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存在感奪還大作戦!?
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テオ
の声を聞いた
如月 蘇芳
は、口元に緩く弧を描いた。
「……ふうん。なるほどね。つまり目立たなきゃいけないんだね」
ふふ、と唇を笑みが揺らす。
「そんなの、簡単じゃないかな?」
目立つことには慣れているし、目立たないと埋もれてしまう世界に蘇芳は立っている。
だから自然と、このくらい何とかしてみせないと、と思えた。動揺はない。
少し考えて、蘇芳は寝子島駅前へと移動した。
やるならば、人の多いところがいい。
数多の人が行き交う駅前で、蘇芳は「さて」と口元に指を宛がう。
(問題は、実は即興劇はそこまで得意じゃないってことかな)
この人通りで劇を始めたならば、それだけで人目を引くことはできるだろう。
けれど、どうせやるならば、拍手の波に包まれたい。
(悪目立ちじゃなく、人の心を掴むように目立ちたいよね)
瞼を閉じて、深呼吸をひとつ。
再び目を開けた時には、蘇芳はもう、追放された姫君の為に旅をする異国の王子だ。
駅前のざわめきを追い越して、朗々と声が響いた。
『ああ、姫! 愛しい貴女は、今、どのような空の下を彷徨っておられるのか』
赤の双眸は、乾いた砂漠の国の真ん中で、滅び行く故郷を追われた姫君の姿を夢見るように探す。
凛とした、それでいて甘やかな熱を帯びた蘇芳の声に、人々がぱらぱらと足を止めた。
蘇芳の――王子の指先が、そっと己の胸を撫ぜる。
伏せた眼差しに滲む憂いは、立ち止まった者達の心をぎゅうと締め付けた。
『砂に霞む目には、貴女の笑顔の幻ばかりが見える。心まで蝕むような、長い、長い旅だ……』
『けれど、この重たい足を止めるという道を、どうして選ぶことができよう?』
『再び貴女に出会うという悲願を捨て去ろうなどと、どうして思うことができよう?』
蘇芳の声に惹かれるようにして、観客はどんどんと増えていく。
王子の目をしたままで、演者としての蘇芳はその中に『適役』を探した。
観客を一人、姫君としてこの即興の舞台に招くつもりだったのだ。と、その時。
(あ、あれは……楓子ちゃん?)
蘇芳の目が捉えたのは、学校を抜け出してきた
千歳飴 楓子
と
立花 なつ
だ。
知人の姿を見留めるや、蘇芳の口元に、ごく淡い笑みが乗る。
(丁度良い。楓子ちゃん、ああ見えて演技も上手かったからね)
デート中……なのかな? とは、楽しげに楓子へと話しかけるなつの姿に思ったけれど、
(まあ、彼には申し訳ないけど、ちょっとお借りするね)
と胸の内に呟いて、蘇芳はすっと、己の手のひらを楓子へと向けた。
『ああ、姫! ようやく貴女に会うことができた!』
突如伸ばされた手に、なつは楓子と蘇芳の顔を見比べる。
「ん? なになに? 姫?」
一方、蘇芳からのアイコンタクトを受けて、「何だ?」と楓子が思考したのは瞬間のこと。
(ああ、即興劇か。なるほど)
と、すぐにその意を汲み取った楓子は、
『姫、どうぞ私めのお手を取ってください』
と続けられた言葉を合図にしたように、キリリと『騎士』の顔になる。
その手が、慈しむような柔らかさで、なつの背に触れた。
『ああ。こちらにお連れしたこの方こそ、喪われし王国の姫』
歌うように零される声に、観客達は騎士の姫への忠心と役目を果たした安堵を見る。
その声音と自然な所作だけで、観客は楓子の役を理解した。それに足る演技だった。
驚いたのは、急きょ姫君に仕立て上げられたなつと、王子役の蘇芳である。
王子として舞台に立つ蘇芳は、その色をかんばせにこそ乗せなかったが、
(……そっちがお姫様なの? いやまあ顔も綺麗だし、中性的……ではないけど……)
と困惑に似た感情を胸に湛えたりもしつつ、それでも揺らぐことなく演技を続行。けれど、
(え? かーちゃんじゃなくて? 俺?)
という具合で、なつの混乱はマッハである。
(ていうか劇とかやったことないけど……ええ~……あっ、でも、女の子が少し興味持ってる?)
そう、即興劇に巻き込まれたことで、なつにも《存在感》が戻り始めていた。
王子と姫君の感動の再会に瞳を潤ませる女性もいたりして、
(それならのっておこうかな?)
と、なつは女の子達の期待に応えんと、精一杯愛おしげに小首を傾げてみせる。
『今までお守りしてきたのも、全て王子である貴方様の元に無事に姫を届けるため……』
いかにも騎士然とした凛々しさで、楓子が音を紡ぐ。そうして楓子は、
『さあ、行って下さい。姫。王子の胸に飛び込み、そして誓いのキスを』
言い放つや、なつの背中を思いっきり押した。王子――蘇芳へ向かって、真っ直ぐに。
不意を突かれて王子の胸にとび込む羽目になった姫君は、顔を上げると、
『ええと……よろしく王子様? これから幸せに暮らしましょう』
と、はにかむようにして少し笑った。
王子が姫の頬にキスを零せば、女性客の盛り上がりは最高潮に。
割れんばかりの拍手が、2人の再会を祝福した。
「おお。拍手喝采。騎士は友人同士が仲睦まじそうで嬉しいよ」
キスシーンは良い角度で写メっておいたぞ、とぐっと親指を立てる楓子。
甘いキスの余韻に頬を僅か引き攣らせながらも、口元に何とか笑みを乗せ、
「もれなく騎士も一緒だと嬉しいな?」
振り返ったなつが言い、楓子へと手を差し伸べた。
そんな2人の姿に、蘇芳は胸の内で苦笑する。
(そういえば楓子ちゃんってこういう人だったの、忘れてたよ)
――でもまあ、意外性は観客の目を引くから、悪くはないかも、ね。
「しかし。演劇青年の蘇芳氏はともかく、なつ氏も案外ノリがいいな」
「って、かーちゃん、しれっとして俺の背中押したでしょ~?」
そんな裏話にも観客はどっと沸き、物語の最後はめでたしめでたし。
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担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月24日
参加申し込みの期限
2017年10月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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