動してみて?」
Mystiqueに促されてスクリプトを動かすと、ソラはむくりと起き上がった。
『コンニチハ!』
「……おお」
鳥っぽく首を動かし、ラッセルを見ながらまともな挨拶をするソラに感動を覚えた。
『あなたのお名前は?』
Mystiqueがキーボードでメッセージを叩く。
『ボク ソラ』
『製作者さんのお名前は?』
『ラス ト konru』
「おおおぉ……」
「とりあえず、最低限のスクリプトで喋ったりちょっと動くようにしてるだけだから、後は少しずつ機能を増やす毎に動作を確認した方が良いわね。
アニメの調整があるから、飛ばせるのは少し待って」
「ありがとうございます!」
「ええと、お代は……」
お礼と代金の事を切り出すラッセルと天野に、「いいわよそんなの」と彼女は微笑んだ。
「私、スクリプト殆ど消したり弄っただけだしね。
それに……あなたたちもうクリエイターのタマゴなんだから、いっぱしの人形師になって活躍してくれるんなら安いもんだわ」
Cat Islandの可能性を広げてくれるような新たなクリエイターの誕生は、掛け値のないものなのだという。
「ミスティさん……」
ラッセルはじーんとした。
「あ、でも作ったスクリプトを試す時は、街じゃなくてローカルでかテスト用のサーバーでやった方が良いわよ。有志が解放してくれてるとこもあるから。
本サーバーで不具合が起こると、インしてる人みんな困る場合もあるからね」
「は、はい……」
(あれってマズかったんだ)
肩を窄めているラッセルを横目に、天野も少しヒヤリとした。
頑張ってね、と激励するMystiqueとマネキンに見送られ、礼二たちと一緒に店を後にした。
「……ここか」
黒いゴシックロリータに、フリルの付いた黒い傘。
対照的に流れるような白い髪の少女が、入り組んだ横丁を進んでいた。
その先には、先ほど少年たちが訪れたマネキン屋がある。
横丁の風景とはちょっと異質なディティールなのは、彼女――月もこの店も、なんだか似ていた。
シャッターの横の小さな扉をノックすると、「開いてるわよ」と中から女性の声がする。
「いらっしゃい。桜 月さんね。待ってたわ」
月は検索などで色々と情報を調べ、辿り着いたMystiqueという人形師に「面白いじゃないか」と連絡を入れていた。
「用件は、私のマネキンね」
「ああ、貴方の人形が欲しい」
彼女が欲しいのは、ペットだ。
ここは現実と似ているけれど、非なる世界。なら、ペットがいても良いな……と思ったのだという。
「そうね……動物型のモデルはいくつかあるけど、どんな子がご希望かしら?
今受注すると、既存モデルのカスタムなら一週間、フルオーダーなら二週間からひと月くらい見て貰う事になるわ」
金額も、それだけ工程や手間が掛かる為か、全てを一から作るオーダーメイドだとカスタムオーダーよりも倍は掛かるようだ。
細かな項目の質問に答え、月は店を後にする。
後は、完成を待つだけだ。
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担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年06月04日
参加申し込みの期限
2013年06月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年06月11日 11時00分
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