【第７ゲーム】

【親猫決定ダイス！】７回目



親猫：塔ヶ崎 璃亜
　薄幸すぎるバイト少女こと璃亜ちゃん。本日もまたいいアルバイトがあると聞いてやってきた彼女ですけれど、やにわに始まったのはバイトではなく猫様ゲームでした。待っていたのはやっぱりどこまでも、不幸！
　わりかしテンパり屋な彼女はさぞかしお嘆きのことでありましょう……と、思いきや。
「……あははは。どうやら次は、私が親猫のようですね～？　あはははは」
「お、おー。そんなに楽しみにしてたのかー？　まーゴミの海からやってきたゴミクズの頭上にまぶしく輝く希望が猫様ゲームであるわけだからー、喜ぶのは当然……」
「ふふふふふ。あはははは」
「ひぇっ（ビクッ）」
　今日の璃亜は神魂のためか、ちょっぴり性格がアレなことになっていたりしました。少々目も剥いてる気がします。ヨエコさんもすこうしヒキ気味です。
「せっかくですから楽しんでいかないとですよね。それに、親猫になるなら有益な命令をしないと……あっ、そうだ、この命令にしましょうそうしましょう。ふふふ、楽しくなってきましたね♪」
　こんなにも幸せそうな璃亜ちゃんが見られるのは、（たぶん）猫様ゲームだけ！

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親猫：塔ヶ崎 璃亜の命令

『妊娠検査薬を買ってきて』！

璃亜（野球ユニフォーム）「（八神さんのほう見ながら）うふふ。いつ使う事になるか判りませんし、一つくらい持っておこうかと思いまして。うふふふふ……じゃ、お願いしますね～？」



【マッチングダイス！】７回目

子猫Ａ：本居 陽毬（マイクロビキニ）「えっ、なに？　にんしん？」
子猫Ｂ：トワ・E・ライトフェロゥ（メイドさん）「Hard mission！　トワへの挑戦と受け取りマシタ！」



　またしてもキワキワな命令が下されてしまったようです。
　アレな恰好の女の子二名で行く、見つかったら職質まっしぐらな高難度すぎるミッション！
「えっ、にんしんけんさやく……えっ、璃亜ちゃんそーなの！？　うわーうわー、ちょっと高校生に許される恋愛ロマンチックを飛び越えてる気もするけど、おめでとー璃亜ちゃん！　カレシができたんだねー！」
　陽毬がぱちぱち手を叩くと、合わせてそのたびふるふると揺れております。なにがとは言いませんけれども揺れております。
　そんな陽毬にお祝いされてまんざらでもないのか、璃亜はふんすと鼻から息を吐きました。
「ふふふ、あの満点デコキッスはもはやプロポーズでした。つまり私は婚約者である彼にいつ何時孕まされるか分からないわけです。ね？　必要でしょ？　妊娠検査薬」
「だからッテ小学生のトワにそれを買いに行かせようとは、ムチャが過ぎマセン？　だがそこがイイ！」
　いつもの暴走具合を二倍してさらに足したようなイキオイあふるるトワちゃんだって、メチャやる気です。今日は彼女の暴走を止めてくれるはずの有能なお世話役もいませんもので、アクセルベタ踏みのブレーキ全壊状態！
「ヒマリ！　シュッサンをひかえるリアのために、ニンシンケンサヤクを手に入れるデス！！」
「ＯＫだよトワちゃん！　友だちの恋はバッチリ応援してあげないとねー！！」
「あ、ちゃんと店員さんに、『妊娠検査薬はどこに置いてますか？』って聞いてから買ってくださいね。それと帰りは、レジ袋無しで箱を手に直で握り締めながら戻ってきてください」
「「はーい！！」」
　先ほどの命令でも絡んだ陽毬とトワはすっかり打ち解けたのか、手をつなぎながら出かけていきました。買うものが買うものだけに、また猫様ゲーム的美味しい絵面のために、少しは恥じらいの顔というものを浮かべて欲しいものの、どうやらそちらには期待薄かもしれません。
「おーいお前たちー！　タイホされた時は自己責任でたのむなー。あたしや楽しい猫様ゲームの仲間たちを巻き込むんじゃないぞー？」
　このふたりを見て、果たしてすれ違う人々はどんな間柄を妄想するのでしょうか……？



陽毬（マイクロビキニ）「ところで、妊娠検査薬ってどこに売ってるのかな？」
トワ（メイドさん）「drugstoreじゃないんデス？」
　ざわざわざわ……
トワ（メイドさん）「ムム。なんか見られてるマスね」
陽毬（マイクロビキニ）「？？　まだ水着の季節には早すぎたのかな～。あ、薬屋さん発見！　ゴーだよトワちゃん！」
トワ（メイドさん）「Excuse me！　ニンシンケンサヤクどこ置いてるマスカー！」



【猫様ダイス！】17

○店員さんの反応

１：ああはいはい、猫様ゲームね
２：えっ、なに？　どっちが？　えっ？
３：ああはいはい、猫様ゲームね
４：百合とか年齢差とかコスプレとか属性盛りすぎだろご褒美か！（理解ある店員）
５：ああはいはい、猫様ゲームね
６：犯罪の匂いを感じ取って即通報の店員さんマジ有能



　旧市街の某お薬屋さんの対応は、なんともオトナでした。入店してきたおふたりをちらりと見るにつけ、
「ああ、うん。猫様ゲームね。大変だね」
「oh，とっくにゴゾンジデシタカ」
　び、と親指立てて言いました。
「ヨエコちゃんの相手は大変だろうけど、あれで悪い子じゃないからね、付き合ってあげておくれ。フツウの妊娠検査薬と早期妊娠検査薬があるけど、どっちがいい？」
「？？　良く分かんないや。それじゃどっちもくださーい！　トワちゃん、いっこずつ持って帰ろっかー」
「Roger！」
　親切にも袋に入れてくれようとしたところ、あ、袋いりません、とスーパーで買い物するエコ主婦のようなことを言ったマイクロビキニ陽毬には、店員さんも苦み走った複雑な表情を浮かべてひと言、頑張って。と実に心のこもったお言葉で応援してくれたのでした。
　なおふたりは命令どおりに検査薬を手に直で握り締め、仲良く手をつないで帰りましたけれど、幸運にも捕まることはなかったとのことです。マジ良かった！

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本居 陽毬とトワ・E・ライトフェロゥは、
塔ヶ崎 璃亜の命令『妊娠検査薬買ってきて！』
を達成しました。


璃亜（野球ユニフォーム）「ありがとうございます。これでいつでも準備万端ですね。みんなで野球チームができるまで頑張りましょうね、うふふふふ（八神さんのほう見ながら）」
ヨエコ「ひとかわむけたなーこいつ……」

陽毬（マイクロビキニ）「みっしょんこんぷりーと！　やったねトワちゃん！」
トワ（メイドさん）「オトナノカイダン登ったデス！　これでトワもAdult Ladyの仲間入りデスネー」